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ひたちなか総合病院

【副作用について】
  抗がん剤治療は、がん細胞だけでなく正常な細胞にも影響を与えるため、副作用としていくつかの症状が現れることがあります。
  副作用の起こりやすさは薬の種類によって異なり、また個人差もあります。さらに、副作用の中には自覚症状のないものもあります。自覚症状のない副作用については、定期的に血液検査などを実施して、確認します。なお、症状がひどい場合には時間帯に関わらず、病院へ連絡して下さい。

【主な副作用の症状と対策について】
1)吐き気・嘔吐
  吐き気・嘔吐は、薬により脳の嘔吐中枢が刺激を受けるために現れる症状です。抗がん剤の種類によっては、あらかじめ吐き気や嘔吐を抑える薬を点滴したり、内服をおこなうことで症状の軽減をはかります。

☆治療を受けるときの工夫☆
・少量ずつでも可能な範囲で食べてください。
・においに敏感になっているときは、強いにおいのものを避けたり、室内の換気を良くしてください。

2)骨髄機能抑制(白血球減少・血小板減少・赤血球減少)
  白血球、血小板、赤血球など血液成分は、骨髄でつくられます。骨髄は細胞分裂が盛んな場所であるために、薬により影響を受けやすくなり、これらの血液成分が減少することがあります。自覚症状がないことが多く、定期的な血液検査により状態を確認します。

○白血球減少
  白血球が減少すると、病原体と戦う力が弱くなり、感染しやすい状態になります。多くは治療の1~2週後に最低値となります。

☆感染症が起こりやすい時期の対処☆
・風邪をひいている人には近づかないようにしてください。
・人混みに近寄らないようにしてください。
・外出時にはマスクなどで予防しましょう。
・食事前や排泄後には、石けんと流水で丁寧に手を洗ってください。
・こまめにうがいをしましょう。
・園芸などをする際には手袋をはめて、切り傷などを作らないようにしましょう。

○血小板減少
  血小板が減少すると、血液の凝固(止血)させる働きが低下するため、鼻血や歯ぐきからの出血、皮下出血(内出血)などを起こしやすくなります。多くは7~10日で減少しはじめます。

☆出血予防の対処☆
・激しい動作やスポーツを避け、つまずいたり、転んだりしないように注意する。
・歯磨きには柔らかいブラシを使用し刺激を減らしましょう。
・ひげ剃りには電気カミソリを使用して、皮膚を傷めたり切ったりしないようにしましょう。

○赤血球減少
  赤血球が減少すると、全身に酸素を運搬する赤血球が不足し、息切れなどの症状がみられます。赤血球は寿命が長いため、抗がん剤により高度の貧血を起こすことはまれです。

☆貧血の時期の日常生活の注意☆
・動き始めはゆっくりと動いてください。
・日常生活は、息切れやひどい疲れを起こさない範囲で行いましょう。

3)口内炎
  口腔粘膜は細胞分裂が盛んなため、薬の影響によってできやすくなるほか、骨髄機能抑制により、口の中で感染が生じることで起こります。口内炎が出来ることにより、口腔内が痛み、食事が摂りづらくなったりします。

☆口内炎予防のポイント☆
・一日に何度もうがい、歯磨きをして口の中を清潔に保ちましょう。
・口の中を乾燥させないようにしましょう。

4)下痢
  腸粘膜は細胞分裂が盛んであるため、薬の影響によって消化管粘膜が傷害を受け、下痢がみられることがあります。下痢がひどくなると、脱水症状や電解質異常を起こすので注意が必要です。

☆下痢が見られた場合の日常生活の注意☆
・食事は温かく消化吸収の良いものを数回に分け、少量ずつ摂るようにしましょう。
・塩分や糖分を含むスープやスポーツドリンクなどで積極的に水分を補給しましょう。

5)便秘
  腸の働きを調節している神経へ抗がん剤やある種の吐き気止めが影響を及ぼすことで腸の動きが悪くなり、いつもよりも便が出にくくなることがあります。症状に応じて、便が硬くなるのを防いだり、腸の運動を強める下剤を使用します。

☆日常生活上の日常生活の注意☆
・水分を十分にとり、繊維の多い食べ物を摂るようにしましょう。(医師からの特別な制限がある場合は指示を守りましょう)。
・排便を我慢しないでください。
・無理のない程度の軽い運動をこころがけましょう。

6)脱毛
  毛根部は細胞分裂が盛んなため薬の影響をうけやすい部分です。使用する薬の種類によって程度は異なります。治療開始から2~3週間後に現れ、髪の毛以外の体毛も抜ける場合があります。治療が終われば、個人差はありますが3~6ヶ月でほとんど回復します。

☆日常生活上のポイント☆
・ケアキャップ、バンダナやウィッグで対応したり、あらかじめ髪の毛を切っておくことも良いかもしれません。 ・シャンプーや整髪剤は刺激の少ないものを使いましょう。
・洗髪はやさしく行い、ヘアドライヤーは低温、弱風で使用するなど皮膚への刺激を減らしましょう。
・パーマや毛染めは刺激になるので、担当医の許可が出るまで避けましょう。