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エコ村だより

地域や大学とともにITを活用した生態系の保全活動に2011年4月から2023年3月まで取り組みました。

雑木林、水田、畑地、小川といった身近な自然。日本の原風景ともいえる里山は、特有の動植物の生育・生息地であり生物多様性の観点からも注目されています。日立は、神奈川県の秦野市と東海大学、地域のみなさんの協力により「ITエコ実験村」を開村。ITで環境に貢献する取り組みとして、里地里山の自然環境を保全する活動を進めました。

エコ村の様子や活動を、エコ村スタッフよりみなさんにお伝えします。

閉村式(閉所式)

2023年3月1日(水)、18日(土)

地元ボランティア団体、日立関係者で閉村式(閉所式)を行いました。

2011年4月に開村し2023年3月までの12年間、神奈川県秦野市千村で里地里山の生態系保全活動を行ってきましたが、3月末で「日立主導の活動」を終了することになりました。日立のITエコ実験村としてのフィールドと活動拠点として使用したIT管理棟について、活動の区切りとして閉村式を2回に分けて実施しました。

フィールド閉村式
フィールド閉村式

実験棟閉所式
実験棟閉所式

1回目はフィールドの閉村式を3月1日に実施しました。
フィールドはIT機器や設置物などを撤去するための原状回復を行う工事が入る前に行いました。当日は関連団体の代表の方に集まってもらい、フィールドに設置した小さな看板を取り外しました。

フィールド閉村式の様子
フィールド閉村式の様子

エコ村ロゴ看板取り外し
エコ村ロゴ看板取り外し

エコ村ロゴ看板取り外し後
エコ村ロゴ看板取り外し後

手書き看板取り外し
手書き看板取り外し

手書き看板取り外し後
手書き看板取り外し後

2回目はエコ村のIT管理棟の閉所式を3月18日に実施しました。
この日はエコ村活動の関連団体の総会が実施されたので、総会に出席した地元関係者と日立関係者など多くの方々に出席いただきました。
式典では、日立の代表者の挨拶、生き物里管理運営協議会の会長のご挨拶を頂いた後、エコ村担当より12年間にたくさんのイベントを実施したことや、さまざまなITの実証実験を行ってきたことを振り返りました。その後、今まで実証実験の拠点としていたIT管理棟(事務所)の看板を代表者の方に取り外してもらいました。管理棟はエコ村での活動を12年間支えてくれました。ありがとう!
そしてこれまでの活動で、たくさんの方々にご協力いただいたことへの感謝の意を伝えました。

IT管理棟の閉所式
IT管理棟の閉所式

生き物の里管理運営協議会の会長のご挨拶
生き物の里管理運営協議会の会長のご挨拶

看板は木ネジで止めてあるので木ネジを外します
看板は木ネジで止めてあるので木ネジを外します

生き物の里管理運営協議会の会長と日立代表に持ってもらいました
生き物の里管理運営協議会の会長と日立代表に持ってもらいました

看板を取り外しました
看板を取り外しました

2023年4月からは、地元ボランティア団体の千村ネイチャー倶楽部が「秦野市 生き物の里第5号」(ITエコ実験村)の保全活動を継続してくれます。それに伴い、今までエコ村として利用してきた農耕器具などを千村ネイチャー倶楽部へ寄付するため、会長に目録を渡しました。

目録の授与
目録の授与

これからは「秦野市 生き物の里第5号」として、地域住民の方や日立のOBが中心となって構成される千村ネイチャー倶楽部が主体的となり、エコ村の意思を引き継いで生態系の保全活動を行ってくれます。
日立としてはこれまでのノウハウをもとに、この場所に生息するアカハライモリやホトケドジョウなどの希少な生き物が今まで通り生息できるよう、今後も定期的な支援をしていきます。

集まったみなさんで記念撮影
集まったみなさんで記念撮影

土曜日の朝から雨は今年初。山桜が見ごろ
土曜日の朝から雨は今年初。山桜が見ごろ

北海道の高校生と交流会

2023年2月16日(木)

北海道岩見沢農業高等学校(以下、岩見沢農高)の自然エネルギー班の生徒が2月14日、15日に開催される「サステナブル・ブランド国際会議2023東京・丸の内」でのSustainable Brand Student Ambassador 国際会議へ出席するため東京へ来ることになり、せっかくの機会なのでエネルギー事業の見聞を広めるために企業見学の申し出がありました。

岩見沢農高とはエコ村の炭素固定化実験を一緒に行っている関係があること、またエネルギー事業は環境との結びつきが強いことから、一緒に勉強会をすることなりました。

勉強会の様子
勉強会の様子

まず初めに、電気がどのように作られているか火力、水力、風力、原子力などの発電方法について再確認し、以前日立のエネルギー事業を担当していた者より、日立の取り組みについて説明しました。説明の間、生徒たちは話に熱心に耳を傾け、しっかりとメモをとっていました。
再生可能エネルギーの導入を促進するためには、電気を作る部分が重要であることはもとより、その作った電気を安定して送り届けるための送電網も重要ということを改めて認識しました。説明後には、生徒たちと活発な意見交換をすることができました。

前日に開催された SB Student Ambassador の全国大会で岩見沢農高自然エネルギー班の取り組みの発表は「最優秀賞」を受賞したとの報告があり、その取り組みについて本番と同様に発表してもらいました。テーマは「北の国から〜北海道における自然エネルギーを活用した野菜類周年栽培技術の確立〜」で、雪と籾殻を活用して自然エネルギーが作れないかという研究班を立ち上げ生徒と地元の電力会社や企業と一緒になって取り組みを行った成果がまとめられてました。雪冷熱を活用した専攻班の活動は20年以上続く取り組みで、これに籾殻を加えた農業経営のサーキュレーション要素を加えたのはここ2、3年の活動とのことでした。

発表の様子 手前PC操作者
発表の様子 手前PC操作者

発表の様子 説明者
発表の様子 説明者

発表スライドの一部 問題提起
発表スライドの一部 問題提起

岩見沢地区の現状をまとめたスライド
岩見沢地区の現状をまとめたスライド

この発表をしていただいたことで、なぜ日立のエネルギー事業に興味を持っていたかということを改めて確認することができました。

エコ村スタッフとして、次世代を担う若者が中心となってこのような再生可能エネルギーの活用について検討している姿に感銘を受け、今後も定期的に交流を持っていけたらと思いました。

秦野市立上小学校で理科の出前授業を実施しました!

2023年1月23日(月)

エコ村のスタッフが秦野市立上小学校で理科の出前授業を実施しました(*)。昨年は新型コロナウイルス感染症の影響で行動制限があり実施できなかったのですが、今年は行動制限が緩和されたため2年ぶりに出前授業が復活しました。上小学校へは4回目の訪問となります。

担当する出前授業の内容は、小学4年生の理科授業「冬の生き物」単元の1時限で、「冬の動物の暮らし」と「冬の樹木の状態」についてです。

この授業の約1週間前に当日教室に持ち込む標本をエコ村周辺で採取しました。
カブトムシの幼虫はエコ村近くの農家にあったサツマイモ苗床用の堆肥の中から見つかりました。クワガタの幼虫も、同じ農家で暖炉用の薪割りをしている時にカシの木の間からたまたま発見されたので、今回初めて学校に持ち込みました。

今年はカブトムシの幼虫以外にクワガタの幼虫(写真中央)も持ち込みました
今年はカブトムシの幼虫以外にクワガタの幼虫(写真中央)も持ち込みました

冬の樹木の状態を見せるための標本は、エコ村のフィールドにある常緑樹と落葉樹の枝にすることにしました。常緑樹は、緑の葉が付いており樹種がわかりやすいため、葉のついた枝を7〜8種類ぐらい、落葉樹は、木目だけでは樹種がわかりづらいため3〜4種類ぐらいでしたが、どちらも採取することができました。

常緑樹の木はわかりやすいのでたくさん持ち込みました
常緑樹の木はわかりやすいので
たくさん持ち込みました

落葉樹の冬の状態、モミジやアジサイ、ヤマザクラの木など
落葉樹の冬の状態
モミジやアジサイ、ヤマザクラの木など

授業のはじめにエコ村がどのような場所か、どのような生き物が生息しているのかをスライドを使って簡単に紹介しました。そのあと、単元のメインである「冬の動物の暮らし」では、「活動する」「冬眠する」「形を変える」の3種類を取りあげ、「冬の樹木の状態」については、「常緑樹」と「落葉樹」について説明しました。

エコ村やエコ村にいる生き物を紹介
エコ村やエコ村にいる生き物を紹介

冬の生き物の単元、シマリスについて活動期と冬眠中の体の状態について比較
冬の生き物の単元、シマリスについて
活動期と冬眠中の体の状態について比較

授業を進めている時の教室内は、説明の途中で児童たちにいくつかの問いかけをした際、積極的に挙手してくれたり、自分の思ったことやこれまでの経験から想像できる意見を伝えてくれた児童もいました。生き物と樹木についての説明が終わり、持ち込んだ標本を自由に見学できる時間を設けました。
すると、カブトムシに興味がある子、虫は苦手だからと樹木の観察を一生懸命する子など、それぞれ観察を楽しんでいました。

