環境
考え方・方針
マテリアリティ
気候変動への対応は世界的な潮流となり、各国政府や企業に求められる役割が大きく変化しています。日立は、国連気候変動枠組条約第28回締約国会議(COP28)への参加などを通じて、政府やステークホルダーとの連携を深めながら、グローバルな視点で環境課題に取り組み、社会の脱炭素化を加速するClimate
Change Innovatorとなることをめざしています。
日立は、グリーン戦略の両輪の一つである「GX for
CORE」のもと、事業所(ファクトリー・オフィス)での2030年度カーボンニュートラル実現に向けて自社のCO2排出量削減施策を加速していきます。また、環境長期目標「日立環境イノベーション2050」で掲げているように、バリューチェーン全体で2050年度までのカーボンニュートラル達成に向け、取り組みを進めています。
このような自社の取り組みに加えて、「GX for
GROWTH」では、グリーンに寄与する事業の成長を通じて、社会全体の脱炭素化にも貢献していきます。例えば、日立エナジーは、2024年から2027年にかけて約60億ドルを投資し、製造、エンジニアリング、デジタル、研究開発、パートナーシップの強化を通じて、クリーンエネルギー転換の加速に貢献していく計画(2024年6月時点)です。これは同時に、日立のバリューチェーンにおけるCO2排出の大部分を占める製品・サービスの使用時排出の削減にもつながります。日立は、環境負荷の低い製品・サービスの提供、お客さまと社会のCO2排出を削減するソリューションの普及拡大を通じて、環境課題に真正面から取り組んでいきます。
日立のバリューチェーン各ステージでのCO2排出量の割合(2023年度)*1
*1比率は事業ポートフォリオにより変動
戦略・目標
考え方・方針
活動・実績
日立は、CO2排出量削減に貢献するビジネスをお客さまとの協創を通じて推進していくことで、お客さまと社会に価値を提供し、脱炭素社会の実現に貢献していきます。日立には、グリーンエナジー&モビリティ、デジタルシステム&サービス、コネクティブインダストリーズの3つの事業領域があります。その内、脱炭素化に貢献する事業として、以下を展開しています。
日立の注力する脱炭素ビジネスの例
グリーンエナジー&モビリティ |
グリッドソリューション |
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グリッドオートメーション |
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発電 |
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鉄道 |
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デジタルシステム&サービス |
金融・公共向けソリューション |
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データセンター |
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サーバー/ストレージ |
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コネクティブ |
スマートなロジスティクス |
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ファクトリーオートメーション |
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水事業 |
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産業機器 |
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スマートシティ |
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家電 |
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次世代電池 |
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昇降機 |
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*1HVDC:High Voltage Direct Current(高圧直流送電)の略
活動・実績
日立は、主に以下の3つの分野にてお客さまのCO2排出量の削減に貢献しています。
再生可能エネルギーを含む非化石エネルギー導入のためのキーコンポーネントを提供することで貢献
