BladeSymphonyでご好評のかんたん・シンプルな統合運用。その統合運用を支える統合システム運用管理「JP1」の開発者に、日立のソフトウェア開発の真髄を聞いた。
ソフトウェア事業部
プラットフォームソフトウェア本部
第1プラットフォームソフトウェア設計部
主任技師 中山淳
BladeSymphonyの運用管理を実現する統合システム運用管理「JP1」の開発に関わって実感するのは、「すぐれたソフトウェアは、“ものづくりへのこだわり”がつくる」ということ。ブレード市場の成長は速く、他社との競争も熾烈です。当然、ソフトウェア開発にはスピードが求められます。同時に高信頼な「日立品質」も保たねばなりません。そのため、私たちは開発担当者の教育とコミュニケーションの活性化に力を入れています。
教育の面では、社内の充実した研修プログラムを通じ、高信頼な「日立品質」の考え方、アプローチの仕方、開発プロセスなどを教え、個人の意識とスキルを育てています。一方、チーム内ではコミュニケーションを密にし、膨大なテスト項目の中から定期的に検討テーマを設定、時にはほとんど起こりえないレアなケースまで想定し、改善点を抽出して、開発の初期段階で問題点の芽をひとつひとつ摘んでいます。
また開発スタッフは海外にも分散しており、私など現在も2ヶ月に1度は現地に出向いて緻密な調整を続けています。現地スタッフのITスキルもすぐれており、日本人からは出てこない発想に刺激され、新しいアプローチに気づくこともあります。ここでもコミュニケーションを深めるほど品質が高まっていくことを実感できています。
他社も開発環境はグローバルに分散しているでしょうが、同じ環境で他社に先んじていく競争力の鍵は、私たちの場合「教育とコミュニケーション」にあると思っています。
私たちは“ものづくりへのこだわり”として、常に「お客さまの声」に耳を傾けています。ブレードサーバー市場が大規模企業から中規模企業へと拡大するなか、「ブレードサーバーは使いこなすのが難しい」という声をいただきました。そこで「かんたん」「シンプル」「あんしん」で好評の「BladeSymphony SP」のGUI画面は、社内のデザイン研究所と協力して直感的でわかりやすいインタフェースに徹底的にこだわりました。
「かんたん」とは「直感的でわかりやすい」こと。それも日立品質と考えています。「お客さまの声」から生まれたBladeSymphony SPが、全てのお客さまにとって簡単にサーバー統合環境をスタートできる道筋をつけたことは画期的でした。
また、リソース集約のニーズに、独自の仮想化機構Virtage(バタージュ)や、VMware®への対応、高可用対応の「N+1コールドスタンバイ」機能、さらにデプロイメント機能、遠隔操作機能などを重視し、日立ならではの信頼性の高い統合運用管理環境を実現できました。
今、世界経済が変動し、今まで以上に市場ニーズも予測困難な時代に入りました。企業のコスト低減・生産性向上、人的負荷の低減へのニーズに続き、省電力など「グリーンIT」に代表されるエコロジカルなニーズはさらに重要性を増すでしょう。
それに対し、運用管理ソフトウェアが担うべき役割が増えることは間違いありません。ますます進化していくBladeSymphonyのこれからにどうぞ、ご期待ください。