里地里山とは、山と都市との中間に位置して、集落と農地、ため池、草原、管理されている山や森林などで構成される地域で、農林業などに伴うさまざま人間の働きかけによって形成・維持されてきました。
里地里山は、多様な生物が生息・生育し易い多様な環境を形成しています。また、食料や木材など自然資源の供給、良好な景観、文化の伝承の観点からも、とても重要な場所です。
しかし、多くの里地里山では、高齢化や人口減少、利便性を求めた生活環境の変化などによって、里地里山を利用した自然資源の循環が少なくなってきています。このことで、里地里山が荒廃し、里地里山の多様な環境が損なわれ、奥山と里山の境界が無くなり、鳥獣などの生き物が人間の住む場所まで下り易くなるなど、地域の生物多様性に悪影響を与えることになります。
里地里山を整備することは、自然環境が維持・保全されることになり、生物多様性の保全に貢献できるものと考え、積極的に取り組んでいきます。
現在、全国各地で特定外来生物が繁殖しており、生態系への影響、人や農作物への被害など、さまざまな問題を抱えています。
外来生物は、植物であったり、動物であったりと多種多様です。外来種が生息する地域では、本来生息すべき在来種が減ってしまったり、在来種と交配してしまったりと良くない影響が出てしまいます。
これ以上、良くない影響が出ないようにしていくためにも、繁殖力の強い外来種駆除にも取り組んでいきます。
2011年4月から2023年3月までの12年間、日立は豊かで持続可能な社会を実現するためにさまざまな取り組みを行う場として、神奈川県秦野市に「ITエコ実験村」を開設し活動をしてきました。 里山の恵みを次の世代へつなげるために、秦野市や大学、地域の人々との協創により、地域の身近な課題を解決する社会イノベーション事業を通じた貢献活動の記録です。
ITエコ実験村の母体となっていた秦野市「生き物の里 指定第5号 千村」という場は、日立グループの従業員やOB、地元住民で構成される任意のボランティア団体として、2023年4月以降も生物多様性を中心とした取り組みを引き続き実施していただいています。