常緑樹の標本として持ち込んだニッケイの葉っぱをちぎって嗅いで貰ったところ、「良い香りがある」と感動し、いい香りを発する葉っぱがあることを初めて知ったようで、樹木に興味を持ってくれたようでした。また落葉樹の枝だけの状態を見て「これじゃ、どの種類の木か全くわからない!」などの反応がありました。

>カブトムシと植物の状態を実際に観察しました
カブトムシと植物の状態を実際に観察しました

カブトムシの幼虫を探してみます
カブトムシの幼虫を探してみます

この単元の終わりに児童たちにこの授業の感想を聞いたところ
・僕は虫が好きで色々知っていると思ったけど、クワガタの幼虫が木のなかで冬眠していることは知らなかったので、新しい発見だった!
・木の葉っぱに香りのあるものがあるって知った。ニッケイの葉っぱのにおいがとても良かった
などの声が上がりました。

児童たちが現物を見て、触れることのできるような授業を行うことはとても大切なことだと実感しました。

※この取り組みは文部科学省が推進するコミュニティ・スクールを実行する秦野市立上小学校から日立の神奈川事業所OB団体(ハイエンス神奈川)への協力要請を受けて実施したもので、それにエコ村が協力しました。
※厚生労働省の定める基本的な感染症対策を行って実施しました。

<番外編>頭高山の除伐活動に参加:3回目

2022年11月27日(日)

(公財)かながわトラストみどり財団主催、秦野市が共催する神奈川県秦野市千村(ちむら)にある頭高山(ずっこうやま)の除伐(*1)活動(県民の森づくり活動)に全体参加者約50名のうち日立グループの従業員6名(+取材1名)が参加しました。
(*1)除伐とは、木が若いうちに不用な木を伐採する作業で、健全な人工林を維持するための必要な作業のひとつです。

この日、頭高山の中腹からみた丹沢の様子 お天気に恵まれました
この日、頭高山の中腹からみた丹沢の様子 お天気に恵まれました

この頭高山は、ITエコ実験村から近い場所にあります。頭高山の管理団体の中にITエコ実験村の活動に協力いただいているボランティアの方がいてそのご縁で本活動を紹介いただき、今回で3回目の参加になります。
今回の活動実施日は26日(土)でしたが、前日の天気予報で活動時間帯が雨予報となり、予備日である27日(日)に順延が決まりました。そのため当初の全体の参加予定者のうち、約6割の参加人数となりました。

頭高山の登山道にはナラ枯れ(*2)の木が多く、いつ木が倒れたり枝が落ちてくるか予測がつかないため、安全を考慮して登山道の入口に用意さ入れたヘルメットを全員が装着して全体オリエンテーションを実施する場所まで移動しました。移動しているときに指導員からナラ枯れの木があちこちにあると解説していただきました。
(*2)ナラ枯れとは、菌類(カビ)によるブナ科樹木(ドングリを作る木)に発生する伝染病。害虫を媒介して感染すると木が枯れてしまう。

登山道入り口にヘルメットが用意してあり被って入山しました
登山道入り口にヘルメットが用意してあり被って入山しました

ナラ枯れの木 周りの木と違いが一目でわかります。枝が途中から折れています
ナラ枯れの木 周りの木と違いが一目でわかります。枝が途中から折れています

ナラ枯れの木 登山道の横にありました
ナラ枯れの木 登山道の横にありました

集合場所に到着後、全体オリエンテーションが始まり、財団の活動の取りまとめの方、秦野市の職員、頭高山管理組合の会長から簡単に挨拶がありました。 その後、全員でストレッチ運動をして、早速除伐活動に取り掛かれるよう準備をしました。 活動班は全部で5班ありましたが、ひと班6〜10名前後で1〜2名の森林インストラクターの指導員が付く構成でした。参加者用の貸与道具は、ノコギリ、剪定はさみ、防護メガネ(ゴーグル)で、活動班ごとに用意されていました。参加者はそれらを装着し、指導員に誘導されて除伐する現場へ移動しました。

貸与いただいた道具。ノコギリ、剪定ばさみ、ゴーグル
貸与いただいた道具。ノコギリ、剪定ばさみ、ゴーグル

現場は、山頂への登山道より下側に面する北東向きの斜面で、班ごとに区切られた区画が割り当てられました。 昨年、除伐を実施した場所より山頂に近い場所で、今回割り当てられた区画は台形の形をしていて幅は推定で(上底10m+下底20m)×高さ25m÷2ぐらいでした。 その区画内にある小さな雑木や笹を切ったり、雑草を刈ったりしていきます。 雑木や笹を切るときは、地面に近い根元からで、切った後を歩いたときに足に引っかからないぐらいが良いとのことでした。

作業開始!斜面の地面が見えない
作業開始!斜面の地面が見えない

みんなで除伐していきます。笹が多く群生していました
みんなで除伐していきます。笹が多く群生していました

参加者たちは指導員から説明を受け、作業区画の高い方から低い方に移動しながら除伐を始めていきました。作業をするときは安全のため必ず山側を向きます。 区画内には笹が多く自生していました。最初は区画の登山道に近い斜面の除伐を行っていました。 登山道から下の方が少し見えるようになった時に休憩が入り、休憩後、さらに残りの区画を除伐しました。 ただ、今回は日立の参加者12名で作業を行う想定でしたが、半分の6名となったこともあり、区画全体の半分ぐらいがきれいになったところで作業時間が終了となりました。

切った枝は、適当な長さに揃えてまとめます
切った枝は、適当な長さに揃えてまとめます

作業終了近く、地面が見えて視界が広がりました
作業終了近く、地面が見えて視界が広がりました

除伐時に見つけたムラサキシキブ
除伐時に見つけたムラサキシキブ

そしてオリエンテーションを行った集合場所に戻り、道具のメンテと返却を行いました。その場で昼食をとった後に解散となりました。

日立の参加者に後日アンケートを実施したところ、
・蔦や笹などが生い茂り藪となっていて、見通しの効かない状態でした。除伐(下草刈り)を行うことで、人の手がはいった見通しのきく、明るい林になったのは良かったです。
・除伐は、素人ですが、インストラクターの方の的確な指導もあり、無事怪我もなく終了することができました。普段は森林に入ることがありませんので、たまにはこのような機会に参加して、普段と違った感じに触れることも良いかなと思いました。作業の仕方や樹木・害虫など、初めて知ったこともあり、勉強になりました。
・作業は日立グループ内でまとまった班で行いましたが、その点が非常によかったと思います。普段の業務で会わない日立グループの従業員と業務外で協力して何かできる機会は貴重でした。このような活動に参加するマインドをもった方が参加したからかも知れませんが、やさしく親しみやすい方が多かった印象です。
などの声が寄せられました。

生態系保全の活動を現場で体験することにより五感を通して理解が深まったようです。今後も、このような森林活動に参加していこうと考えています。

参加者と指導員で記念撮影。お疲れ様でした
参加者と指導員で記念撮影。お疲れ様でした

以下、作業前(before)・作業後(after)の比較写真です。

Before 登山道から下の様子
Before 登山道から下の様子

After 登山道から下の地面が見えるように
After 登山道から下の地面が見えるように

エコ村の土壌を神奈川県総合教育センターに提供

2022年11月16日(水)

神奈川県総合教育センター(以下、教育センターと表記)は神奈川県教育委員会の組織の一部で、県内の小学校・中学校・高等学校・特別支援学校などにおける教育の充実・発展となる活動を行っています。

教育センターの活動のひとつとして、子どもたちが顕微鏡で観察ができる微小生物の提供を行う部門があります。微小生物はゾウリムシやミジンコ、ミドリムシなどで、学校教材として提供しているそうです。

教材として提供する微小生物を培養するために土が必要とのことですが、その土はどんな物でも良いというものではなく、適した土を探しているとのことでした。適した土とは無農薬で有機物の量が少ない土のことを指すそうです。

これまでは、秦野市内の他の生き物の里の土を使ってみたそうですが、背丈の高い草がたくさん生えていて根が絡んでいると有機物が多いようで、微小生物の培養にはあまり適していなかったとのことでした。

田んぼの土と草地の土の2カ所の土壌を大きな土のう袋8袋分を採取していました。草地の土は、数日前にイノシシが掘った場所の土を採取していきました。イノシシが掘るということは草が少ないという目安にもなっているとのことです。

イノシシが掘り返した場所の土を採取
イノシシが掘り返した場所の土を採取

このぐらいの量を袋詰めにして教育センターに持ち運びます
このぐらいの量を袋詰めにして教育センターに持ち運びます

今回提供したエコ村の土が、子どもたちの学習に役立ってもらえることを願っています。

注:エコ村は秦野市から指定されている生き物の里の場所です。そのため、動植物などの無断持ち出しは禁止されています。持ち出しが必要な場合は事前に秦野市に確認をしてからエコ村スタッフまで連絡をお願いします。今回は事前に秦野市から連絡があり対応しました。

