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事例紹介:三島信用金庫

幅広い業務のセキュリティと利便性を高める日立の指静脈認証システム

三島信用金庫 常勤理事
事務部 部長 大西 裕治 氏

三島信用金庫 事務部 システム課 課長 中村 直樹 氏

三島信用金庫 三島信用金庫
事務部 システム課 杉山 幸生 氏

株式会社 TOKAIコミュニケーションズ SI事業部 静岡営業部 営業一課 課長代理 田村 孝広 氏

なりすましによる不正アクセスや情報漏えいなど、セキュリティへの不安が増す中で、 確実な本人認証を行える生体認証へのニーズが高まっています。
また、システムやアプリケーションごとに個別入力が必要なID/パスワードの管理を容易化し、 業務効率を向上したいという要望も増えています。

そこで静岡県三島市に本拠を構える三島信用金庫は、全職員が利用するシンクライアントへのログインに日立の指静脈認証システムを採用。複数アプリケーションへのシングルサインオンを指1本で実現したほか、全拠点の鍵管理ボックスの認証にも指静脈認証を適用し、利便性とセキュリティの両立を実現しました。


導入された製品、ソリューション
指静脈認証ソリューション

地域のホームドクターをめざし、幅広い業務改革を推進

富士山を望む駿河湾と相模灘に囲まれた静岡県東部から伊豆半島一円に52店舗を展開する三島信用金庫。地元のお客さまから「さんしん」という愛称で親しまれている同金庫は2011年1月に創立100周年を迎えました。これを機に、新本店には地域の芸術家を支援するアートギャラリーが併設されたほか、地元の優れた技術やビジネスプランを評価・表彰する「夢企業大賞」も創設されるなど、さまざまな100周年記念事業が展開されました。

地域の事業活動と生活を資金面から支える金融機能を通じて「安心、安全、安定」を提供している三島信用金庫の役割を、常勤理事 事務部 部長の大西 裕治氏は、「かかりつけのお医者さまのように気軽に何でも相談でき、お客さまのお悩みを解決する地域のホームドクターをめざしています」と説明します。

「日本は今、少子高齢化、IT化、グローバル化という3つの大きな課題を抱えています。当金庫でもお客さまの多くが高齢者の方々ですが、今後も皆さまに気持ちよくお取り引きしていただくため、将来的にはペーパーレス、キャッシュレス、印鑑レスという形で、お金のやりとりに間違いを起こさないシンプルなサービスを実現していきたいと考えています。このため現在、新機能を付加した窓口サービスの充実や、業務の見直し、事務の効率化などを積極的に進めている最中です。そこで重要な役割を果たすシステム基盤として導入したのが、日立さんの指静脈認証システムだったのです」と大西氏は続けます。

2009年半ばまで、三島信用金庫の業務端末では職員ごとに付与されたID/パスワードと磁気カードを併用したログイン認証が行われていました。「しかし離席ボタンを押さないまま、別の職員がシステムを操作してしまうと、いつ、誰が、どのような業務を行ったかの操作履歴が正確にトレースできません。またカード紛失時のなりすましも懸念されたため、個人情報の漏えいリスクを極小化する確実な本人認証と、複雑なID/パスワード管理から職員を解放できるソリューションを模索していたのです」と、事務部 システム課 課長の中村 直樹氏は当時を振り返ります。

新システムの導入を支援したのは、三島信用金庫のSIパートナーとして、ネットワーク基盤や業務システム構築を長年サポートしてきた株式会社 TOKAIコミュニケーションズ(以下、TOKAIコミュニケーションズ)でした。同社のSI事業部 営業一課 課長代理の田村 孝広氏は、「三島信用金庫さまからは、将来的にさまざまな業務システムと柔軟に連携できること、誰でもスピーディに認証できること、この2つの要件を満たせる生体認証システムが欲しいというご要望をいただいていました。当時サーバルームの入退室には別の生体認証システムが導入されていましたが、認識率が低いことにお客さまはお悩みでした。そこで日立さんの指静脈認証を試していただいたところ、その精度とスピードに非常に満足され、ただちに導入に至ったという経緯があります」と説明します。

指静脈認証で、複雑なID/パスワード管理から解放

2009年8月、業務端末からの情報漏えいを防止するため、ID/パ スワードに代わり、職員の指だけでログインを行う「指静脈認証システム」が本格稼働を開始しました。導入を担当した事務部 システム課の杉山 幸生氏は、「認証精度の高さと速さに加え、装置が非常にコンパクトであることもうれしいポイントでした。当金庫では指静脈認証を導入した数か月後に、業務端末をセンター側で一元管理するシンクライアント*に置き換える計画を立てていましたが、そこでも指静脈認証システムが問題なく使えると確認できたことも採用の大きな決め手になりました」と語ります。

