日々、各国から大型のコンテナ船で大量の加工原料が運ばれてくる日本有数の国際貿易港・横浜。その横浜港の中心を担う大黒ふ頭や山下ふ頭に拠点を置くキョクレイは、主力商材である乳製品原料、果汁原料に特化した戦略で成長を続け、2品目の国内シェアは国内トップの20%強を誇っています。
株式会社 キョクレイ
執行役員 大黒物流センター
所長
楢村 佳正 氏
株式会社 キョクレイ
情報システム部長
白石 仁 氏
「当社はニチレイグループの一員として、冷凍冷蔵貨物の保管と配送を中心に、物流業務の一元管理、通関業務などを代行する輸入通関とお預かりしている商品の分析検査、原料の軽加工など、総合的な流通サービスを提供しています。現在、神奈川県内では大黒、山下、中井、厚木に物流センターを保有していますが、なかでもこの大黒物流センターは約5万6,000トンという国内最大級の容量を持ち、お客さまの幅広いニーズに対応するため、解凍室、小区画の多温度帯室、検品室やサンプル採取室、分析センターなども備えています」と説明するのは、大黒物流センター 所長を務める楢村 佳正氏です。
同センターでは従来から、倉庫内の温度監視用に、有線センサを使った温度管理システムを適用していました。しかし2007年、システム基盤の更改期が近づいたことから、新たなシステムへの移行を模索。その過程で日立のセンサネット情報システムAirSenseの存在に行き当たったと、情報システム部長の白石 仁氏は語ります。
「当社が取り扱う乳製品や果汁原料は、他の低温商品と比べても、より安定した温度管理が求められるデリケートな商品です。特にチルド帯で管理されるチーズなどは、出荷までの熟成度合いをコントロールするため、お客さまからきめ細かな温度指定が要求されるケースが少なくありません。こうした商品が年々増えてきたことから、新たな温度管理システムには、倉庫内でもピンポイントな温度測定ができること、お客さまからの要求に対して迅速な報告レポートが出せることなどが必須要件としてあがっていました。無線センサのため設置工事の必要がなく、専用ソフトウェアで全センサの一元管理ができるAirSenseは、これらの要件を満たすソリューションでしたので、さっそく日立さんにお願いして、実環境での耐久試験を行うことにしたのです」。