環境
考え方・方針
戦略・目標
日立は、世界で深刻化する環境課題の動向と自らの経営方針を踏まえ、長期視点でめざす社会の姿を明確にした「環境ビジョン」を定めています。この実現に向け、「脱炭素社会」「高度循環社会」「自然共生社会」の構築を掲げた環境長期目標「日立環境イノベーション2050」を策定し、推進しています。
「脱炭素社会」の実現に向けて、日立はパリ協定とその後の国際社会の議論を踏まえ、世界の平均気温上昇を産業革命以前と比較して1.5℃に抑えるための目標を策定しています。事業所(ファクトリー・オフィス)において2030年度までにカーボンニュートラル達成、バリューチェーンを通じて2050年度までにカーボンニュートラル達成という目標を掲げ、取り組みを推進しています。
「高度循環社会」の実現に向けては、持続可能な社会の実現をめざすため「サーキュラーエコノミー」への移行を念頭に、日立が使用する水・資源の利用効率を2050年度までに50%改善(2010年度比)することをめざしています。
「自然共生社会」の実現に向けては、2022年12月に開催された「生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)」や、「自然関連財務情報開示タスクフォース(TNFD)」といった国際的なイニシアティブの動向を注視しながら、自然資本へのインパクトを最小化するための取り組みを進めています。
この環境長期目標の達成を含む環境活動は、3年ごとの短期的なアクションプランである「環境行動計画」で定め、日立グループ全社で取り組んでいます。
環境ビジョンと環境長期目標「日立環境イノベーション2050」
活動・実績
「日立環境イノベーション2050」を達成するための主な目標の進捗は以下の通りです。概ね予定どおりに進捗していますが、目標の達成に向けて、さらに環境活動を強化していきます。脱炭素社会をめざすバリューチェーンの長期目標に対しては、トップレベルの製品の提供を通じて、CO2排出量削減につながる活動を展開していきます。
CO2排出量削減(事業所(ファクトリー・オフィス))
2023年度(目標) | 2023年度(実績) | 2030年度(目標) | 2050年度(目標) | |
---|---|---|---|---|
CO2総量削減率(2010年度比) | 35% | 74% | カーボンニュートラル | カーボンニュートラル |
資源利用効率改善(事業所(ファクトリー・オフィス))
2023年度(目標) | 2023年度(実績) | 2030年度(目標) | 2050年度(目標) | |
---|---|---|---|---|
廃棄物有価物発生量原単位改善率 (日立グループ内2010年度比) |
17% | 15% | ― | 50%改善 |
水利用効率改善(事業所(ファクトリー・オフィス))
2023年度(目標) | 2023年度(実績) | 2030年度(目標) | 2050年度(目標) | |
---|---|---|---|---|
水使用量原単位改善率 (日立グループ内2010年度比) |
23% | 30% | ― | 50%改善 |
考え方・方針
日立は、社会イノベーション事業を通じて地球規模の環境課題解決をリードし、地球環境の保全とQuality of Life(QoL)が両立する持続可能な社会の実現に貢献します。
このビジョンを実現するため、日立は2つの柱からなるグリーン戦略を進めています。1つ目の柱である“GX for CORE”では、日立グループ自身のグリーントランスフォーメーションを加速します。
2つ目の柱である“GX for GROWTH”では、革新的なソリューションを提供し、お客さまや社会全体のグリーントランスフォーメーションを力強く後押しします。
GX for COREとGX for GROWTHの両輪を推進することで、日立はソリューションを創出・高度化し、提供する環境価値を継続的に高めていきます。グリーン戦略の着実な実行を通じて、脱炭素社会、高度循環社会、自然共生社会の実現を加速し、人々が安心して暮らせる持続可能な未来を切り拓いていきます。
