井實氏は、「システム化にあたり最も注力したのが、われわれとお客さまがWebサイト上で最新の化学物質情報や各種文書を共有するための仕掛けづくりでした」と振り返ります。プライムポリマーは以前から、プライムビジネスネット(PBN)と呼ばれる会員制のオンライン情報提供システムを立ち上げており、さまざまな製品情報や原料情報に加え、お客さま固有の取引情報、オンライン発注などの機能を提供することで、お客さまの業務効率向上を支援してきました。
そして今回のプロジェクトでは、新たに構築された化学物質DBとこのPBNを連係させることで、より鮮度の高い情報開示と、従来は紙ベースだった納入仕様書などもWeb上で締結でき、さらに検索・ダウンロードできる新機能が提供されるようになったのです。
株式会社 プライムポリマー
生産・技術部 生産管理グループ 品質管理チーム
塩見 正晴 氏
「これまでは、お客さまごとに異なる納入仕様書の作成・締結に多大な労力と時間がかかっており、通常業務の大きな足かせになっていました。しかし化学物質DBとPBNとの連係によってそれらの作業がほぼ自動化され、負担が大幅に軽減されました」と語るのは、生産・技術部 生産管理グループ 品質管理チームの塩見 正晴氏です。そのバックグラウンドでは従来、工場やサプライヤーなどから紙ベースで提供されていた化学物質情報が、Excel®などの電子データでアップロードされ、DBと自動連係できるようになった仕組みが大きな威力を発揮しています。 以前なら入手までに数週間はかかっていた納入仕様書が、SAP® ERPで管理された出荷実績とも連係しながら、PBNからリアルタイムにダウンロードできるようになったため、「お客さまにとっても利便性が高まり、ビジネススピードの向上に大きく寄与しています」と喜ぶ塩見氏。また植野氏も、「日立さんのシステムには、情報を社外とも安全にやりとりでき、文書などの参照・更新権限も厳格に管理できるセキュリティ機能が用意されていたので助かりました。今後は、お客さまがPBN上で個別に検索しなければならなかったMSDSや品質保証などの情報も、購入された製品ごとにひも付け、PBNからすぐにご覧いただける仕組みを提供していきたいと思います」と、強い意気込みを語ります。
「PRIQ」の構成と将来構想
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