グローバル展開の効果について荒川氏は「さまざまなデータの精度とスピードが大幅に上がりました」と断言します。「これまで海外拠点から上がってくる在庫や売上、原価などの数字はExcel®ベースで、国や担当者ごとに算出方法が異なったり、月遅れで提出されるものがあったりするなど、同じ基準で比較するのが困難でした。しかし基幹システムが統一された今は、国内外ともすべての実績データが自動的かつタイムリーに集約でき、損益構造、原価計算構造などを同じ視点で見ることができます。このためIFRS対応はもちろんのこと、正確な売上予実比較などで現地責任者や関連事業部の経営判断が非常に行いやすくなったと好評です」と荒川氏は続けます。
現在はグローバルで共有されたデータをBI*2システムと連携させ、よりスピーディな経営判断や新事業の創出に生かしていく計画が進行しています。最後に荒川氏は、「今回のプロジェクトが成功した要因の1つは、日立さん側担当者の人柄と熱意に頼れる部分が大きかったこともあります。パートナーを選ぶ重要性を実感しました」と笑顔で語ってくださいました。その信頼と期待を励みに、これからも日立は付加価値の高いソリューションとサービスでクレハのグローバル展開を力強く支えていきます。