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事例紹介:学校法人法政大学

法政大学 スポーツ健康学部が食堂に指静脈認証システムを導入

課題 解決 効果

大学が提供する食事を、学生が受け取るための専用ICカードを忘れたり、紛失したりする心配があった

指静脈認証システムの導入で専用ICカードが不要となり、学生の利便性が向上

専用ICカードの管理業務がなくなったほか、ログの分析で学生に提供する食事のメニュー改善や食材廃棄の低減も検討可能に

日本有数の総合大学として知られる法政大学は2009年4月、緑豊かな多摩キャンパスに「スポーツ健康学部」を創設しました。同学部では、スポーツコーチングやヘルスデザイン、スポーツビジネスに関連する知識と実習科目を整合させながら、実務能力と教育研究能力を身につけるためのさまざまなカリキュラムを提供しています。2020年の東京オリンピック/パラリンピックの開催決定により、改めて日本のスポーツ振興に貢献する先見的な教育に注目が集まっています。

専用ICカード不要の新システムを提案

運動や健康と切り離せない「食育」も重視する同学部では、学費と大学からの補助金によって1日1回、学生に栄養価が高くバランスのとれた昼食を提供する制度を整えています。従来は、学生一人ひとりに配付された食堂専用ICカードを食券発行機にかざし、入手した食券と引き換えに食事を受け取る仕組みでした。

「学生は、毎日専用ICカードを持参することが必要でした。例えば体育実技の授業で着替える機会が多いことから、専用ICカードを忘れてしまう心配もありました。忘れると昼食が実費負担となるため、公平性の観点からも確実に昼食を提供できる新たなシステムが必要だと感じていました」と多摩事務部 スポーツ健康学部 事務課 主任の神屋敷 昭人氏は語ります。

そこで事務課は複数ベンダーに、学生にとって利便性が高く、確実に本人確認が行える新システムの提案を依頼。これに応えた各社の提案の中から選ばれたのが、日立の指静脈認証システムでした。

「他社の提案は従来と同じICカードを使ったもので、既存システムの域を出るものではありませんでした。その中で日立のみが“何も持たずに本人認証と食事の提供が可能”という生体認証を使った提案をしてくれました。本学部の実情に非常に合致していたばかりか、すでに銀行や公共機関など多くの分野で稼働実績を持つ信頼性や安心感もあり、導入を決めました」と神屋敷氏は振り返ります。

正確な本人認証で食事を公平に 提供可能に

2015年4月から導入された指静脈認証システムは、スポーツ健康学部に所属する学生約650名が学部棟内の食堂で食事を受け取る際、手ぶらで本人認証するための認証手段として利用されています。食事を受け取る各レーンに備えられた装置に指をかざすだけでスピーディーに認証できるため、これまで時間帯によって起こりがちだった混雑も解消。専用ICカードを持参することが不要となり、学生の利便性が向上しました。

写真:食堂に導入された指静脈認証システム
食堂に導入された指静脈認証システム

また、大学や食堂にも大きなメリットが生まれています。大学は、誰がいつ何を食べたかの正確なログを採取することによって、すべての学生に公平な食事数を提供できる運用を確立しました。さらに専用ICカードを発行・管理する費用も削減されました。食堂職員も、従来は提供した食事メニューの集計を食券による手作業で行っていましたが、本システムではリアルタイムに自動集計されるため、学生の嗜好を迅速に把握した新メニューの開発や、廃棄する食材を低減するための検討など、本来業務に時間を割り当てることが可能となったのです。

「導入に先立つ指静脈認証の登録作業も予想以上にスムーズでした。年度初めのガイダンスの際、全学年の学生を対象に登録作業を行いましたが、 1人あたり約1分で登録が完了しました。今はスマートフォンのセキュリティ機能にも生体認証が使われていますし、アルバイト先でも指静脈認証に対応したレジなどを使っている学生がいる時代ですので、登録に際して拒否反応はまったくありませんでした」と神屋敷氏は笑顔で語ります。

法政大学では学生の個人情報を守るため、指静脈データを格納したサーバを学内に設置し、インターネットとは隔離した環境で運用しています。データ自体も暗号化されているため、外部に情報がもれる心配はありません。

指静脈認証システムの応用も検討

写真:学校法人法政大学 多摩事務部 スポーツ健康学部 事務課 主任
神屋敷 昭人 氏

 「せっかく導入した指静脈認証システムですので、今後は食堂だけでなく、さまざまな用途にも活用できるよう検討を開始したところです」と神屋敷氏は語ります。例えば、各教室やフィットネスジムの入退室管理、ロッカーの施錠、授業の出欠管理などへの適用が候補としてあがっているとのこと。その期待に応えるため、これからも日立は指静脈認証システムを使った、さらなる利便性向上やサービス強化への提案を続けていきます。

専用ICカードを携帯する必要がなくなり、便利になりました

スポーツ健康学部 4年生 丸山 琢也 さん

写真:スポーツ健康学部 4年生 丸山 琢也 さん

朝食を抜いてしまったり、夕食を食べ過ぎたりすることが多い僕にとって、毎日大学で提供される昼食は最もバランスよく、身体を元気にしてくれる食事です。今までは専用ICカードを忘れることが多かったのですが、今は指をかざすだけなので何の心配もありません。周りの友人たちも「とても便利になった」と喜んでいます。ちなみにこのシステムの愛称「ゆびスポ」*、実は僕と友人2人で考えたアイデアが採用されたものです。

*「ゆびスポ」は法政大学 スポーツ健康学部での日立の指静脈認証システムの愛称です。

[お客さまプロフィール] 学校法人法政大学 スポーツ健康学部

法政大学 学校法人法政大学

[多摩キャンパス]東京都町田市相原町4342
[創立]2009年
[学生数]642名(2015年5月1日現在)
[専任教員数]21名(2015年5月1日現在)

特記事項

  • 2015年8月3日掲載
  • 本事例中に記載の内容は初掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 事例は特定のお客さまでの事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
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