日立エナジーの HVDC(高圧直流送電)は、遠隔地から需要地まで、大量のエネルギーを長距離にわたって効率的に送電するとともに、出力変動に対応し、連系交流系統の安定化に貢献します。再生可能エネルギーの大量導入に不可欠な送電技術として、エネルギーシステムの変革と柔軟化に貢献しています。
高効率の産業機器など、効率の高い製品や制御の最適化に基づく省エネルギー化を提供することで貢献
日立産機システムの汎用圧縮機は、圧縮機本体の高性能化、モータの高効率化によるエネルギー効率の改善により、CO2排出量の削減を実現します。機器の省エネルギーを通じて、産業部門の脱炭素化に貢献します。
産業機器の電動化を含む、化石エネルギーを利用する製品を電動化することで貢献
日立インダストリアルプロダクツは、エンジンで発電機を駆動し発生した電力で駆動・制御を行う電動化システムを鉱山用ダンプトラックに提供し、車体の走行・制御性能を向上することでCO2排出量の削減を実現しています。
2023年度、日立グループは以下の事例を含め、多様な分野で脱炭素化に貢献する技術やソリューションを提供しました。
生成AIの利用拡大などで今後電力需要の増加が見込まれる中、カーボンニュートラルに向けて再生可能エネルギーの活用が急務です。日立は、再生可能エネルギーを生産地から遠くの消費地へ「届ける」広域機関システム、再生可能エネルギーの利用拡大でより対策が必要となる系統安定化を「支える」次期中央給電指令所システム・需給調整市場システムの提供など、ITxOTを融合したデジタルの力で再生可能エネルギー活用を支えます。2023年11月に受注した次期中央給電指令所システムは、長年積み上げた日立の電力システムのノウハウと日立エナジーのグローバル製品を融合してシステムを構築します。
米国ハワイ州ホノルルにおいて、日立レールが手掛ける米国初の完全自動運転都市鉄道システム「スカイライン」の第1期区間が完成し、2023年6月に旅客サービスを開始しました。新路線の全区間が完成すると、市内の混雑した通りや高速道路における推定4万台/日の自家用車の移動(高速道路8車線分に相当)が鉄道に移行すると試算されています。この路線は完全に電化されており、化石燃料による自家用車から持続可能な交通機関への移行を促進し、島の住民や観光客のために渋滞を緩和します。日立レールは、車両の設計・製造、鉄道システムの設計・製造、試験および安全認証、システムの運用および保守を担当しました。
考え方・方針
マテリアリティ
日立は、お客さまとの協創を通じた脱炭素への貢献を、CO2排出削減貢献量として算定しています。これは日立の製品やサービスを通じてお客さまの脱炭素に貢献した量をCO2排出量に換算して算定するもので、2024年度に約1億トン/年の削減貢献の目標に対し、2024中期経営計画期間平均で1億5,260万トン/年の見通しです。
日立は、該当年度に日立製品・サービスを使用した場合のお客さまのCO2排出量と、基準年度における日立の製品・サービスからの排出量との比較に基づいて算出しています。この際の基準年度は原則2013年度*1としています。
CO2排出削減貢献量に関しては、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)が2023年3月にガイダンスを発行、日本国内ではGXリーグ*2で気候関連の機会における開示・評価に関連しCO2排出削減貢献量の活用について検討、さらにIEC*3においてもCO2排出削減貢献量に関する標準化が進められているなど、各所での議論が活発化しています。製品・サービスの具体的な算出方法に関する統一的なガイドが現在検討されている段階で、日立もこの議論に参加しています。
*1日本のCO2削減目標の基準年度に従って設定。ただし、連結対象となったエネルギー系会社の基準年度は日立グループへ加入した年度に合わせて2020年度で設定
*22050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて持続的な成長実現をめざす企業が、同様の取り組みを行う企業や産官学とともに協働する場
*3International Electrotechnical Commission (国際電気標準会議)
(1) 非化石エネルギーへの転換
例)HVDC・風車など
(2) 省エネルギー
例)圧縮機・昇降機など
(3) 電動化
例)産業機器の電動化
活動・実績
マテリアリティ
日立は、製品・サービスの環境性能向上をグループ全体で着実に実行するため、設計行為を伴うすべての製品・サービスに対して、日立の「環境配慮設計アセスメント」を適用したエコデザインを推進しています。このアセスメントでは、製品・サービスのライフサイクルの各段階において、気候変動、資源枯渇、生態系劣化に影響を与える計30の環境影響項目を特定し、事業活動による環境負荷低減を多面的に評価して改善を図っています。
*1IEC62430: 国際電気標準会議(IEC:International Electrotechnical Commission)の規格「電気・電子製品の環境配慮設計」
