サーバー・ルームが求めるのは、省電力なブレードサーバー。
ブレードサーバーでサーバー統合を行う企業が増えている。しかし企業によっては、期待した効果が出ないケースも!果たしてその分岐点はブレードサーバーの選択にあった。とある会社のプロジェクトレポートを見てみよう。
わが社はいま順風満帆だ。時流に乗ったネットビジネスは年々拡大し、わが社自慢の巨大サーバー・ルームにたくさんのサーバーが立ち並ぶ風景は、それはもう圧巻。しかしその裏では、消費電力の問題が起きている。サーバー、ストレージ、ネットワークなどのIT機器の急激な増加とともに、電力消費量はうなぎ上り。空調設備もフル稼働しており、とてつもなく電気代がかかっている。しかも電力の引き込みが追いつかず、ラックいっぱいにサーバーを詰め込めない状態だ。どうにか消費電力を抑えないと、もうサーバーを増設することすら、ままならないぞ!
本日ITパートナーからの提案を受け、サーバー・ルームの消費電力問題に解決の糸口が見つかった。それが日立のBladeSymphonyによるサーバー統合だ。小型高集積モデル「BS320」は、従来のPCサーバーに比べて約26%*1も低消費電力らしい。この最新ブレードに統合していけば、大幅な省電力化が期待できる。また、日立は独自開発の3次元熱流体シミュレータを使ってラックや空調設備の配置を最適化する、空調環境コンサルティングサービス「AirAssist®」も提供しているというから、サーバー・ルーム全体の省電力化が可能だ。さっそく、サーバー統合プロジェクトに着手しよう。
構築がはじまった。工程は順調に進んでいる。今回は「BS320」を導入したが、ITパートナーの話によると、BladeSymphonyのハイエンドモデル「BS1000」にも、優れた省電力化技術が備わっているらしい。それは日立サーバ仮想化機構「Virtage」(バタージュ)というものだ。ハードウェアリソースを複数の論理パーティションに分割できるこの仮想化技術により、低負荷時に少数のサーバーに縮退運転することで、不要なサーバー電源を落とし、消費電力を抑えられるというのだ。これにより、最大約40%*3の省電力化も可能だという。将来的に業務量が大きく増加した時、ぜひ導入を検討したいと思う。
いま運用テストを行っている。BladeSymphonyを実際に使ってみて、運用管理の面でも省エネできることがわかってきた。オンライン業務やバッチ業務、バックアップ業務など、さまざまな業務の開始/終了にあわせて、サーバ電源のON/OFFを自動制御し、省電力な運用を実現できるのだ。この自動運用は、日立の統合システム運用管理「JP1」によるものらしい。たとえば、夜間にシステムを集約し稼働サーバー台数を削減するといった運用も自動化できる。また小型無線センサ「AirSense™」*4を使って、サーバー・ルームの温度監視もJP1で統合監視できるというから驚きだ。当初考えていた以上に、BladeSymphonyはわが社の省エネに貢献してくれそうだ。
本日、サーバー統合が完了した。今回のプロジェクトにより、サーバー・ルームの省電力化を推進できた。今後システムがさらに拡大し、データセンターにハウジングした場合にもBladeSymphonyが力を発揮するだろう。グリーンITへの取り組みは、地球温暖化問題が深刻化する中で、今や企業にとっては社会的責任のひとつだ。わが社も積極的に取り組んでいきたいと思う。これからの時代、そのような姿勢が企業価値につながっていくのだ。
サーバーなどのIT機器の急激な増加により、消費電力が増大している。サーバー統合による解決を考えた時、重要なのはトータルに省電力化を実現できるサーバーを選ぶこと。日立統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」なら、ブレードサーバー自体が低消費電力であることはもちろん、サーバー仮想化やシステム運用の効率化によってトータルに省電力化を追求できる。これからのサーバー・ルームやデータセンターに最適と言えるだろう。