住友化学株式会社
執行役員
レスポンシブル ケア室担当
塩崎 保美 氏
「住友化学は、銅山で精錬の際に生じる排ガスの中から、有害なガスを除去し、それを原料に肥料を製造したのが始まりです。創業以来、環境への配慮や安全性の管理には並々ならぬ力を注いできました」と執行役員 レスポンシブル ケア室担当の塩崎 保美氏は語ります。
近年、化学品を適正に管理する重要性が世界的に叫ばれ、規制も年々強化されています。2002年にヨハネスブルグで開催された「持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)」では、2020年までに化学物質の悪影響を最小化することをめざすという目標が打ち出されました。
住友化学は、1995年という早い段階で、専門組織「レスポンシブル ケア室(RC室)」を設置。製品の全ライフサイクルにわたって「安全・環境・健康・品質」を確保し、対話を通じて、社会からの信頼を深めていくRC活動を本格的にスタートさせました。その活動の中で、化学品情報をさまざまな角度から管理しながら、独自の化学品情報管理システムを構築してきた経緯があります。
「長年の積み重ねで、化学品情報の量と質は充実していましたが、部署単位や利用目的ごとにデータベースを構築してきたため、一元的な情報活用ができないのが課題でした」(塩崎氏)。
出荷製品に添付するMSDSや、各種ラベルの発行情報、製造工程での安全性情報、官公庁へ提出する報告書、研究所が扱う最先端の物理化学情報など、データベースはそれぞれ個別に構築されていました。
必要なときに、必要な人が、必要な情報をスピーディに活用できるようにデータベースの一元化を行うため、2005年、化学品総合管理システム構築プロジェクトがスタートしました。