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Manpower from Economic Cycle経済圏が担う地域の人財輩出

いろんな経験を積んで地域に足りない部分を補える人材になろう

生産人口の減少に伴い、貴重になった若年層の人材獲得競争が激しくなるとともに、個人のパフォーマンスを向上させることの重要性が増していく。企業は優秀な人材を確保し続けるために、その職場で「働くことの魅力」を外から見える化しつつ、自己効力感を高められる職場環境や、その職場特有の「働くカッコよさ」を作ることが求められていく。また、人材を自社で囲い込むのではなく、地域経済を活性化させるプレイヤーとして、自律的に創造力を発揮できるよう支援する。

変化のはじまり生産人口減で多様な働き方ができる人材が求められる

労働人口減少から、企業間での若年層の獲得競争は激しくなり、従業員は今まで以上に能力アップを求められている。従業員の視野を広げるために業務外活動に一定の時間を充てさせたり,消費者と実際に接する機会を整えたりする企業も登場している。働く人々は、自由な時間で地域プロジェクトに関わるなど、現場でスキルアップを望むようになりつつある。

組織の枠を跨いだ地域の人財循環

現在の価値観企業に所属し企業の目標に沿って働く

将来の価値観地域に所属しているという意識を持ち地域の課題を解くために働く

事業環境が不定になっていく中で、中長期的な目標の設計ができることよりも、目の前の問題に対処できる能力が重視されるようになっていく。企業は、従業員が組織の枠を超え、外部との連携で経験を積むことを推奨し、業務時間を使って彼らが得たスキルを地域や社会全体のために発揮することを認めていく。

多様な組織で視野を広げた人々は、地域や社会全体が抱える課題に対して自分ができることはないかなど、個人のミッションを考え始める。例えば、企画力に優れた人が、そのスキルを使って地元特産品が直面している販売課題に取り組むなど、地域や社会全体を巻き込む変化に応じて、個人が柔軟に対応する動きが効果を出し始める。

「良い人材は独占するのではなく、社会全体で育てて不確実な将来に対応しよう」という考え方が広がり、個人のミッションに基づいたキャリア形成やワークスタイルを推奨する企業も現れる。世間も、その企業が外側へどれだけ優秀な人材を送り出すことができたのかどうか、評価するようになる。

地元地域の規模から世界規模の貢献まで、人々は流動的に、その時その時で人材が不足している現場を補うように動き始める。所属する組織が増えたり変わったりすることを、いちいちキャリアシフトとして捉えるのではなく、地域や社会のなかで一番必要とされている場所へ、適切な人が異動しただけと捉えることで、人材の循環が促進される。

消費で見つける「働く魅力」

現在の価値観「買いたい」を見つける店舗

将来の価値観「働きたい」を見つける店舗

企業や行政は労働力確保のため、近隣の生活者に「働く魅力」をアピールする開かれた場の整備を進め、工場の生産ラインなど裏方にあった労働環境が公開されていく。働く場がオープンになることで、これまでモノを消費するだけの立場だった地域の人々はその工程により興味を持てるようになる。

研究所のような場所も生活者に開かれていき、地域住民が商品開発に参加したり、隣接店舗で販売も体験したりと、企業へのかかわりを深める、体験の場としての側面を備えていく。そのような接点を作れない地域の人々や若年層に向けては、SNSでの発信も進む。「働く魅力」の対外アピールは、従業員にとっても、仕事を通じた社会貢献をあらためて実感できるきっかけとして、重要になっていく。

企業によって開かれた体験の場は、企業のあらゆる取り組みを魅せながら共感する人とマッチングする、リクルートの場として進化していく。これまで生活者との接点が少なかった事務職なども、ここで働く姿を見せることで、企業の魅力を伝える役割を担っていく。

店舗は一つの開かれた場として、商品、職場、従業員、働き方など、企業の世界観全てを集約し伝えるものになる。SNSのように第三者の評価が含まれることなく、企業が消費者に直接的にブランドイメージを表現できる場として重要視され、利用者も消費者としてではなく従業員としてそこで働きたいかどうか、まで考えが及ぶようになる。店舗の滞在をインターンのように捉えその場で履歴書を出す人がいたり、習い事のように通う子どもがいたりと、従来の消費行動と就職活動の境が曖昧になっていく。