SAP®のクラウド上で″ERP on SAP HANA®″を稼働
2つの「国内初」を実現した総合機械メーカー
〔3〕開発/テスト環境にAWSを併用しクラウド上への導入を実現
インフラにはSAPのクラウドサービスSAP HANA Enterprise Cloud(以下、HEC)を採用しています。このサービスもプロジェクト当初、国内での導入例はありませんでしたが、システム拡張の柔軟性を重視したといいます。
「SAP HANAベースのERP導入にあたり、難しいのはインフラのサイジングでした。そこで、柔軟に拡張が可能なクラウドに着目し、SAPシステムとの親和性やセキュリティを考慮して選択しました」(大越氏)
当初はドイツで運用するHEC上にテスト環境を構築し、評価を行いました。プロジェクト開始後に、日本の運用環境に切り替え、現在は3ランドスケープ(開発、結合/統合テスト、本番環境)で利用しています。
一方で、要件定義の段階からアマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)上に試験環境を構築し、簡易的なテストをAWS上で行っています。リソースの調達が容易で、環境がすぐに用意できるため、動作検証やアドオン開発の単体テストに利用し、スムーズに開発を進めることができたといいます。
システム稼働後の現在も、簡単な検証およびバックアップ環境としてAWSを利用しています。本番環境に影響を与えることなくシステム改変やパッチ適用の検証を行えるため、運用上のメリットは大きいものです。
「HECとAWSそれぞれのクラウドサービス上での開発、テスト、評価にも日立のベーシスチームから支援を受け、各種ドキュメント類を整備してもらうことで、継続的に運用できる体制を残すことができました」(大越氏)