2020年5月にグローバルの各拠点でSAP S/4HANAを軸にSAP Analytics CloudやSAP Commerce Cloudなど複数のSAPシステムが同時稼働したことで、データのリアルタイムな共有が可能となり、本来めざしていたデータ・ドリブン経営実現に向けた基盤ができました。浅川氏は「導入してすぐに結果が出た部門もあります。物流面ではお客さまへの回答が早くなり、製品の納入も早くなっています。コストが削減され会社として恩恵を受けた部分もあります」と、導入による利点を語ります。IT面ではSAP S/4HANA導入によってブラックボックス化が解消されたと同時に、グローバルプロジェクトによって日本中心のITメンテナンス、改善ではない、グローバルな対応が可能になりました。また2025年の崖に向けて、社内でのIT人材育成につながる道筋も見えてきました。
運用面では業務フローが統一されたことで、同じ機能に属するグローバルの社員が同じ運用を共有でき、何か問題が起こってもお互いにやりとりして解決につながるようになりました。
そして今後の展望について浅川氏は「SAPで基盤ができたので、このデジタルデータベースを基にして製造のIoTやAIを使った作業の自動化など、お客さまへのサービスを含め、これからさらに効果を高められると思います。企業の競争力を上げていく上でも、SAPのデータが一番の基礎になると考えています」と語ります。
現在はHitachi VantaraのAMS部隊が運用保守を支援しています。今後もビジネスプロセス、ITの両面で定期的なレビューを行い、必要に応じて見直していくというサイクルで、常にビジネス基盤の最適化を図っていきます。