お米の贈呈式

2022年11月8日(火)

生態系保全活動の一環として今年も稲作を実施しお米を収穫することができました。

脱穀の後に籾摺り、精米が完了した新米を生き物の里管理運営協議会の会長(以下、協議会の会長)、千村ネイチャー倶楽部の副会長(以下、倶楽部の副会長)そしてエコ村スタッフが、しぶさわこども園、渋沢小学校、やまばと学園に届けました。その時の様子をレポートします。

★☆★☆★ <しぶさわこども園> ★☆★☆★
こども園の年長園児約70名と先生方、エコ村関係者で贈呈式を行いました。今年も贈呈式の場所は園庭となりました。お米を渡す前に協議会の会長と倶楽部の副会長から園児たちに今年のお米のでき具合などのお話をしました。その後もち米5kgをそれぞれのクラスの代表に渡し、園児からはお礼状をいただきました。
後日、副園長先生から12月1日にお餅つきをしたとの報告を受けました。園児たちはもち米をもらった日から餅つきを楽しみにしており、当日とても楽しんだそうです。

園庭に年長園児が集まっての贈呈式
園庭に年長園児が集まっての贈呈式

生き物の里の協議会の会長から挨拶
生き物の里の協議会の会長から挨拶

代表の園児に収穫米をお渡ししました
代表の園児に収穫米をお渡ししました

園児からはお礼状を頂きました
園児からはお礼状を頂きました

5kgは重たそうでした
5kgは重たそうでした

贈呈用のもち米(喜寿)
贈呈用のもち米(喜寿)

★☆★☆★ <渋沢小学校> ★☆★☆★
贈呈式は20分間の中休みの時間を利用し、校長室で実施しました。
今年も4年生のクラスの代表の児童たちがプログラムを用意し司会の児童の号令で始まりました。児童からは田んぼ活動に関する体験や学びなどについて感謝の言葉が伝えられた後、4年生の児童たち全員が書いた御礼のお手紙を冊子にしたものが渡されました。
協議会の会長からお米についてのお話があった後、みんなで植えて収穫したうるち米の「はるみ」を5kgずつ渡しました。代表の児童は、お米をクラスに持ち帰り贈呈式の内容を報告するとのことでした。
後日、先生からは児童たちの感想やお米の食べ方についての報告がありました。お渡ししたお米は児童たち一人ひとりに1合ほど配布し、ある家庭では配布した1合だけを炊いて「おいしかった!」と報告があったことを教えてくれました。

植えて刈った今年のうるち米の「はるみ」です
植えて刈った今年のうるち米の「はるみ」です

贈呈式でボランティアと児童たちの対面
贈呈式でボランティアと児童たちの対面

児童たちから感謝のお手紙を頂きました
児童たちから感謝のお手紙を頂きました

エコ村関係者からお米を各クラスの代表に渡しました
集合写真

エコ村関係者は感謝状を、児童はお米を手に持ち記念撮影
エコ村関係者は感謝状を、児童はお米を手に持ち記念撮影

★☆★☆★ <やまばと学園> ★☆★☆★
施設長と副施設長が迎えてくれました。例年同様もち米5kgを2袋お渡ししました。その後の談話では、過去に利用者さんと田植えに参加したことがあり、これまでに利用者さんが体験したことの無い活動だったので「その利用者さんにとっても私たちにとっても新鮮でよかった」のお話を伺いました。近年は贈呈式でお会いするのみになっていましたが、いつかまた利用者たちと田んぼ活動に参加したいという意向がありました。
お渡ししたもち米は「グループホームの方でおこわにしていただく予定」とのことでした。

やまばと学園の施設長と副施設長へ
やまばと学園の施設長と副施設長へ

皆さんで記念撮影
皆さんで記念撮影

この贈呈式をもって、今年計画した田んぼ活動を全て実行することができました。贈呈式を行った場所以外にも、今年の田んぼ活動に参加した地元ボランティアや従業員たちにも少しずつですが収穫米をお渡ししました。
生態系保全活動の一環として、この活動を支えてくださったみなさまの協力により実施できたものと感謝いたします。

お米の脱穀

2022年10月22日(土)

10月の田んぼの保全活動はフィールド作業の最終工程にあたる脱穀です。

この日は千村ネイチャー倶楽部員12名、従業員と家族7名 、エコ村スタッフ2名の合計21名で脱穀作業を行いました。当初は一週前の15日を予定していましたが、二日前に雨が降って稲が濡れてしまい、お米作りの名人の判断により22日に順延になりました。この週は雨に降られずお米が乾きました。

作業に入る前にハサガケした稲にかぶせた黒マルチシートを取り、野生生物に田んぼに侵入されないように張っていた電気柵のワイヤーを取り外していきます。

黒マルチシートを外します
黒マルチシートを外します

電気柵のワイヤーを片付けたり棒を抜きます
電気柵のワイヤーを片付けたり棒を抜きます

お米の脱穀は田んぼの指導を行っている名人が所有する脱穀機(ハーベスター)を使います。脱穀機の説明は、以前、小学校4年生の総合学習で紹介しましたのでそちらを参照ください(19年11月5日)。

稲をハサガケ台から外して稲束(いなたば)の稲穂の部分を脱穀機に通してモミを取ります。脱穀後の稲穂を確認してモミが残っていたらもう一度脱穀機に通しました。脱穀後の稲束は10〜14束ぐらいの量を互い違いに重ねてわら縄でひとまとめにします。

稲穂の部分を脱穀機に通します
稲穂の部分を脱穀機に通します

脱穀機に通すとモミが分離され袋に入ります
脱穀機に通すとモミが分離され袋に入ります

田んぼ1の稲束(脱穀前)
田んぼ1の稲束(脱穀前)

参加者が脱穀機に触れました
参加者が脱穀機に触れました

ハサガケの稲束を外し終わったら、竹で作った台や案山子も撤去していきます。フィールドでの脱穀作業は稲を脱穀機に通すだけではなく、脱穀を行う前の準備や後片付けも含まれています。

脱穀と同時にハサガケ用の竹も撤去
脱穀と同時にハサガケ用の竹も撤去

脱穀機は移動していきます
脱穀機は移動していきます

モミを取った稲束をまとめて運びます
モミを取った稲束をまとめて運びます

脱穀を終えた稲束
脱穀を終えた稲束

今年はエコ村にある田んぼ毎にモミの重さとワラ(脱穀を終えた稲束)の重さを計りました。秤をフィールドに持参してエコ村スタッフや従業員親子が計測し、米袋ごとに目印をつけ、重さをメモしました。

モミを計量します
モミを計量します

どの田んぼの収量かを袋に目印を付けます
どの田んぼの収量かを袋に目印を付けます

収量は以下の通りです。お米は精米まですると、モミからだいたい7割ぐらいの重さになります。例年と比較するともち米はやや少なめ、うるち米は平年並みとなりました。

今年の「モミ」の収量
お米の種類もち米(喜寿)うるち米(はるみ)
田んぼ1田んぼ2田んぼ3田んぼ4田んぼ5
モミの重さ6kg28kg67kg66kg44kg
合計101kg110kg
今年の「ワラ」の収量
お米の種類もち米(喜寿)うるち米(はるみ)
田んぼ1田んぼ2田んぼ3田んぼ4田んぼ5
ワラの重さ8kg37kg76kg75kg46kg
合計121kg121kg

今年最後となる今回の活動は、これまでの一連の田んぼ活動にも参加している従業員たちが中心となって行いました。その従業員から寄せられた今年の総括のような感想の一部を紹介します。

・普段出会わない部署の方と会話することができとても興味深かったのと同時に、日立が実践する生態系保全活動に実際に参加することができとても楽しかったです。お米を脱穀する機会はなかなかないのでとても貴重な経験でした!
・全体を通して、子どもが学校の教科「社会」で習う稲作作業を体験できて、農家の方の大変さ(一方で楽しさも)を感じられたことは親子ともに非常にありがたい経験となりました。千村ネイチャー倶楽部の方々にも周辺のご説明をいただいたり、声をかけていただいたり、ありがとうございました。
・子どもたちがいつもの5倍位キラキラしていた。小学4年生の長男は日本の食糧自給率などに興味を持って「食糧危機のサバイバル」を読みだした。小学2年生の次男は稲刈りの感触が気持ち良すぎて、マイカマを買った。こういった活動をさせてくれる日立を好きになったそうです。

次回は、いよいよ新米の贈呈です。
こども園や小学校にはエコ村スタッフと地元ボランティアの方でお届けします。

従業員および家族の参加者
従業員および家族の参加者

田んぼには何もない状態になりました
田んぼには何もない状態になりました

渋沢小学校2年生「サツマイモ掘り体験2022」

2022年10月11日(火)

渋沢小学校の2年生の児童と先生方の約110名がエコ村の近くの畑でサツマイモ掘りを行いました。

サツマイモのツル切りは、地元ボランティアの方々が集まり9月下旬に行いました。
当日も児童たちが畑に移動してくる前に、地元ボランティアの方々が集まり黒マルチシートをはがし、野生生物にお芋を食べられないようにと設置していた電気柵を撤去し、すぐに芋掘りができるように準備をしました。

当日の朝の状態
当日の朝の状態

マルチシートを外し、電気柵も撤去
マルチシートを外し、電気柵も撤去

畑に移動してきた児童たちに、エコ村代表からの挨拶と、お芋づくりの名人からはサツマイモの成長について、お芋の掘り方や保管方法などの説明がありました。

エコ村代表の挨拶
エコ村代表の挨拶

お芋の掘り方や取り方のコツを名人が解説
お芋の掘り方や取り方のコツを名人が解説

児童たちは、5月に自分たちが苗を植えた畝(うね)のお芋を掘りました。
お芋は、ひとつの株にたくさんお芋がなっていたり、大きいお芋がひとつなっている株には周りに小さなお芋が数個なっていたり、カボチャの様な丸い形をしたお芋など、色々なものがあったので、驚きと興味深さが相交じり、楽しそうにお芋を掘っていきました。

いよいよ掘ります!
いよいよ掘ります!