循環型経済(サーキュラーエコノミー)移行の考え方/製品設計における変革考え方・方針
活動・実績
日立は、バリューチェーンで最も大きな比率を占める製品・サービスの使用時のCO2排出量を削減していくために、削減の対象となる製品・サービスごとに、機能量*1を分母にCO2排出量を分子として、2010年度を基準としたCO2排出量原単位の削減率目標を設定しています。
2023年度は、削減率13%の目標に対して24%となり、目標を達成しました。目標達成には、産業機器、社会インフラで使用される省エネルギー性の高い機器の新機種投入などが寄与しました。
なお、バリューチェーン全体における排出量においては、連結対象となったエネルギー系会社の排出量を日立グループの排出量の算定に加えたことにより大幅に増加しました。これは当該会社が提供する変圧器など主要製品がグローバルの電力インフラで広く使用されているため、この使用による排出量が増加したためです。今後も省エネルギー性の高い製品を提供していきます。
*1機能量:製品の出力や容量など、CO2排出と相関がある製品の主要な性能
2024 環境行動計画 管理値 CO2排出量原単位削減率(日立グループ)
考え方・方針
活動・実績
マテリアリティ
日立は、脱炭素社会の実現に向け、自社の事業所(ファクトリー・オフィス)での2030年度カーボンニュートラル達成という目標を「環境長期目標」に定めています。
目標達成に向けて、CO2排出量を2024年度に基準年度比50%削減、2027年度に80%削減というマイルストーンを設定して取り組みを推進しています。2023年度では自動車部品系会社が非連結化したこともあり、2024年度の目標を下回って削減を達成しています。
CO2排出量の削減施策には「省エネルギーおよび創エネルギーの導入」および、「非化石電力の調達とエネルギー属性証明書*1の活用」があります。このうち「省エネルギーおよび創エネルギーの導入」については、初期投資費用がかかる場合もありますが、今後のエネルギー料金の高騰リスク回避や、カーボンプライシングへの対応にもつながります。日立の企業理念である「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会へ貢献する」を実践していくためにも、重点的に実施していきます。
*1エネルギー属性証明書:再生可能エネルギーによる発電起源の環境価値として、認証・認定などを受けたもの。再生可能エネルギー電力の購入と異なり、電力と切り離した環境価値を取得することで、CO2を排出しない電源を使用したものとみなされる
CO2排出削減計画
*12023年度は自動車部品系会社が非連結化したため、大幅に減少しています
事業所(ファクトリー・オフィス)におけるCO2排出量削減のための主な取り組み
事業所におけるカーボンニュートラルを達成していくための具体的な取り組みをファクトリー、オフィスごとにまとめると以下となります。
ファクトリー |
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オフィス |
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ファクトリー・オフィス共通 |
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*1コーポレートPPA:企業や自治体などの法人が発電事業者から再生可能エネルギーなどの電力を長期に(通常10~25年)購入する契約。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略
*2追加性:新たな再生可能エネルギー設備の増加を促す効果
活動・実績
日立は、事業所(ファクトリー・オフィス)からのCO2排出量削減を促進するため、2019年度から「日立インターナルカーボンプライシング(HICP)*1」制度を導入しています。グローバルの排出権取引や炭素税などを参考に、社内炭素価格を設定して脱炭素設備投資によるCO2削減量の効果を金額換算し、エネルギー削減量の効果に上乗せして投資効果を評価するなどインセンティブを与えることで、CO2排出量の削減に向けた設備投資のさらなる拡大をめざしています。
HICP制度の導入によって、将来の炭素税負担増加や新たな排出規制などのリスクファクターを設備投資計画の検討段階から取り込み、脱炭素投資への優先度を上げるとともに、将来の気候変動リスクの影響を最小限に抑え、自社のレジリエンス強化につながると考えています。
当初、HICPの炭素価格は、2025年の炭素税や炭素取引価格(ETS*2)を考慮して5,000円/t-CO2としていましたが、2021年8月に、2030年を見据えた炭素税や炭素取引価格を考慮して14,000円/t-CO2へ引き上げました。これにより、将来の炭素税などのリスクに早期対応するとともに、日立のカーボンニュートラルの最優先施策である省エネルギーや再生可能エネルギー設備導入を強力に推し進めていきます。
