電子カルテシステムとの連携で利便性とセキュリティを両立させた「日立指静脈認証システム」
日立が開発した指静脈認証システムは、近赤外光を指に透過して得られる静脈パターンの画像によって個人を識別する技術です。身体内部の情報を利用するため、偽造が極めて困難なうえ、認証精度の高さとスピード、装置のコンパクトさから、金融機関のATMや企業のPCログイン、入退室管理などの用途に幅広く適用されています。
「2010年6月から本稼働を開始した電子カルテシステムの端末約480台に指静脈認証装置を備えました。現在は医師や看護師、メディカルスタッフ約500人が、日々指1本でセキュアなログインを行っています」と語るのは、医療情報管理係長の浦川 博樹氏です。
嬉野医療センターの指静脈認証サーバには約1000指(一人2指)の静脈パターンが格納されています。登録指数が増えると他人受け入れのリスクが高まり、認証時間も増加するため、日立では通常、ID+指静脈で高速性を確保する「1:1認証」を推奨していますが、「IDを併用すれば、キーボード入力や管理に負担がかかる」との理由から、嬉野医療センターでは当初から「指のみでの認証(1:N認証)」に強くこだわりました。
そこで日立は、万一1本目の指で絞り込めなかった場合、別な指をかざすことで本人を正確に識別し、高速応答が可能な「1:N逐次認証技術」を適用しました。これにより、大規模なユーザー数でも、指静脈認証の持つ「高精度・高速応答」の特長を損なわずに、指を装置にかざすだけで本人認証を行える、利便性の高い1:N認証を実現しました。
嬉野医療センター 指静脈認証システム利用イメージ