収穫したお芋を見せてくれました
収穫したお芋を見せてくれました

児童が手で掘った後に掘り残しが無いかを近くにいるボランティアがスコップで調べてくれていました。

たくさんお芋が付いていそうです!
たくさんお芋が付いていそうです!

掘り残しが無いかボランティアがスコップで掘って確認してくれました
掘り残しが無いかボランティアがスコップで掘って確認してくれました

芋掘り終了後に児童たちに感想を聞いたところ
・大きなお芋が掘れてよかったし、楽しかった
・もう一度掘りたい!
・芋の大きさが色々だったので、自分のところはどうなのかハラハラドキドキしながら掘りました。大きいお芋が掘れました!
・想像以上にたくさんの数が付いてて嬉しかった
など、様々な思いを教えてくれました。

お芋を掘った児童たちは、持参した袋に自分が掘ったお芋を持ち、元気よく学校に戻っていきました。持ち帰ったお芋は、各ご家庭で調理されたようです。エコ村スタッフがたまたま知り合った保護者の方からスイートポテトにしたとのお話を伺いました。

児童たちが、この体験がいつまでも心に残ると良いなと思いました。

たくさんお芋が収穫できました!
たくさんお芋が収穫できました!

ハサガケした稲にビニールをかぶせました

2022年10月4日(火)

9月の最終週にエコ村にある田んぼ5枚の稲刈りが終了しました。
このあとの作業工程である脱穀に向けて稲を乾燥させるため2週間ほど天日干しをします。

例年、稲刈り後は雨が降りやすい天気です。雨が降ると、乾きかけた稲が濡れてしまい、乾燥するまでにそこからさらに日数がかかってしまします。

そこで、雨が降った時に稲の中に雨水が浸透しないよう、干してある稲の上側にエコ村スタッフがビニールをかぶせました。これによって雨が上がった後、脱穀ができる乾燥状態になるまでの日数が短縮できます

ビニールをかぶせる前には、ハサガケした稲の上がでこぼこしているので、それを均一になるように平な板を使ってたたいて調整します。そのあと、ビニールをかぶせて風で飛ばないように紐で縛ります。このような対処方法は、いつも農業指導をしてくださる名人から教えてもらいました。

稲の乾燥が始まりました
稲の乾燥が始まりました

ハサガケの上の部分を板でたたいて平らにします
ハサガケの上の部分を板でたたいて平らにします

上の部分が平になりました
上の部分が平になりました

ビニールをかぶせました
ビニールをかぶせました

今回使ったビニールは近隣の畑でサツマイモの生育に使用した黒マルチシートで、余っていたので活用しました。

脱穀は実施日前の3日の間に雨が降らないことが条件になります。この状態で脱穀ができる日まで、ハサガケした稲の様子を見守ります。

全景:作業前
全景:作業前

全景:作業後
全景:作業後

従業員対象の稲刈り体験+ライブ配信

2022年10月1日(土)

従業員と家族、地元ボランティアの総勢64名が稲刈りを体験しました。また同時に従業員を対象にMicrosoft Teams(*1)を利用して稲刈りの様子などを伝えるライブ配信も行い、従業員25名+ご家族が視聴しました。

2011年に開村してから初めて、現地とライブ配信の両方を同時に対応しました。

開会式 主催者挨拶 現地参加者とライブ配信は同じ
開会式 主催者挨拶 現地参加者とライブ配信は同じ内容

現地参加者は、地元ボランティア団体の千村ネイチャー倶楽部員の指導を受けながら、もち米の田んぼ2枚の稲刈りを行いました。稲を刈って、束ね、ハサガケ台に干す一連の作業を行いました。作業は午前中で終了しました。

稲刈り 刈った稲をまとめて置いておきます
稲刈り 刈った稲をまとめて置いておきます

稲刈り 根元から刈ります
稲刈り 根元から刈ります

稲刈り 全景
稲刈り 全景

刈った田んぼに竹でハサガケ台を作り稲を掛けます
刈った田んぼに竹でハサガケ台を作り
稲を掛けます

従業員が使ったカマの泥を近くの湧水で落としてくれました
従業員が使ったカマの泥を近くの湧水で落としてくれました

午後は、東海大学の北野研究室の学生たちにご協力をいただき、生き物観察会を実施しました。エコ村に生息している生き物についての紹介や、学生が研究している金目川水系のサワガニやエビのお話をしてもらいました。

参加者たちは生き物に触れたりしながら、学生たちから生き物の特徴を教えてもらいました。このような多様な生き物が生息するには、自然環境の豊かさが必要になるなどのお話も交えての紹介がありました。

生き物観察 学生さんが色々な生き物を見せてくれました
生き物観察 学生さんが色々な生き物を見せてくれました

観察のためたくさん捕まえました!
観察のためたくさん捕まえました!

サワガニ。エコ村のサワガニは青系色
サワガニ。エコ村のサワガニは青系色

参加者は真剣に学生のお話を聞いていました
参加者は真剣に学生のお話を聞いていました

さらにエコ村の近くの畑で育てたサツマイモの芋ほりも体験しました。

>芋ほり体験も!
芋ほり体験も!

おイモ、たくさん掘れたよー
おイモ、たくさん掘れたよー

一方、ライブ配信は午前中の1時間ほどで、従業員が稲刈りをしている様子やエコ村の稲作の指導をしてくださっている農家の方のお話、学生たちによる生き物観察の内容を見学いただきました。忙しい時間帯での視聴の御礼に抽選でエコ村で収穫したサツマイモが当たる抽選会も実施しました。

ライブ配信 農家さんが鎌について特徴を説明
ライブ配信 農家さんが鎌について特徴を説明

ライブ配信 学生が生き物について解説
ライブ配信 学生が生き物について解説

ライブ配信 視聴者抽選会の様子
ライブ配信 視聴者抽選会の様子

参加者からの感想を一部紹介します。

<現地参加者>

◎しっかり農業体験をしたという実感が湧いたのがよかったです。指導が分かりやすく、皆さんが優しかったですし、他の部署の方々との交流もでき、1日楽しむことができました。
◎実際に自分の手で稲を刈り、束ね、天日干しさせる経験は今の時代、大変貴重だと思う。その体験をすることができてよかった。
◎当日は稲刈り、生き物観察、芋ほり、植物観察など、自分にとってはすべてが初めての体験だったので、とてもワクワク楽しかったです。特に、企業・地域コミュニティ・大学による地域連携活動は有意義で素晴らしいものでした。バラエティーに富んだイベントでした。

<ライブ参加者>

◎ライブ映像、とても興味深く拝見しました。農家の方、学生たちの熱意も伝わりました。
◎家族で楽しく拝見しました、子どもに稲刈りや珍しい生き物を見せられました。
◎生き物観察ですが、生体を多くみられるときとみられない時とあると思いますが、今回は多かったのではないかと思いました。タイコウチなどを見ることができてテンションが上がりました。サワガニのお話面白かったです。自分の田舎は何色がいたかなと思いだしたりしました。
◎うまくいかない面はあったようですが、貴重な取り組みに参加させていただきました。

次回はフィールドでの最終工程「脱穀活動」です。

それまではさがけの稲を野生動物に食べられないように管理していきます。

集合写真
元気に稲刈りがんばるぞー!

(*1)Microsoft Teamsは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。

稲刈り前
稲刈り前

>稲刈り後
稲刈り後

渋沢小学校4年生「稲刈り体験2022」

2022年9月29日(木)

渋沢小学校4年生の児童120名と先生方が、クラス単位でエコ村の田んぼで稲刈りを行いました。

エコ村に到着した児童たちは、エコ村の代表からお米にまつわるお話がありました。先日のこども園の園児と同じ説明になりますが、1本の穂には食べつ事のできるお米の実が70〜100粒ぐらいついていて、カマで刈る1束だとお茶碗一杯分ぐらいの量になるとの説明がありました。そのあと、お米作りの名人からノコギリカマを使った稲の刈り方について説明があり、刈るときの音にも耳を傾けて欲しいというアドバイスがありました。

エコ村代表の挨拶
エコ村代表の挨拶

カマを使っての稲刈りの方法を名人が解説
カマを使っての稲刈りの方法を名人が解説

5月にうるち米のはるみの苗を植えた田んぼで児童たちが稲刈りに挑戦!

