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Hitachi

【事例】株式会社日立製作所

32か国400社(612拠点)に導入した
グローバル財務会計システムを統合し、一斉稼働を実現

〔3〕グローバル財務会計システムを統合し一斉稼働を実現

図1:取り組みを支える具体的な施策
図1:取り組みを支える具体的な施策

2013年までに32か国400社に導入したグローバル財務会計システム「hi-Fronts」は、2015年4月にグローバル統合し、新しいグローバル財務会計システム「hi-Fronts G」として一斉に稼働を開始しました。勘定科目の体系をすべてIFRS基準で統一したうえで、SAP ERPの複数元帳(New-GL)に切り替えています(図1)。

図1:取り組みを支える具体的な施策
図1:取り組みを支える具体的な施策

リスクの高い「一斉切り替え」を選んだ理由について、渡邉氏は「2015年4月を境にグループ全体でIFRS基準に切り替える大方針があったためです」と説明します。それでも実施に至るまでには、2014年7月にシンガポールと中国、10月に日本でパイロット稼働させた後、全地域の四半期決算データを2度にわたり新しいグローバル財務会計システム「hi-Fronts G」に取り込み、四半期決算のリハーサルを実施して正常な数値が出力されるかどうかを確認しています。「400社分の既存データを移行してチェックする作業には大きな労力を要しましたが、新システムへのデータ移行ツールを作って万全を期しました」(和田氏)

さらに、移行後のシステム活用をスムーズにするため一定のトレーニング期間を設けたことに加え、ワークショップを通じた情報共有やエンドユーザーの理解度テストなどを随時実施しながら、システムの浸透を図ったといいます。まさに、グローバル統合は一朝一夕に実現できたわけではなく、そこに至るまでの各国・地域の単位での展開を通じて蓄積した数多くの実績と経験知、事前準備により、一斉稼働時は大きなトラブルもなく、順調な滑り出しを迎えました。

32か国400社という大規模な統合となった今回のプロジェクトの成功要因は、トップダウンで意思統一を図ったことが大きいと和田氏は語ります。「CFOがIFRSへの移行を掲げていたこともあり、財務部門とIT部門が一体になって進めていこうという土壌が生まれました」(和田氏)

また、グローバル統合以前の海外展開に際して培った「地域軸」と、日立グループの「事業セグメント軸」を組み合わせてバランスを取りながら進めたことも功を奏しました。「以前の財務会計システムは、地域統括本社が中心となり地域軸にて展開していましたが、今回の一斉稼働プロジェクトでは事業セグメントという新たな軸を併用、つまり地域統括本社のサポートと親会社のガバナンスをあわせて実践することによって、大方針である2015年4月の一斉稼働を順守することができました」(小林)

特記事項

  • 本事例中に記載の内容は2016年7月掲載当時のものであり、変更されている可能性もあります。詳細はお問い合わせください。
  • 本事例は日立製作所での事例であり、全てのお客さまについて同様の効果を実現することが可能なわけではありません。
  • 記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標もしくは登録商標です。
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