日立の開発製品であるHitachi Striping File System for AIX(以下、HSFS)は複数サーバから構成されるクラスタシステムに対して共有ファイルシステムを提供するミッションクリティカル向け製品です。
HSFSを導入することにより、クラスタシステム内のどのサーバ(ノード)からも、LANを経由してディスク内のファイルにアクセスすることができます(ファイル共有機能)。また、SAN経由で複数ノード間でディスクを共有することもできます(SAN共有入出力機能)。ファイル共有機能とSAN共有入出力機能は同時に使用することができます。
このSAN共有入出力機能を使用すると、LAN帯域に影響を与えずにノード間における高速なデータ転送を実現することができます。図ではジョブ1が生成したファイルをジョブ2の入力ファイルとして引き渡す際、LANを経由せずにHSFSの共有ファイルシステム経由でデータを転送する例を示しています。
ノードに障害が発生した場合、当該ノードをシステムから切り離し、残りのノード群で運用を継続することができます。ノード縮退機能の使用にはHAモニタが必要です。
ファイルシステムの更新記録をログに取ることで、システムダウン時に高速な復帰を実現することができます。ジャーナル機能を使用しない場合はシステムダウンで発生したファイルシステムの不整合を修復するためにファイルシステム全体をチェックする必要があり、システムダウンから復帰後の起動に非常に時間が掛かります。ジャーナル機能を使用した場合、ログの内容を基に更新された部分だけがファイルシステムの不整合から修復されるため、起動に必要な時間を短縮することができます。
HSFSは、次のソフトウェア製品を提供します。本製品は1CPUライセンスと媒体を含む製品と、1CPUライセンスのみの製品があります。