毎年同様、2人1組のペアになって1人が刈った稲をもう一人のペアに渡してまとめてもらうということを繰り返していきます。ノコギリカマは右利き用と左利き用があるので同じ聞き手の児童同士がペアになります。一人5〜6株刈ったら役割を交代していきました。

最初のクラスの刈りはじめ
最初のクラスの刈りはじめ

危なくないよう間隔をあけて刈っていきます
危なくないよう間隔をあけて刈っていきます

刈った稲は地元ボランティアが束にしていきました。それを見た一部の児童が自分も束ねてみたいと率先して稲を縛ることにチャレンジしていました。

終わりが見えてきました。あと少し!
終わりが見えてきました。あと少し!

稲を束ねてみたい!と進んで手伝ってくれました
稲を束ねてみたい!と進んで手伝ってくれました

稲刈りが終わった子たちは秋の虫を思い思いに観察していました。オニヤンマを捕まえた児童がいて見せてくれました。

オニヤンマ、大きいです
オニヤンマ、大きいです

ある程度刈ったところでボランティアがハサガケ台を作り刈った稲を干していきました。

稲刈りが終わった児童に稲刈りの感想を聞いたところ
 ・初めてだったから最初は不安があったけどやってみると意外と簡単だった
 ・「うまいねー」とか「こうした方がいいよ!」とアドバイスがあったので嬉しかった
 ・1束でたくさん本数がある株は刈りごたえがあった
 ・最初にお話があったようにザクっていう音が気持ちよかったしスッキリした!
 ・慣れれば簡単!
 ・1束が大きかったり小さかったりと違いがあったことに気が付いた
などの声が上がりました。

ハサガケした稲を天日で乾燥させた後に脱穀、精米の工程が完了したら小学校に収穫米を届けに行きます。

稲刈り前
稲刈り前

稲刈り後のハサガケ
稲刈り後のハサガケ

しぶさわこども園「稲刈り体験2022」

2022年9月26日(月)

しぶさわこども園の年長園児60名と先生方が、クラス単位でエコ村の田んぼで稲刈りを行いました。

稲刈り前の田んぼ
稲刈り前の田んぼ

エコ村に到着した園児たちは、エコ村の代表からお米にまつわるお話を聞きました。1本の穂には食べることのできるお米の実が70〜100粒ぐらいついていて、カマで刈る1束だとお茶碗一杯分ぐらいの量になるとの説明がありました。そのあと、お米作りの名人からノコギリカマを使った稲の刈り方について説明がありました。園児たちはそれぞれの話を熱心に聞いていました。

エコ村の代表からお米の話を聞きました。
エコ村の代表からお米の話を聞きました。

お米作りの名人からカマの使い方を教えてもらいました
お米作りの名人からカマの使い方を教えてもらいました

5月にもち米(喜寿)の苗を植えた田んぼで園児たちが稲刈りに挑戦!

まずは田んぼで地元ボランティアが稲刈りの見本を園児たちに披露し「真似して刈るんだよ」と声をかけていきました。しかし、園児たちは最初は力の加減がわからないため上手く刈れない感じでしたが、先生方が手を添えて力加減を教えた後は、園児が自力で刈ることができるようになりました。園児が上手に刈ることができると先生方は褒めてました。

地元ボランティアが刈り方を実演。真剣に見つめる園児たち
地元ボランティアが刈り方を実演。
真剣に見つめる園児たち

早速自分たちで稲刈りに挑戦
早速自分たちで稲刈りに挑戦

先生方のチカラを借りず自分で刈ります
先生方のチカラを借りず自分で刈ります

上手にカマを使っていきます
上手にカマを使っていきます

今回もこども園の先生方が総出で中心に園児のサポートを行い、地元ボランティアの方々は園児が刈った稲を束ねていきました。ある程度刈れたところでハサガケ台を作り、刈った稲を干していきました。

稲刈りが終わった園児に感想を聞いたところ
 ・刈る感覚とゴキゴキという音が楽しかった!
 ・刈るのに慣れると楽になっていった
 ・最初、カマが怖かったけど、使ううちに怖くなくなった
 ・もう刈ったお米を食べたくなった!
などの声が上がりました。 

昨年は感染症対策での行動制限があり稲刈りが実施できませんでしたが、今年は田植えも稲刈りも園児が体験することができ、こども園の先生方は大変喜んでいました。

稲刈りが終わってから広場にいる虫を観察
稲刈りが終わってから広場にいる虫を観察

昆虫を見つけて園児は興味深く観察
昆虫を見つけて園児は興味深く観察

ハサガケした稲を天日で乾燥させた後に脱穀、精米の工程が完了したらこども園に収穫米を届けに行きます。

園児たちが刈った稲のハサガケ
園児たちが刈った稲のハサガケ

稲刈り準備 − ヒエ抜き − 従業員

2022年9月17日(土)

9月の田んぼの保全活動は稲刈りの前準備として従業員と家族6名 、エコ村スタッフ2名が田んぼのヒエ抜きを行いました。

6月、7月の活動時にも田んぼの間の雑草を抜きましたが、その時にお米の株とヒエの株の違いの見極めが大変難しく、取り切れなかったヒエがお米の株と一緒に成長し実をつけてしまいました。ヒエ抜きの目的は、お米の稲刈りの時や脱穀時にヒエが混じらないようにすることと、ヒエの種がこぼれると次年以降もその田んぼでヒエが生えないようにするためです。

稲の中にヒエが混じっています。わかるかな?
稲の中にヒエが混じっています。わかるかな?

みんなで田んぼに入っていきます
みんなで田んぼに入っていきます

ヒエ抜きは直接田んぼに入って人手で抜いていきました。今年は9月上旬に田んぼの水を切っているので人が田んぼに入りやすい状態でした。参加者全員でこども園の園児たちが植えた小さい田んぼから着手し、徐々に大きな田んぼに移っていきました。どの田んぼもかなりヒエが育ってしまい、抜いたヒエを反対の手に集めていると抱えるほどの量になっていきました。

ヒエがたくさん!
ヒエがたくさん!

抜いたヒエ
抜いたヒエ

他の田んぼも抱えるほどありました
他の田んぼも抱えるほどありました

全員が抱えるほどの量を抜きました
全員が抱えるほどの量を抜きました

小学生が植えた田んぼにはカヤネズミの巣が2つありました。この時はカヤネズミは巣の中にはいませんでしたが、今年もエコ村の田んぼにカヤネズミが生息していることが確認できました。その他にもオオカマキリやオンブバッタ、イナゴなどの様々な昆虫をたくさん見つけることができました。

カヤネズミの巣を見つけました
カヤネズミの巣を見つけました

オオカマキリ
オオカマキリ

荷物置きシートにいたオンブバッタ
荷物置きシートにいたオンブバッタ

シカの足跡
シカの足跡

すべての田んぼでの作業が終わると同時に終了時間になりました。

今回はエコ村スタッフの感想を投稿したいと思います。
・この日はお天気にも恵まれ予定通り作業を行うことができました。少数精鋭の人数で作業に取り掛かりましたが、抜き取ったヒエの穂をまとめるとかなりの量になって驚きました。いままでと比較し、感覚ではありますが今年が一番多いのではないかと思いました。田んぼ5枚のもち米とうるち米の実も黄金色に色づき、収穫が近いことを実感しました。

次回は、いよいよ稲刈りです!こども園、小学校、従業員と稲刈り体験イベントが続きます。

しぶさわこども園 「秋の虫さがし2022」

2022年9月9日(金)

しぶさわこども園の年長園児約70名と先生たちがエコ村のフィールドで虫探し(生き物観察)を行いました。

今回の虫探しも昨年同様、普段から一緒に行動しているクラス単位に実施しました。講師は、東海大学の北野先生と北野研究室の4名の学生に協力いただきました。

東海大学の北野先生と学生4名の紹介
東海大学の北野先生と学生4名の紹介

最初にみんなの広場で北野先生と学生の紹介を園児たちに行い、その後は広場チームと池の観察チームに分かれ、それぞれで生きものを探すことになりました。

広場チームは、学生2名が中心となって園児たちに説明していました。土壌生物(土の中にいる生き物)に詳しい学生からミミズやヒル(吸血しないヒル)、ムカデなどの生き物を見せてもらい生き物の特徴を教えてくれました。土壌生物はいままでで初めて園児たちに紹介しました。さらに、事前に学生さんが捕獲したオニヤンマを園児がつかめるようにサポートしました。園児から見てもオニヤンマは大きく、チカラも強いということも触れて体験できたようです。その他にも広場にいるイナゴやバッタ、カマキリなどの昆虫を自分たちで捕まえたりしていました。

土壌生物について教えてもらう園児たち
土壌生物について教えてもらう園児たち

学生が山に入って捕まえた土壌生物
学生が山に入って捕まえた土壌生物

園児たちがオニヤンマに触れてみました
園児たちがオニヤンマに触れてみました

池の観察チームは、別の学生2名があらかじめ観察用に捕獲した水生生物を見せてくれたりしました。今回も園児たちに網を渡して池の生き物をすくってみるという体験もしました。網ですくえたのは、マドジョウやホトケドジョウ、マツモムシ、カエルなどでした。アカハライモリは優しく触れてねと学生が園児にアドバイスして、触れたい園児が順番に触れることができました。

学生が水生生物について園児に説明
学生が水生生物について園児に説明

自分たちでも何か生き物が捕まえられるか挑戦!
自分たちでも何か生き物が捕まえられるか挑戦!

