2021年11月28日(日)
(公財)かながわトラストみどり財団主催、秦野市が共催する神奈川県秦野市千村にある頭高山(ずっこうやま)の除伐(*1)活動(県民の森づくり活動)に全体参加者約80名のうち日立グループの従業員11名(+取材2名)が参加しました。
(*1)除伐とは、木が若いうちに不用な木を伐採する作業で、健全な人工林を維持するための必要な作業のひとつです。
当日のお天気:空気の澄んだ快晴
この頭高山は、ITエコ実験村から近い場所にあり、鳥獣害対策の実証実験を行っている場所です。頭高山を管理している千村共有地管理組合の中にITエコ実験村の活動にご協力いただいているボランティアの方がいてそのご縁で昨年本活動を紹介いただき、今回で2回目の参加になります。
今回、登山道にはナラ枯れ(*2)の木が多く、いつ木が倒れたり枝が落ちてくるか予測がつかないため、安全を考慮して登山道の入口に用意されたヘルメットを全員が装着して移動しました。
(*2)ナラ枯れとは、菌類(カビ)によるブナ科樹木(ドングリを作る木)に発生する伝染病。害虫を媒介して感染すると木が枯れてしまう。
集合場所に到着後、全体オリエンテーションが始まり、財団の活動の取りまとめの方、秦野市の職員、千村共有地管理組合の会長から簡単に挨拶がありました。 その後、全員でストレッチ運動をして、早速除伐活動に取り掛かれるよう準備をしました。 活動班は全部で5班あり、ひと班10名前後で2名の森林インストラクターの指導員が付く構成でした。参加者用の貸与道具は、ノコギリ、剪定はさみ、防護メガネ(ゴーグル)で、活動班ごとに用意されていました。参加者はそれらを装着し、指導員に誘導されて除伐する現場へ移動しました。
貸与された道具を使います
現場は、山頂への登山道より下側に面する北東向きの斜面で、班ごとに区切られた区画が割り当てられました。今回割り当てられた区画の広さは推定で縦20m×横25mぐらいです。その区画内にある小さな雑木を切ったり、雑草を刈ったりしていきます。雑木を切るときは、地面に近い根元からで、切った後を歩いたときに足に引っかからないぐらいが良いとのことでした。
早速、除伐開始!
作業中盤
参加者たちは指導員から説明を受け、作業区画の高い方から低い方に移動しながら除伐を始めていきました。区画内には低木であるアオキが多く自生していました。 最初は区画の半分ぐらいの範囲の除伐を行っていました。大方綺麗になった時に休憩が入り、休憩後、さらに残りの半分の区画を除伐しました。 お昼近くになったところでうっそうとしていた場所がだいぶスッキリし、日光が土まで差し込み明るくなりました。
かなりうっそうとしていて人が確認しにくい
大きな枝は玉切りをします
後処理も大事で、振り返ると切った後の木や小枝が雑然としている状況であっため、きれいにまとめて置くようにと指導員の方から指導が入りました。指導員から合格をいただき、担当区画の除伐は終了となりました。その後、参加者たちは頭高山の山頂まで登って眺めを堪能しました。 そしてオリエンテーションを行った集合場所に戻り、道具のメンテと返却を行いました。その場で昼食をとった後に解散となりました。
切った木は、適当な長さに揃えてまとめます
作業終了後の状態
日立の参加者に後日アンケートを実施したところ、
・枯れた枝がつるにまきついて危ない状態になっていることには気づきませんでした。木々の成長やハイカーの安全のためにこういう活動があることが知れてよかったです。
・担当斜面は太い木もかなりありましたが、そのほとんどに太いツタが絡みついて可哀想な状況でした。表皮に螺旋状に痕が付くほどにきつく巻き付いていたので、出来るだけ巻き付きを剥がし根本部分は切断しておきました。ヒルや下草もなく除伐には最適な時期でした
・初めての参加で不安でしたが、作業も難しくなく重労働でもなく、作業時間も短かったけれど、最後とてもきれいになって、自然の中で少し汗をかけて気持ちの良い時間を過ごせました。
・普段よく山登りはするものの、森林除伐活動に参加したのは今回が初めてです。きれいになった景観を見て、やりがいと達成感を感じました。また、微力ながら、自然への恩返しができて、うれしく思いました。
などの声が寄せられました。
参加者は生態系保全の活動を現場で体験することで、五感を通してより理解が深まったようです。
今後も、かながわトラストみどり財団が主催する頭高山の活動へ参加していきたいと考えています。
参加者と指導員で記念撮影。お疲れ様でした
以下、作業前(before)・作業後(after)の比較写真です。
Before1 登山道から下の様子
After1 登山道から下の地面が見えるように
Before2 登山道に向かってアングル
After2 登山道に向かってのアングル スッキリ