自動運転を活用して、災害時の水の心配を
やわらげることはできないだろうか?
災害時に充分な水を確保することは簡単ではありません。避難所に行かずに自宅で過ごしている方は、自前でタンクを用意したり、給水所から自宅まで運んだりするなど大変な労力を必要とします。また、給水車による給水量では生活用水の十分な確保が難しく、健康被害が発生するリスクが高まることが懸念されます。どうすれば、災害時に生活に必要な水を多くの人へ送り届けることができるでしょうか?
複雑な運転計画への対応と、ドライバーと必要としないために可能となる高頻度配送という自動運転の特徴を活かし、避難者に水を運ぶ配水カートがあったらどうでしょう。
水道を代替するように被災者に多くの水を届け、ライフライン復旧までの生活でかかる心身の負担を軽減することはできないでしょうか。
配給を希望する家の前に、1人あたり20リットルの水のパックが毎日配られます。これは洗面・手洗い・体拭きなどの衛生管理、食器洗いなど、生活に最低限必要な量の水です。
地域内での配給地点・配給量を記録し、これに基づいて配給計画を更新しながら配給車が分担して巡回することで、配給作業に多くの人員を割かずに、着実に偏りなく水を供給することができるでしょう。
本件は、経済産業省の平成28年度スマートモビリティシステム研究開発・実証事業(自動運転による新たな社会的価値及びその導入シナリオの研究)の研究成果である。