現在、全52拠点の業務端末約880台で使われている指静脈認証システムは、ログイン時に指をかざすだけで確実な本人認証が行われ、セキュアかつスピーディにシステム利用を開始できます。ログイン後も、従来はアプリケーションごとに複数のパスワード入力が必要でしたが、新システムではActive Directoryと連携したパスワード代替入力機能により、シームレスにアクセスできるようになりました。

「これまではアプリケーションが増えるたびに新たなパスワードを覚えるのが職員には負担となっていました。指静脈認証の導入後は、そうした負担や面倒な入力作業がなくなっただけでなく、カードも不要となり、職員からは非常に好評です」と杉山氏は笑顔を見せます。大西氏も「シンクライアントと指静脈認証の組み合わせは、場所を選ばないセキュアな業務遂行を可能とした点でも大きなメリットがあります。例えば、営業店を訪問中に稟議書が回ってきても、店舗内端末に指をかざすだけで私自身のデスクトップ環境が現れ、その場で業務が迅速に行えます」と評価します。

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仮想化環境(Citrix®XenApp™)を利用

鍵管理ボックスにも指静脈認証を適用

業務端末ログインへの確かな成果をふまえ、三島信用金庫は2011年9月から店舗内の重要な鍵を集中保管する「鍵管理ボックス」にも指静脈認証システムを導入しました。

「これまで各店舗に配備した鍵管理ボックスでは、各人の利用権限に合わせた磁気カードを使って鍵の貸し出し・返却を行っていました。しかしカード紛失にともなう“なりすまし”の危険性があるため、こちらも指静脈認証により鍵管理を行えるようにしたのです」と中村氏は語ります。


本部会議室に備え付けられたPCからも、
指静脈認証で個人のデスクトップにセキュアにアクセスできる

三島信用金庫からの依頼を受け、日立のパートナー企業が開発した「指静脈認証対応 鍵管理ボックス」では、指で確実な本人認証を行った後、その利用者が許可された鍵のみをセキュアに貸し出し・返却できる仕組みを構築。貸し出し・返却履歴はサーバ側でログとして管理されるため、台帳記入などの煩雑な作業も不要となります。鍵管理ボックスで使われる指静脈データは、すでに業務端末向けに登録された情報をサーバからダウンロード配信して利用するため、データを再登録する必要もありませんでした。

本システムの導入を支援したTOKAIコミュニケーションズの田村氏は、「さまざまなシステムのセキュリティや利便性を高めるには、決してシステムダウンしない信頼性も重要な要件となってくるため、指静脈認証サーバの二重化を図り、今後さらに連携システムが増えても業務が止まることのない体制を構築しました」と胸を張ります。

2012年1月には、Web勤怠システムについても指静脈認証システムとの連携が図られ、これにより勤怠管理の精度向上とユーザーの利便性アップが期待できます。

三島信用金庫 導入システム概要
三島信用金庫 導入システム概要

お客さまサービスの向上にも適用範囲を広げていく

「今後の大きな展開として考えているのが、お客さまへの指静脈認証システムの適用です。例えば、窓口におけるお客さまの本人確認に指静脈認証を使えば、書類や印鑑がなくても安全・確実・迅速に、お客さまのご要望に応じたお取り引きをしていただくことが可能となり、お客さま向けのサービス向上にも大きな期待が持てると思います」と大西氏は将来構想を披露します。

続けて中村氏も、「これまではFace to Faceのサービスを基本に成長を続けてきた信用金庫ですが、今後はスレートPCやタブレット端末など最先端のITツールの活用が進んでいくと考えられます。そうした場面でも情報漏えいを確実に防ぎ、操作や契約上のセキュリティを担保できる基盤を指静脈認証システムで構築していきたいと考えているのです」と語ります。

「地域のホームドクター」構想実現に向けた業務改革を推進する三島信用金庫の取り組みを、日立は指静脈認証を核とした幅広い製品群とサービスで積極的にサポートしてまいります。

[お客さまプロフィール] 三島信用金庫

1936年に建設された旧本店の面影を色濃く残した新しい本店がリニューアルオープン

[本店所在地] 静岡県三島市芝本町12-3
[設立] 1911年1月21日
[資本金] 16億8,442万200円
[常勤役職員数] 801人(2011年3月31日現在)

地域密着型金融推進計画のもと「地域のホームドクター」の実現をめざし、地域金融機関として静岡県東部と伊豆半島の活性化に取り組んでいる。

[パートナープロフィール] 株式会社 TOKAIコミュニケーションズ

[本社] 静岡県静岡市葵区常磐町2-6-8 TOKAIビル
[創立] 1977年3月18日
[資本金] 22億2,148万円(2011年3月31日現在)
[従業員数] 1,215名(2011年3月31日現在)
[事業内容] コミュニケーションサービス事業、CATV事業、システムイノベーションサービス事業

関連製品、ソリューション

特記事項

  • 2012年2月24日掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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