アカハライモリの触り方をレクチャー
アカハライモリの触り方をレクチャー

池で捕獲したドジョウ、ヤゴ、タイコウチなど
池で捕獲したドジョウ、ヤゴ、タイコウチなど

観察しやすいように透明の容器も用意
観察しやすいように透明の容器も用意

短い時間でしたが、里山で生き物を観察する園児たちの楽しそうな声が響きました。

生き物観察の後は自分たちが5月に植えたお米の苗の成長を確認してから園に戻りました。

自分たちで植えた稲の様子を観察
自分たちで植えた稲の様子を観察

この日園児のために頑張ってくれたオニヤンマ
この日園児のために頑張ってくれたオニヤンマ

後日こども園の先生から

「学生さんも来てくださり、園児一人一人のつぶやきを受け止めていただけて、子どもたちも大満足の1日でした。家に帰ってからも家族に『見たこと、聞いたこと、触れたこと』を夢中で話した子が多くいたようです。

というコメントをいただきました。

今後は、エコ村のたんぼで稲刈りにも挑戦します。

田んぼの番人登場! 案山子づくり

2022年8月20日(土)

8月の田んぼの保全活動は毎年恒例の案山子づくりです。今年は4体作成しました!

今年の案山子4体
今年の案山子4体

案山子づくりは地元のボランティア団体の千村ネイチャー倶楽部の案山子づくりの名人が中心となって活動を行います。この日は千村ネイチャー倶楽部員に交じって、従業員6名と家族2名も一緒に案山子づくりに参加しました。

金太郎チーム 骨組み
金太郎チーム 骨組み

金太郎チーム 小道具も作ります
金太郎チーム 小道具も作ります

金太郎チーム 小道具その2
金太郎チーム 小道具その2

金太郎チーム あの衣装は!?
金太郎チーム あの衣装は!?

活動日の約2週間前、案山子のデザイン案について案山子づくりの名人とエコ村スタッフが打ち合わせをしました。今年は参加人数が多いから4体作ろう!と計画し、どのような案山子にするかを検討。活動参加予定の従業員にデザインアイデアを募集したところ、数件案が出されその中の1件が採用されました!

案山子は竹で骨組みを作りとワラで肉付けしながら作っていき、服装は主に古着を着せます。1体につき4〜5人のチームで力を合わせて組み立てます。途中、作り方がわからないときは、周りの人や名人のアドバイスを聞き、休憩を取りながら2時間ほどで作り上げました。

アイドルチーム 骨組み
アイドルチーム 骨組み

アイドルチーム この衣装は!?
アイドルチーム この衣装は!?

アイドルチーム 藁を切って頭づくり
アイドルチーム 藁を切って頭づくり

アイドルチーム 形になってきたかな?
アイドルチーム 形になってきたかな?

へのへのもへじチーム 肉付け中
へのへのもへじチーム 肉付け中

従業員の採用されたアイデアは「金太郎」で、そのアイデアを出した従業員が中心となって作成。他は「へのへのもへじさん」、「ベンチに腰かける婦人」、「アイドル風な衣装の女の子」になりました。ベンチに腰かけているスタイルの案山子は、エコ村始まって以来のタイプで、普段フィールドで活動しているスタッフでもベンチに人が座っているような錯覚を覚えてしまいます。

完成!みんなで記念撮影
完成!みんなで記念撮影

参加者からの感想を一部紹介します。

・人生で初めて案山子を作りました。 当日、材料を見て、こんな短い時間で作ることができるのか、非常に心配しましたが、 地元の方のサポートもあり、何とか形にすることができ、とても満足できました。
・前回の草取り活動も案山子づくりも初めての経験であり貴重な体験でした。 何よりも自然と向き合う大切さを教えてもらった気がします。今から稲刈りが楽しみです。

数日後、エコ村のフィールドに訪れた人から「ベンチに腰かける婦人」の案山子について、「本当に人がいると思った!よく見たら案山子なんですね」との感想がありました。

9月の活動は、稲刈りに向けた事前作業を予定しています。

田んぼ2と3の間
田んぼ2と3の間

田んぼ3と4の間
田んぼ3と4の間

田んぼ5
田んぼ5

みんなの広場のベンチ
みんなの広場のベンチ

田んぼの草取り第2弾 従業員

2022年7月16日(土)

7月の田んぼの保全活動は、田んぼ周辺の草刈りをメインに実施する計画を立てていました。しかし、梅雨明け宣言後すぐの気温上昇と日照時間の増加で田んぼの稲が順調に生育し始めましたが、雑草群も一緒に生育してしまいました。そのため、活動内容は先月と同じ作業内容の田の草取りに変更しました。

この日は従業員4名と家族1名(小学生) 、お米作りの名人1名、エコ村スタッフが田んぼの草取りを行いました。

まずはじめに、先月と同様に田んぼ活動を指導してくださるお米作りの名人から、今回は「ヒエ取り」をメインに活動すると話がありました。ヒエはお米の稲と似ているため、見分け方について説明をすると、従業員たちからは「見分け方難しい!」との声が一斉に上がりました。

お米作りの名人から稲とヒエの違いの説明
お米作りの名人から稲とヒエの違いの説明

手に触れて近くで違いを確認します
手に触れて近くで違いを確認します

作業に取り掛かろうとしたとき、急な大雨となり、一時エコ村でお借りしている作業場で雨宿りをして、雨が落ち着くのを待ちました。

待ち時間にはお米作りの名人からお米農家の暮らし方やワナ免許を取得していることから鳥獣被害や対策についてのお話がありました。また、生き物観察の一環として、エコ村にある昆虫類の標本を参加者に紹介しました。

突然の大雨で作業中断
突然の大雨で作業中断

作業場で雨宿り中に標本を見たり、名人の話を聞いたりしました
作業場で雨宿り中に標本を見たり、名人の話を聞いたりしました

雨が落ちついたタイミングを見計らって、2つのチームに分かれて田んぼの草取りを行いました。離れたところにあるうるち米の田んぼはヒエとスギナが多くあり、名人も一緒になって草取りをしました。

もう一つのチームは、残りの田んぼ4枚のうち雑草が多かった一番広い田んぼをメインに草取りを行いました。草取り機を入れようとしましたが、雑草もかなり成長していたため、草取り機が入らず、地道に人手で草を抜いていきました。

田んぼ5の作業風景
田んぼ5の作業風景

雑草を取る場所を各自で決めて着手
雑草を取る場所を各自で決めて着手

田んぼ3が一番雑草が多く生えてしまい、この田んぼ中心に抜きました
田んぼ3が一番雑草が多く生えてしまい
この田んぼ中心に抜きました

株間は草取り機が入りました!
株間は草取り機が入りました!

田んぼ5:木道にあるのは抜いたヒエ
田んぼ5:木道にあるのは抜いたヒエ

終了間際にまた雨が強くなってしまい、作業途中で保全活動を終了にしました。すべての田んぼの草取りはできませんでしたが、3枚分の田んぼの草取りができました。

参加者からの感想を一部紹介します。

・生物があちこちにいて、説明もあったので、虫嫌いの私でも楽しめました。 雑草の生えている量が場所によって偏っていたのが、不思議でした。
・雨の中予定どおりにとはいきませんでしたが、指導者の方から畜産の興味深いお話しを伺い、充実した時間を過ごせました。短い時間でしたが、田んぼに棲む様々な生物を見ながら草取りができ、とても楽しかったです。

8月は案山子作りを地元ボランティアと一緒に行う予定です。

田んぼ3開始前:稲株の間に背の低い雑草が
田んぼ3開始前:稲株の間に背の低い雑草が

田んぼ3終了時:背の低い雑草が無くなりスッキリ
田んぼ3終了時:背の低い雑草が無くなりスッキリ

田んぼ3開始時 草取り機を使おうとしたけど、機械が動かず使用断念
田んぼ3開始時 草取り機を使おうとしたけど、機械が動かず使用断念

田んぼ3終了時:土が見えるように!
田んぼ3終了時:土が見えるように!

田んぼ5開始時 ここはヒエが多い
田んぼ5開始時 ここはヒエが多い

田んぼ5終了時 株間の土が見えるように
田んぼ5終了時 株間の土が見えるように

田んぼの草取りにチャレンジ! 従業員

2022年6月18日(土)

田植えを行ってから約一か月。従業員5人と家族1名(小学生)がエコ村の全ての田んぼの草取りに挑戦しました!

