構築パートナーに選ばれた日立は、プロジェクトマネージャーに小売業を中心とした多くの受発注/物流システム開発を行ってきた技術者を配し、グループ企業である株式会社日立コンサルティングとともに、関係各社が一体となって収益向上に取り組める環境の構想策定に着手。小売業に対する総合的かつ豊富な経験に基づき、これまでテナント間で不統一だったシステム端末や商品コードをはじめとする各種コード類の共通化による業務精度と効率性の向上、売上の日別・時間帯別・商品分類別・商品別などさまざまな分析によるテナントとの売上情報共有化、EDI*2による卸サービスの提供などを柱にした要件定義を進めました。そしてシステム開発のスピード化を図るため、株式会社日立システムズが提供している小売業向け販売管理システム「Hi-CoreRetails」(現パッケージ名:FutureStage 専門店向け本部店舗システム[詳しくは「日立システムズ」サイトへ])をベースに、業務要件に合わせたカスタマイズを施し、実質9か月という短期間で「新営業システム TOMS」を構築。各種クレジットや電子マネーサービスとの連携、テナントへの導入教育なども日立がNEXCO西日本SHDと協力して対応し、2012年4月より展開を開始し、2013年2月までに21店舗での稼働をスタート。3月以降、本格的に他の店舗へも展開を進める予定です。
TOMSでは主要なアプリケーションがすべて本部側(NEXCO西日本SHD)で稼働し、テナント側ではPOSレジ以外の業務が専用端末上でWeb化されています。このため各テナントは個別にサーバを設置する必要がなく、システム開発や導入コストなどの負担が軽減されました。構築されたTOMSシステムのサーバは、堅ろう性とセキュリティ性に優れた日立のデータセンターに設置され、システム運用・保守も日立にアウトソーシングされたため、運用負荷のみならず、災害やシステムトラブルによる業務停止のリスクも最少化。システムの安定稼働と事業継続性が大幅に向上したのです。
「新営業システムTOMS」のシステム概要図
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