グローバル
社会イノベーション事業の拡大とデジタル経営の実現に貢献するため、日立グループ共通の「デジタル経営基盤」を構築し、「成長のための情報提供」と「会社規模やポートフォリオが拡大してもコストが増大しない仕組み」を実現します。
グローバルエリア5拠点のIT部門は、各拠点の地域特性やビジネス戦略に適したさまざまな施策を通して、当該地域における事業運営の円滑化・効率化に貢献しています。
日立アメリカ社のIT部門は、地域の成長戦略への貢献、ソリューション革新の加速、企業変革の推進、ビジネスをサポートする効率的なIT・OTおよびDX※1サービスの構築、新しいプライベートAI※2クラウド基盤構築によるIT拡張、AIデジタルプラットフォームの構築、地域のお客さまへのインサイトサービス、ITサイバーセキュリティの強化に重点を置いています。また、外部の攻撃からビジネスや顧客を守るため、標準化、統一化、定量化された情報セキュリティとリスク管理の手法を採用し、リスクへの安全性を保証した管理サービスを提供しています。
2023年は、日立アメリカ社にとって特別な年となりました。米州全域の共有サービスとして提供されるIoT※3、AI/ML※4 、生成AIサービスを活用した予知保全に焦点を当てた新たなAI/DXサービスを拡大し、自動化とローコードの活用によるIT運用効率の改善を実現しました。
サービスの拡充に加え、コーポレートIT部門との緊密な連携を確立しました。グローバルの営業、マーケティング部門のITコストを削減するCRM※5基盤を共同で推進しています。また、新しいビジネスのインキュベーション活動や将来の革新的な技術について、米国の研究開発チームやBU※6と連携しています。
2023年には、欧州全体でシェアードITサービスが大きく成長し、ITコストが削減され、クラウドホスティングプラットフォームやアプリケーションの共有により、連携・協力体制が向上しました。
私たちのサービス拡大は、コーポレートIT部門と欧州地域の緊密な連携によって可能になりました。2023年では、2つの重要なプロジェクトを立ち上げ、施策を遂行しました。1つは、安全なAzureクラウドサービスの提供を実現するパブリッククラウドサービスの確立であり、もう1つは、既存のSAPインスタンスを新しい日立テンプレートのS/4HANAソリューションに置き換えた共有ERP※7プラットフォームの構築です。
欧州のIT部門は、グローバルなアプリケーションサポート機能を構築するために拡大され、ビジネスのニーズに応えるために引き続き強化していきます。
中国では、日立事業のさまざまなニーズを効率的にIT視点でサポートするために、中国デジタル三法順守、中国固有のIT環境やビジネスプロセス基準への対応に挑んでいます。
中国デジタル三法については、データ越境制限への対応に注力しました。中国の全ての日立グループ会社が個人情報保護影響評価(PIA)を完了し、コンプライアンス要件を満たすことでビジネスリスクを軽減しました。
また、情報セキュリティやITサービスにおいては、本社のゼロトラストセキュリティアーキテクチャーポリシーに準拠するため、グローバルサービスと地域サービスの補完的なアプローチを取り入れています。これにより、地域固有のIT環境に対応しつつ、グループ全体の情報セキュリティレベルを向上させています。
私たちは、この特殊な環境により適切に対応するために最善を尽くし、中国の地域ビジネスだけでなく、グローバルな共通ビジネスオペレーションにも貢献する価値あるソリューションを提供することをめざしていきます。
日立アジア社IT部門は、APAC地域においてBU/グループ会社がともに成長していくための戦略的パートナーとなることをめざしています。私たちの主な役割の一つは、ビジネスの機会をさらに創出できる機能を強化することですが、同時に情報セキュリティ分野におけるITリスクマネジメントをサポートすることも重要です。
日立アジア社IT部門は、日立グループの競争力を強化するために、業務効率を向上させる新しい技術を用いた生成AIやクラウドベースのソリューションを推進する変革の取り組みをリードし続けています。重点分野は、業務効率の向上、顧客関係の強化、サポートサービスの提供レベルの向上です。
日立のグローバルIT施策とAPAC地域での成長の機会を活用し、日立アジア社IT部門は、地域レベルだけでなく、グローバルに日立グループと協力し、「One Hitachi」を推進するための価値創造型のITパートナーになりたいと考えています。
日立インド社は、90年以上にわたるパートナーシップの発展により、インド地域における事業基盤を大きく拡大してきました。現在、28社を超えるグループ会社が多様かつダイナミックな事業を展開しています。日立インド社のIT部門は、インドにおける日立グループ各社のビジネスの特性やニーズに合ったグローバル標準のITサービスとローカルなITソリューションを提供しています。また、全従業員を対象に定期的にセキュリティ教育を実施し、成熟度評価を実施することで、現在のセキュリティ意識レベルを効果的に把握し、体系化された改善計画を提案しています。
インド政府はデジタル個人データ保護法を導入しました。事前対策として、各社のデータ保護マネジメントの取り組みを支援するための情報共有をすでに始めています。2024年度からは、統合ITサービスのグローバルオペレーションを担当し、全ての地域での24時間サポートを実現していきます。
これらの取り組みやサポートが、業務効率の向上や日立グループ事業への貢献につながり、セキュアなITプラットフォームの構築に役立つことを期待しています。