今年は月に一度、従業員の参加希望者に田んぼ活動を体験してもらうことにしています。6月は「田の草取り」です。

まずはじめに、田んぼ活動を指導してくださるお米作りの名人にお越しいただき、雑草取りの必要性や実際の米農家での雑草対策の話、道具の使い方、さらにはお米に関わる豆知識などをお話いただきました。参加者たちは普段お米農家の声を聴くことがなかったようで、興味津々に聞いていました。

お米作りの名人からお米作りの解説
お米作りの名人からお米作りの解説

草取り機の説明
草取り機の説明

田植えを行ってから日照が少なく気温も上がらなかったためか、お米苗の成長が例年より遅い感じですが、雑草も同様でまだ小さいので、「今のうちにできるだけ取ってしまおう!」と頑張りました。

実際に田んぼに入って草取りを行うのですが、何が雑草かわかりにくい状態でした。アドバイスとして、「稲の株と株の間に生えているものは全て雑草!」と考えると良いとのことで、それらを抜き取り田んぼの外に出すか、抜き取った雑草を泥の中に埋めていきました。

熊手も使って藻を取り除きます
熊手も使って藻を取り除きます

田んぼに入って草取り
田んぼに入って草取り

全部の田んぼで草取り
全部の田んぼで草取り

ここはスギナが多くありました
ここはスギナが多くありました

草取りの最中に、神奈川県では絶滅危惧U類に相当している「イチョウウキゴケ」をエコ村スタッフが見つけ参加者に紹介しました。

イチョウウキゴケ
イチョウウキゴケ

ウキクサに混ざっていました
ウキクサに混ざっていました

予定した時間でエコ村の5枚の田んぼすべての草取りが終了しました。参加者からの感想を一部紹介します。

◎水田は水が張ってあるので雑草は生えないと思っていた。水中なのに草が生えていて驚いた。稲作に必要な雑草取りという貴重な体験ができた。稲苗の根付きが弱く浮きそうだった。もう少し育ったタイミングのほうが、苗に気を使わずに作業ができ、器具がもう少し体験できたのではと思いました。
◎初めて田んぼ活動に参加しましたが、自然に直に触れることができ大変良い経験でした。お米の成長が楽しみであり個人的に状況を見に行きたいと思います。

上手に草取り機を使えていました!
上手に草取り機を使えていました!

お疲れさまでした!
お疲れさまでした!

今後も月に一度、田んぼの保全活動を行っていきます。次回は7月です!

草取り前:株と株の間に草が生えてきた
草取り前:株と株の間に草が生えてきた

草取り後:株と株の間がクッキリ
草取り後:株と株の間がクッキリ

おまけ:この日見つけた生きもの

しっぽの長いアマガエル
しっぽの長いアマガエル

ドジョウがかくれています。わかるかな?
ドジョウがかくれています。わかるかな?

田植え2022:3年ぶりの従業員とその家族編

2022年5月28日(土)

従業員と家族、地元ボランティアの総勢47名が田植えを体験しました。生き物にとって重要な水辺環境である田んぼの作成は今回で12回目を迎え、今年は3年ぶりに従業員が田植えを実施することができました。

田植え全景
田植え全景

当日は、陽の光がさんさんと降りそそぐなか、従業員と家族が3枚の田んぼ (うるち1枚、もち2枚)に田植えを行いました。うるち米は「はるみ」、もち米は「喜寿(きじゅ)」という品種でどちらも神奈川県の推奨米です。

もち米の田んぼ「田んぼ2」
もち米の田んぼ「田んぼ2」

もち米の田んぼ「田んぼ3」
もち米の田んぼ「田んぼ3」

うるち米(はるみ)を植える田んぼは水量が多くこどもでは膝まで沈んでしまうため、大人チームが中心で植えました。その分、もち米(喜寿)の田んぼは、親子チームが力を合わせて植えていきました。3年前と同様に目印の付いたひもを使い、人が一列に並んで一斉に目印のところに植えていく方式です。

水量が多かった大人田んぼ「田んぼ5」
水量が多かった大人田んぼ「田んぼ5」

「田んぼ3」近くからパシャリ!
「田んぼ3」近くからパシャリ!

植えている様子をエコ村スタッフが少し見学したところ、5歳ぐらいの参加者が、手慣れた手つきで自分で苗のかたまりから目分量で5本ぐらいを瞬く間に分け取ってすいすいと植えていたのでお母さんに「田植えはどこかで体験しましたか?」と聞くと「初めての体験です」との回答で、順応性がとても高くて驚きました。

予定していた田んぼ3枚の田植えはみなさんのチームワークが良く午前中で完了しました。

田植え後に昼食をとり、午後はエコ村のフィールド紹介と生き物観察を実施しました。フィールド紹介ではエコ村に自生する植物や出没する生き物、設置機器類を紹介しました。また生き物観察は、水生昆虫を中心にふれあいの場を設けながら紹介しました。

エコ村のフィールド案内
エコ村のフィールド案内

里山保全の方法などを解説しました
里山保全の方法などを解説しました

生き物観察。ツチガエルの特徴を紹介
生き物観察。ツチガエルの特徴を紹介

実際にツチガエルとのふれあい
実際にツチガエルとのふれあい

当日の参加者から感想が届きましたので一部紹介します。
◎参加者の皆さまも親切に接してくださり日頃の業務で接点のない部署の方々とも会話ができてとても有意義な一日でした。
◎和やかな雰囲気で、親子とも楽しんで活動出来てとても良い経験となりました。田植えは達成感があり、生き物観察はお話を聞いて触ったりできて興味深かったです。自然って良いなと改めて思えました。
◎里山活動の説明で「人が整備しているから確保できる多様性もある」というお話が印象的でした。とんぼが好む大きさの池を作る、丈の短い草も生きやすいように環境を整えるなど。経済活動や最先端技術が生き物と共生する為に役立つ好事例を見せて頂き、大自然の中で私も少しはお役に立てたのかなと達成感を得ることが出来ました。

観察用に捕獲した生き物で観察
観察用に捕獲した生き物で観察

アカハライモリ、ドジョウ、ホトケドジョウなど
アカハライモリ、ドジョウ、ホトケドジョウなど

今後も田んぼ保全の草取り活動や案山子づくりなどの活動も従業員ボランティアと地元ボランティアと一緒に行っていきます。

参加したみなさんお疲れさまでした
参加したみなさんお疲れさまでした

(※)コロナ禍ではありますが、行動制限の無い状況だったため3年前より参加人数を減らして開催しました。また厚生労働省の定める基本的な感染症対策も実施しました。

田植え2022:秦野市立渋沢小学校編

2022年5月25日(水)

渋沢小学校4年生の児童と先生方の約120名が、クラス単位でエコ村に来て田植えを行いました。

今回植えるうるち米(はるみ)の苗
今回植えるうるち米(はるみ)の苗

田植え前。水面に背景が写っています
田植え前。水面に背景が写っています

児童たちはエコ村の代表からエコ村がどのような場所かの説明を聞いた後、お米作りの名人から、苗は5本ずつ取ってヒモの目印のある場所に植えるようにと、苗の植え方についての説明がありました。

エコ村スタッフが田植えの前の児童たちに「今までに田植えをしたことがある人は手を挙げてください」とアンケートをとったところ8割ぐらいが経験者で、その中でも地元のこども園時代のときにこの場所で植えたことがある児童たちが多いようでした。

お米作りの名人からの説明
お米作りの名人からの説明

早速、ボランティアの指導のもと植えます
早速、ボランティアの指導のもと植えます

中盤ぐらい
中盤ぐらい

遠目のアングルで撮影
遠目のアングルで撮影

小学生が担当する田んぼに植えるのは神奈川県で推奨されているうるち米の「はるみ」という品種です。児童たちは、地元ボランティアのサポートを受けながら丁寧に植えていきました。

もうすぐ終了
もうすぐ終了

待っている間に生き物観察
待っている間に生き物観察

田植えの順番を待ったり、終わった児童たちは、エコ村に生息している水生昆虫やカエルなどの生き物観察を各自で実施していました。

この水路に生き物がたくさんいます
この水路に生き物がたくさんいます

どんな生き物がいるか調査中
どんな生き物がいるか調査中

田植え後に児童たちに感想や気づき点を聞いたところ、「田植えがこんなに大変とは思わなかった!」「意外と足が埋まって深く感じた」「泥がスライムのような感触だった」「タイコウチ見つけた!」「カエルがたくさんいました!」などの声が上がりました。

田植えの最中に飛んできたトンボ
田植えの最中に飛んできたトンボ

シュレーゲルアオガエル
シュレーゲルアオガエル

エコ村が児童たちの良い学びの場になったようで、田植えの約1カ月後に総合学習でエコ村の生き物観察を行ったクラスがありました。

引き続き、エコ村スタッフや地元ボランティアが中心になり田んぼの保全や苗の生育を見守っていきます。

田植え完了!
田植え完了!

