伊藤忠では財務・経理領域において引き続き、2020年度に向けて統合リスクマネジメント、与信管理などの領域のシステム改善を進めていく考えだ。夜間バッチからの脱却をめざし、入力したデータをリアルタイムに反映させることをめざす。「現場からは決まったタイミングでのデータを定点的に見たいという要望があるため、まずは“都度化”をめざしていきます」と浦上氏は語る。
そのほか、SAP S/4HANAで標準提供されるHTML5ベースのUI「SAP FioriR」の汎用入力の開発に着手するほか、SAP S/4HANAの最新版へのリリースアップを進めながら、AIを活用した新機能活用にも取り組んでいく方針だ。浦上氏は日立に対して「技術者かつユーザーとして、引き続きSAPに関する知見を貸していただきたい」と期待を寄せている。
第2の創業期としての次経営世代化に踏み出した伊藤忠商事において、SAP S/4HANAを核とした次世代基幹システムは、今後も重要な役割を果たしていくはずだ。
左から、伊藤忠商事株式会社 高松氏、浦上氏、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 長澤氏、山下氏