日立のグリーン戦略
考え方・方針
日立は、「環境ビジョン」と環境長期目標「日立環境イノベーション2050」の実現に向けて、中期経営計画の期間に合わせ、3年間の指標と目標を設定した「環境行動計画」を策定し、環境活動を着実に進めています。
日立は、2024中期経営計画の策定に合わせて設定した「2024環境行動計画」(2022–2024年度)のもと、環境活動に取り組んでいます。2023年度に設定した目標と実績は以下の通りです。
環境長期目標を実現するために、3年ごとに環境活動項目と目標を設定
環境マネジメント
項目 | 指標 | 2023年度 目標 |
2023年度 (達成状況) |
2024年度目標 (最終年度) |
|
---|---|---|---|---|---|
環境人財育成 | 環境人財育成の推進 | 環境人財育成の推進 | 世代など人員構成の変化を考慮した環境人財の育成 |
脱炭素社会
◆◆◆:達成、◆◆:一部達成
項目 | 指標 | 2023年度 目標 |
2023年度 (達成状況) |
2024年度目標 (最終年度) |
|
---|---|---|---|---|---|
ファクトリー・オフィス | CO2総量削減 | CO2総量削減率*1 (2010年度比) |
35% | 74% ◆◆◆ |
50% |
輸送原単位改善(日本) | 輸送エネルギー原単位改善率(日本)*2 (2020年度比) |
3% | 30% ◆◆◆ |
4% | |
製品・サービス | 製品・サービスのCO2排出量削減 | CO2排出量原単位削減率 (2010年度比) |
13% | 24% ◆◆◆ |
14% |
CO2排出削減貢献量 |
目標:CO2排出削減貢献量1億トン/年(2024年度) 見通し:CO2排出削減貢献量1億5,260万トン/年*3 |
||||
エコデザイン推進 | 新規開発設計製品の環境配慮設計アセスメント、LCA適用率 |
目標:新規開発製品のエコデザイン適用100%(2024年度) 2023年度実績:198製品をエコデザイン適用対象として特定 |
高度循環社会
◆◆◆:達成、◆◆:一部達成
項目 | 指標 | 2023年度 目標 |
2023年度 (達成状況) |
2024年度目標 (最終年度) |
|
---|---|---|---|---|---|
製品・サービス | エコデザイン推進 | 新規開発設計製品の環境配慮設計アセスメント、LCA適用率 |
目標:新規開発製品のエコデザイン適用100%(2024年度) 2023年度実績:198製品をエコデザイン適用対象として特定 |
||
ファクトリー・オフィス | 資源利用効率の改善 | 埋立廃棄物ゼロ達成事業所数*4 | 124 | 146事業所 ◆◆◆ |
158 |
廃棄物有価物発生量原単位改善率 (2010年度比) |
17% | 15% ◆◆ |
20% | ||
水使用量原単位改善率 (2010年度比) |
23% | 30% ◆◆◆ |
24% | ||
プラスチック廃棄物の有効利用率 | 81% | 96% ◆◆◆ |
85% | ||
水リスク | 水リスクへの対応 | 水リスクへの対応 | 水リスクに係わる事業影響の最小化 |
自然共生社会
◆◆◆:達成、◆◆:一部達成
項目 | 指標 | 2023年度 目標 |
2023年度 (達成状況) |
2024年度目標 (最終年度) |
||
---|---|---|---|---|---|---|
水リスク | 水リスクへの対応 | 水リスクへの対応 | 水リスクに係わる事業影響の最小化 | |||
化学物質 | 化学物質排出量の削減 | 化学物質大気排出量原単位改善率 (2010年度比) |
6% | 22% ◆◆◆ |
8% | |
生態系保全 | 自然資本へのインパクト | 負のインパクト算出(BU・グループ会社単位でのLCA実施)/正のインパクト算出(森林保全活動) |
*1自社で消費したエネルギーによるCO2排出量削減の指標
*2日本国内の目標であり、日本以外については任意目標
*33年平均値
*4規制や条件に適合している場合の取り組み。0.5%未満