*1インターナルカーボンプライシング:社内で自主的に投資判断やリスクマネジメントを行うため、炭素発生量または削減炭素量に価格づけを行う仕組み
*2ETS:Emission Trading Schemeの略
日立は、HICP制度を活用して、従来基準では投資に至らなかった案件を、CO2削減効果を金額換算することで追加の投資につなげ、CO2排出量の削減を推進しています。
2023年度データには、2022年度まで連結対象であった自動車部品系会社が日立の連結子会社でなくなったこともあり、採択件数は52件と減少しましたが、投資金額の増加に合わせてCO2削減量も4,302t-CO2と増加しました。
今後も、HICPを推進してCO2排出量の削減につなげていきます。
日立インターナルカーボンプライシング(HICP)制度
HICP実施結果
項目 | 2019年度 | 2020年度*1 | 2021年度*1 | 2022年度*1 | 2023年度 |
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HICP採択件数 | 35 | 22 | 59 | 94 | 52 |
投資金額 [M(JPY)] |
260 | 250 | 1,464 | 1,185 | 2,234 |
CO2削減量 [t-CO2] |
1,356 | 447 | 1,230 | 2,519 | 4,302 |
*12020年度から連結対象となったエネルギー系会社分は含まず
Note:2021年8月以降、設定炭素価格を\5,000/t-CO2から\14,000/t-CO2へと引き上げています
活動・実績
日立は「2024環境行動計画」で、事業所(ファクトリー・オフィス)のCO2総量削減率を目標に設定しています。
2023年度は、CO2総量削減率35%(基準年度2010年度)の目標に対して、実績は74%削減となり、目標を大幅に達成しました。2023年度の実績が大幅に向上したのは、2022年度まで連結対象であった自動車部品系会社が日立の連結子会社でなくなり、同社の数値を集計対象から外したこと、および高効率機器の導入・更新による設備効率の向上や、再生可能エネルギー設備の導入、非化石電力の調達といった取り組みによるものです。
2024 環境行動計画 管理値 CO2総量削減率(日立グループ)
Note:電力CO2排出係数は、日本については地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく電力事業者別の調整後排出係数、中国については政府が公開した地域電力網の平均排出係数、その他についてはIEAの国別排出係数の各年度における最新値または電力供給会社が提供する最新の係数を使用しています
Note:環境行動計画の管理値には2010年度(基準年度)、2023年度とも自社の発電所分を含みません
Note:2024 環境行動計画 管理値においてのみ、中和クレジット償却分15.7kt-CO2を控除しています。第三者保証対象数値については、中和クレジット償却分を控除していません
*1組織から排出されたCO2量(Scope 1およびScope 2)
CO2排出量の推移(日立グループ:ファクトリー・オフィス・発電所)
*12023年度のエネルギー由来のCO2排出量は、Scope 1で339kt-CO2、Scope 2(マーケット基準)で279kt-CO2
*22023年度は、自動車部品系会社の非連結化に伴い減少しました
*3CO2排出量は2022年度まではA区分のみ、2023年度はA・B・C(C区分は非製造除く)区分で開示しています
*42023年度はグラフ内の数値に非エネルギー起源の温室効果ガス(kt-CO2e)を含めています
活動・実績
日立はCO2排出量を削減するために、自社の敷地内における再生可能エネルギー発電設備の導入を進めるとともに、敷地外に新設された再生可能エネルギー設備によってつくられる電力の調達も積極的に推進しています。さらに、コーポレートPPAの導入拡大を通じて、化石燃料由来電力から再生可能エネルギー由来の電力への置き換えも加速させています。
なお、導入する再生可能エネルギー由来の電力は、GHGプロトコルのスタンダードに基づくものを使用していきます。
2023年度は、再生可能エネルギー由来の電力導入量は、769GWhとなりました。
これは、目標管理対象範囲の電力使用量の56%となり、前年度の24%から大幅に増加しました。
欧州、北米、中国、アジア、日本などの58サイトでは、使用する電力の100%を再生可能エネルギー由来の電力で賄いました。そのうち18サイトは、さらに徹底した省エネルギーや中和クレジットの購入によって、カーボンニュートラルを達成しています。
また、日立エナジーでは、自社内で使用する電力の100%を非化石燃料由来の電力で賄うなど積極的に脱炭素化に継続して取り組んでいるとともに、日立産機システムでは、主要工場でのエネルギー起源由来のScope1およびScope2のCO2排出量を直接的、間接的に削減してカーボンニュートラルを達成しました。
