SAP®アップグレードには、拡張性に優れたブレードサーバー
ブレードサーバーでサーバー統合を行う企業が増えている。しかし企業によっては、期待した効果が出ないケースも!果たしてその分岐点はブレードサーバーの選択にあった。とある会社のプロジェクトレポートを見てみよう。
昨年末にSAP® R/3®バージョン4.6Cのメインストリーム・メンテナンスが終了。今年度の保守費は2%上がり、来年度にはさらに2%上がるという。約1,000人分のライセンスを抱える当社にとって、その2%という金額は決してあなどれない。さらに、サーバーのリース期限も半年後に迫っている。このタイミングでSAP®のアップグレードと同時にサーバーをリプレースしたい。そしてこの機会に、ビジネスプロセスを見直し変化に対応できる体制を整えるとともに、監査証跡や権限管理による内部統制強化を目指す。理想は、稟議の通りにくい単純アップグレードではなく、バリュー・アップグレードだ。しかし、これらを同時に行うとイニシャルコストがかかり過ぎるのではないか?
今日ITパートナーからの提案を受け、イニシャルコストの問題に1つの解答を得た。提案の内容はこうだ。従来は別々のサーバーで構築していた開発機・検証機・本番機を、BladeSymphonyに集約するというもの。開発機・検証機・本番機のブートディスクを1台のブレードサーバーに付け替えてシステムを切り替えるSANブート機能を使う。フェーズが終了した開発機のサーバーを検証機に切り替えて使うことで、9台のSAP®サーバーを5台のブレードサーバーにまで集約できるというのだ。次の開発フェーズまで使われない開発機・検証機に目を付けるとは!これで、あきらめかけていたバリュー・アップグレードが現実味を帯びてきた。
アップグレード作業がはじまり、心配していたアドオンの移行もスムーズに進んでいる。そして本日、検証機が稼働しはじめた。驚くべきことに、前週に開発機だったサーバーが2倍の性能を持つ検証機に変わっていたのだ。このマジックの種は、BladeSymphonyの「サーバブレード間SMP機能」にあるらしい。開発機はブレードサーバー1台で足りるが、検証機は本番機と同じ構成が推奨され、ブレードサーバー2台分のパフォーマンスが必要になる。開発機にもう1台のブレードサーバーを密結合して2倍の性能を持つサーバーにするスケールアップを行った模様だ。今のところ、スケールアップ&スケールアウトが可能なのはBladeSymphonyだけらしい。新しい業務を追加したい時、UNICODE対応したい時、さらなるCPU性能が必要になればSMPで密結合を拡大して対応できるのだ。これで、先行投資に踏み切るかどうかで、頭を悩ませる日々ともサヨナラだ。
アップグレードも完了し、当初の目的だったイニシャルコストを削減できた。ここで、1シャーシに8台まで搭載できるBladeSymphony BS1000の空きスロットに、他サーバーを統合することにした。障害が起こる度に全国各地にシステム管理者を派遣していた問題のグループウェアサーバーだ。サーバー台数削減によるコストメリットはもちろん、設置スペースや消費電力の低減、そして何よりも全国に飛び回る手間がなくなったのだ。しかも、統合システム運用管理「JP1」と密に連携したBladeSymphonyなら、複雑なジョブスケジュールもシンプルに運用できる。止められない基幹システムにとって、シンプルな運用はとても有益だ。サーバー統合でTCO削減というさらなるバリューが生まれた。
数々のコストメリットとともに、変化への即応や日本版SOX法対応を実現するバリュー・アップグレードを手に入れた。そして何よりも、SAP®サーバーとグループウェアが1箇所に統合されたことで、システムの一元管理ができるようになった。全社の業務を統合するERPパッケージとグループウェアが同居する効率的なプラットフォームを得て、サーバ統合本来のメリットを存分に発揮できるようになったのだ。真の基幹システムを手に入れたわが社には、明るい未来が待っている。
SAP®アップグレード――サーバーのリプレースを同時に行う場合はイニシャルコストがかかる。やはり、拡張性に優れたブレードサーバーを選び、必要最低限の投資で済ませるべきだろう。日立統合サービスプラットフォームBladeSymphonyなら、サーバブレード間SMP機能をはじめ、その拡張性は群を抜いている。SAP®アップグレードに最適と言えるだろう。