田植え2022:秦野市立しぶさわこども園編

2022年5月23日(月)

しぶさわこども園の年長園児65名と先生方が、クラス単位でエコ村の田んぼに来て田植えを行いました。

今回植えるもち米(喜寿)の苗の一部
今回植えるもち米(喜寿)の苗の一部

エコ村に到着した園児たちは、エコ村の代表からのエコ村についてのお話を聞いた後、お米作りの名人から苗の植え方について説明がありました。園児たちはそれぞれの話を熱心に聞いていました。

エコ村の代表からお話を聞きました
エコ村の代表からお話を聞きました

お米作りの名人からの説明
お米作りの名人からの説明

田んぼに移動していよいよ田植えです。
初めて田植えを体験する園児たちが多いので、田んぼに入る時も慎重になっている様子でした。

早速植えていきます
早速植えていきます

仲良く植えることができました
仲良く植えることができました

園児は先生から植える単位に小分けした苗を受け取ると、ヒモの目印のあるところに植えていきました。

最後は後ろの畔が近くなりました
最後は後ろの畔が近くなりました

田植えをした田んぼにはオタマジャクシがたくさんいました
田植えをした田んぼにはオタマジャクシがたくさんいました

田植えが終わった園児たちは、エコ村にいる水生昆虫やカエルなどの生き物観察をしていました。ドジョウやホトケドジョウ、タイコウチ、カエル、オタマジャクシ、タニシ、アメリカザリガニなどを確認していました。

他の友だちが植えている間、水生昆虫観察をしました
他の友だちが植えている間、水生昆虫観察をしました

この日、観察した生き物
この日、観察した生き物

今回も昨年と同様に、こども園の先生方が総出で園児の田植えの時のサポートをして下さいました。植えるときに間隔の測ったり、植えるときの目印のヒモ持ちを担当してもらいました。

さらに地元ボランティアの方にもご協力いただき、こども園の先生方やこどもたちのサポートを行いました。

今後は、地元ボランティア、従業員ボランティア、エコ村スタッフで収穫に向けて田んぼの水管理などを行っていきます。

綺麗に植えられました。無事に育ちますように
綺麗に植えられました。無事に育ちますように。

−おまけ−
この日、地元ローカルテレビ局と市役所の広報の取材が入りました。テレビ局は当日の夕方のニュースで放映されました。現在は市役所広報の公式YouTubeチャンネルで園児たちの田植えの様子が動画でも確認できます。

サツマイモの苗植え2022:秦野市立渋沢小学校

2022年5月17日(火)

渋沢小学校2年生の児童と先生方の約110名がエコ村の近隣の畑で、サツマイモの苗植えを行いました。今年のサツマイモの苗は、地元のサツマイモ農家が育てたベニアズマ苗です。

畑に移動してきた児童たちにエコ村の代表から「サツマイモの成長には適した気温や日光そして雨が必要です。自然環境を大切にする心を大事にして、日常を過ごすようにしてください」と挨拶がありました。

エコ村の代表の挨拶
エコ村の代表の挨拶

その後、サツマイモの苗植えの名人から苗の植え方の説明がありました。最初に名人からは、サツマイモの苗は、つぶつぶの種(種子)から成長したものかどうかを児童たちに問いかけて少し考えてもらってから、サツマイモの種芋からたくさんを芽が出ているものを見せました。種子ではなく、サツマイモから出ている葉っぱを見て少し驚いた様子でした。その後、水平植えの植え方を教えてくれました。

サツマイモづくりの名人からサツマイモの苗のでき方と植え方を説明
サツマイモづくりの名人からサツマイモ苗の
でき方と植え方を説明

植え方の説明パネルとたねイモ
植え方の説明パネルとたねイモ

実際に畑に行って地元ボランティアの皆さんに指導してもらいながら、みんなで苗を植えていきました。黒いビニールシート(黒マルチ)に穴を開けて、水平植えにするため、苗を横にして土をかけていきました。

いよいよ実践!
いよいよ実践!

ボランティアも丁寧に指導します
ボランティアも丁寧に指導します

黒マルチシートに穴を開けて植えていきます
黒マルチシートに穴を開けて植えていきます

上手にできてるかな?
上手にできてるかな?

苗植えを終えた児童たちに感想を聞いたところ、「イモ苗の植え方を初めて知った!」「もしかしたら弟が食べるかも!と思って心を込めて植えた」「苗を埋めるのが楽しかった」「大きいサツマイモがたくさんできて欲しい」「今回は水平植えだったけど、わたしは他にも苗の植え方があることを知ってました!」などの声が上がりました。

予定していたウネに全て植えることができました
予定していたウネに全て植えることができました

サツマイモの苗植えのウネは地元ボランティアの方々が4月中旬に作ってくれました。その時の様子を紹介します

肥料を撒いて耕運機で整備
肥料を撒いて耕運機で整備

土の角取り
土の角取り

黒マルチ敷き
黒マルチ敷き

完成!
完成!

収穫までの間は、地元ボランティアが草刈りなどをしてサツマイモの成長を見守っていきます。

今年の田んぼの再生活動、畦塗り(あぜぬり)・代掻き活動

2022年5月14日(土)

新型コロナの感染拡大防止のための行動制限が全国で解除されたことを受けて、5月からは今まで地元ボランティアが中心で行っていた田んぼの保全活動の工程を、日立グループの従業員や家族が体験する取り組みを始めました。田植え・稲刈り体験以外の工程を従業員の参加者が現地で体験するのは開村以来、初の試みとなります。

今年の従業員参加型の田んぼ活動は、第1弾として5月14日に従業員と家族10名、地元ボランティアとエコ村スタッフ13名の総勢23名で「田んぼの畦塗り・代掻き」の作業を行いました。畦塗りは地方によっては「くろつけ」や「くろぬり」とも呼ばれるようです。

当日の朝は豪雨で活動が実施できるか心配な状況でしたが、雨が上がる方向の予報となっていたため、開始時間を1時間遅らせることにしました。その結果、予報通りに雨が上がり、雨具を着用せずに活動を開始することができました。最初のミーティングで参加者を地元ボランティアのメンバーに紹介し、活動内容を説明しました。また、過去に畦塗りや代掻きを体験したことがあるか聞いたところ、今回の参加者には体験者が一人もいないことがわかりました。地元ボランティアの方は、参加者一人一人に畦塗りや代かきのやり方を丁寧に指導くださいました。

畦塗りのやり方を教えていただいています
畦塗りのやり方を教えていただいています

実際にチャレンジ!
実際にチャレンジ!

従業員のお子さんも積極的に手伝ってくれました!
従業員のお子さんも
積極的に手伝ってくれました!

代掻き棒を使う前に地元ボランティアのメンバーが耕運機で少し慣らしました
代掻き棒を使う前に地元ボランティアのメンバーが耕運機で少し慣らしました

参加者はボランティアの方々に畦塗りや代掻きの工程の必要性や、道具の使い方のコツなどを聞きながら作業をしていきました。地元ボランティアは、慣れない作業にもかかわらず積極的に手を動かしてる参加者の姿に感銘を受けたのか、作業をする姿は普段より一層力が入っているように見えました。

代かき棒を使って田んぼを均します。
代かき棒を使って田んぼを均します。

なかなか難しい!
なかなか難しい!

今回は人数が多かったこともあり午前中のうちに作業を終わらせることができました。これで5枚の田んぼすべでにおいて、いつでも田植えができるようになりました。

定点カメラ:実施前(アオサギ登場シーン)
定点カメラ:実施前(アオサギ登場シーン)

定点カメラ:畦塗り・代掻き後
定点カメラ:畦塗り・代掻き後

後日、従業員参加者から感想が届きましたので一部紹介します。
○久しぶりの運動で筋肉痛になりましたが...地元のボランティアの方々やエコ村スタッフの方々が丁寧に教えてくださったおかげで、初心者でも楽しく活動に参加することができました。環境問題・過疎の問題等に関心がない人々に興味をもってもらうためには、生態系の豊かさ・尊さと同時に、温かい現地のコミュニティー「人」を伝えていくことも効果的である、と今回の活動を通じて感じました。
○ボランティアのみなさまには、効率が悪い初心者にも関わらず、農作業を手伝いたいと思う人に対して、親切丁寧にやりかたを教えていただきました。

今年のエコ村での田んぼ活動は4月から始動しています。4月の中旬に、地元ボランティアとエコ村スタッフで田起こしや田んぼ全体の畦がイノシシに荒らされてしまったため田んぼの畦の補修を行いました。

4月:耕運機を使って田起こし
4月:耕運機を使って田起こし

4月:イノシシ被害にあった畦補修
4月:イノシシ被害にあった畦補修

今後も田植え・稲刈り以外の工程について、月1回程度、従業員と地元ボランティアが一緒に田んぼ活動を実施していく予定です。活動の様子を今後も報告していきます。

当日の作業お疲れさまでした
当日の作業お疲れさまでした

(※) 田んぼ活動は屋外の活動であるため、厚生労働省の定める基本的な感染症対策を行って実施しています。