再生可能エネルギー由来の電力を100%導入した事業所
国・地域 | 再生可能エネルギー由来電力100%導入サイト | |
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カーボンニュートラル | ||
欧州 | 18サイト | 2サイト(日立エナジーグループ) |
北米 | 9サイト | 1サイト(日立産機グループ) |
中国 | 6サイト | 2サイト(日立産機グループ) |
日本 | 10サイト | 4サイト(日立ハイテクグループ) 6サイト(日立産機グループ) |
アジア(中国・日本を除く) | 8サイト | 2サイト(日立エナジーグループ) 1サイト(日立産機グループ) |
その他の地域 | 7サイト | — |
合計 | 58サイト | 18サイト |
活動・実績
日立は、2050年バリューチェーン全体のカーボンニュートラル達成に向け、購入した製品・サービス(Scope 3 カテゴリー1)における排出量の削減にも取り組んでいます。
2023年度は、Scope
3カテゴリー1の排出量上位の調達パートナーや日立の事業活動においても重要な調達パートナーの中から約100社を選定しました。当該パートナーの削減計画を入手し、その内容を分析することで日立のバリューチェーン上流におけるCO2削減量の把握を進めています。
活動・実績
日立は、事業所(ファクトリー・オフィス)でのエネルギー削減と併せて、製品輸送時のエネルギー削減にも努めています。ビジネスユニット(BU)、グループ会社ごとに輸送エネルギーの原単位改善率を目標に反映させており、日本国内を対象とし、日本以外については任意目標としています。
また、各事業所ではモーダルシフトによる高効率輸送手段の推進、トラックへの積載率向上など輸送エネルギーの削減に努めるとともに、自社で使用する車両のエコカーへの切り替えも進めています。
2023年度は削減施策として、製品輸送の積載効率の向上、共同輸送の活用および輸送車両の適正化を重点的に実施しました。自動車部品系会社の非連結化に伴い、日本国内の輸送におけるCO2排出量は17.8.kt-CO2となり、2022年度より9.1kt-CO2の減少となりました。
考え方・方針
日立は、2050年度カーボンニュートラル達成に向けた取り組みの一環として、業務用車両の電動化準備を進めています。しかし、企業の電動車両導入においては、電動車両の選択肢が限られていることや充電インフラ整備が進んでいないことなど、さまざまな課題が存在しています。
そのため日立は、独自のフリートマネジメント計画に基づいて、各BU/グループ会社の業務用車両電動化へ向けた準備を着実に進めています。具体的には、BPO*1やAIドライブレコーダー*2を活用して車両の稼働状況を見える化し、その後収集した走行データの分析やCO2排出量のモニタリングなどを実施しています。その分析結果やモニタリング結果をもとに、既存車両のCO2排出量削減アクションを実施するとともに、順次電動車両への置き換えを推進し、業務用車両のCO2排出量を削減していきます。
*1BPO:Business process outsourcing の略。企業活動における業務プロセスの一部を一括して専門業者に外部委託すること
*2AIドライブレコーダー:録画された運転中の映像をAIが分析し、危険運転の兆候やドライバーのクセを可視化するサービス
日立フリートマネジメント
車両見える化 | BPOを活用した車両管理の一元化 |
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AIドライブレコーダーによる車両稼働状況の把握 |
車両データ分析 | 車両稼働状況および走行ルートの分析 |
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ドライバー運転傾向の分析 | |
電動化率およびCO2排出量の継続モニタリング |
CO2排出量削減に向けたアクション | 車両稼働状況に基づく、保有台数の適正化 |
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急発進・急ブレーキ抑制によるエコドライブ推進 | |
排出量見える化によるCO2削減意識の醸成 | |
業務への影響を考慮した順次車両電動化 |
2023年度は削減施策として、車両管理一元化を可能にするBPO活用と車両稼働状況把握のためのAIドライブレコーダーの搭載を重点的に実施しました。すでに、日本国内の業務用車両の60%に導入しており、今後80%まで引き上げていく取り組みを進めていきます。
Note:日立では、調達先(いわゆるサプライヤー、ベンダー、プロバイダーなど)を「対等な立場で一緒にビジネスをつくり上げるパートナー」に位置づけており、「調達パートナー」と表現しています