住友化学株式会社
レスポンシブル ケア室
環境・安全
主席部員
岡嶋 理津 氏
住友化学株式会社
レスポンシブル ケア室
化学品安全担当
主席部員 工学博士
木村 雅晴 氏
2009年1月、化学品総合管理システム「SuCCESS」が稼働を開始。同社が蓄積してきた膨大な化学品情報を一元管理すると同時に、開発・製造・販売・使用・廃棄といったライフサイクルの各段階を想定したリスク評価・管理をこれまで以上に効果的・効率的に実施することが可能になったのです。
ユーザーは社員全員です。必要な情報は、誰でもスピーディに検索できます。
「以前は、製品の安全性や法規制情報に関する問い合わせがあると、社内で、物質と法律の両方に詳しい人を探して、情報を確認しなければなりませんでした。今では、法律名を指定して、その法律にかかわる物質一覧の抽出も迅速にできますので、誰でも正しく説明責任を果たすことができます」とレスポンシブル ケア室 環境・安全 主席部員の岡嶋 理津氏は評価します。
組成情報をリンクさせて扱えるようになったのも、大きな特長です。多段階での組成検索ができ、出荷製品への含有・不含有だけでなく、製造過程での使用・不使用も追跡できます。
「化学品管理は、考え方そのものが大きく変わってきています。化学物質固有の有害性に基づくハザードベースの規制から、その化学物質が使用される状況も考慮して評価する、より実際的なリスクベースの管理へというのが、変化のポイント。新システムによる効率的な情報管理体制を構築したことで、法規制への迅速な対応が可能になった。大きな変化の下で、日本の先駆けとしてこのような体制ができた意義は大きい」とレスポンシブル ケア室 化学品安全担当 主席部員 工学博士の木村 雅晴氏は語ります。
社員の意識変革も進みました。化学品管理とは、何をどこまで管理すべきなのか、全社標準ができたうえに、化学品情報を活用するノウハウも社内で共有・伝承されつつあります。
「化学物質管理に関する社内教育もやり直しているところです。化学物質に関する情報を活用するノウハウは、化学メーカーに不可欠な技術力のひとつであり、活用できる人材を育てれば、住友化学の明日の競争力の源泉になるでしょう」(塩崎氏)。
SAP EHS Managementをベースに化学品のトレーサビリティを全社規模で確立した住友化学の取り組みは、日本の産業界全体から、熱い視線で注目されています。
住友化学(株)化学品総合管理システム「SuCCESS」の概要
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今回の化学品総合管理システム構築は、「SAP AWARD OF EXCELLENCE 2009」のプロジェクト・アワード部門で、高い技術力と日本におけるSAP EHS Managementの導入実現性を示したプロジェクト推進力が評価され優秀賞を受賞。