日立のハードウェア/ソフトウェア製品をご利用のお客さまに、お客さま視点の親身なサポートをご提供する日立のサポートサービス。100名以上の製品技術専門スタッフがお客さまシステムの障害復旧支援、技術的な問題解決支援などに携わっています。こうした技術的な対応をしているサポートスタッフの他に、より良いサポートサービスへ改善するためにサポートサービスに関するご意見・ご要望をお客さまから伺っている専門スタッフがいます。このサポートスタッフが、カスタマーサービス部サポートサービス満足度調査担当チームです。
カスタマーサービス部では,日立の製品開発部門やサポートサービスの運用・企画部門と連携し、2000年度から窓口満足度調査を実施しています。お問い合わせ窓口では1ヶ月に1万件以上のお問い合わせに対応していますが、その中から毎月約300件を抽出し、お客さまへ電話アンケート方式で調査をしています。
調査は、お問い合わせ窓口をご利用いただき、問題が解決した案件の中から統計学的手法により一部を抽出し、サポートサービスをご利用いただいた結果の満足度を5段階で評価していただくというものです。必要に応じてサポートサービスでご提供したサポートの内容に関するご意見やご要望などのコメントも伺います。窓口満足度調査で得られた回答は、評価を集計したものと、お客さまから寄せられたコメントをまとめ、月次で開催される定例会でサービス運用部門や製品開発部門に報告されます。
小林 久美子
小林:週に数回、ソフトウェアのサポートや開発を担当している事業部と相談して、窓口満足度調査にご協力をお願いするお客さま候補を抽出しています。基本的には無作為で抽出しますが、直近に窓口満足度調査にご協力いただいたお客さま、過去に窓口満足度調査をお断りいただいたお客さまは除いています。製品によって調査結果にバラつきがないように注意していますが、製品事業部の要望により、特定の製品に関するサポートサービスの満足度調査を重点的に実施することもあります。
抽出したお客さまは、担当チームの3名に振り分けます。お客さまの情報は、サポートサービスを担当したエンジニアが内容を入力する「問題管理システム」をWeb上で確認します。そのお客さま宛てに電話をかけ、10〜12問の項目をご質問します。お客さまには出来る限りご迷惑をおかけしないように、おおよそ5分以内に収めることを目標にしています。
電話の最中と電話の後には、お客さまから寄せられたコメントをまとめます。こうした仕事を、毎日1人当たり20件ほど行っています。
このほかに、問題管理システムに入力された情報を基に、どんなお問い合わせがあってどういう回答をしたかという内容から製品分析を行い、それをレポートとしてまとめる仕事もあります。
小林:お客さまのご担当者はお忙しいSEの方が多いので、なるべく分かりやすく説明して、質問内容を聞き返されることのないように心掛けています。また、ほとんどの皆さんは製品やコンピュータ関連技術に詳しい方々ですから、製品に関する技術的なお話や、専門用語でお話しいただいた場合には、理解に戸惑ってしまう場合がありますが、製品に関する知識は、お客さま向けに公開されているサポートサービスの情報提供Webページなどを閲覧して少しでも理解出来るようになるよう心がけています。
中沢 麻衣子
中沢:以前はサポートサービスの対応へのご不満について、お客さまに強い口調でお叱りを受けてしまうことがときどきありました。けれども最近は、そういった事も少なくなったと感じています。これもお客さまからいただいたさまざまなご要望を反映することによって、サポートサービスの品質が向上している結果だと思います。
森田 真由
森田:やはり製品については、それほど詳しい内容を知りませんから、お話を伺っているときに自分自身であまり理解できていないな、ちょっと難しいなと感じることがあります。それから、口語でお話いただいたコメントをレポートとして文章化するときの難しさがあります。
小林:お客さまの中には、日立の製品やサポートサービスに言いたいことがあっても、話す機会がないと仰る方がいます。そこで、いろいろなご意見やクレームをいただきますが、その内容を担当部署に展開しますとお答えすると、良かったと言っていただけることがあります。他社と比較して日立の良さを褒めていただくときも、やりがいを感じます。
中沢:最近は本当に良いコメントをいただくことが多いです。日立の担当エンジニアの実名を挙げて、この人はすごくよかったというようなコメントをいただくこともあります。具体的にいただいたコメントの中には実現が難しいものもあるでしょうが、製品やサービスの改善にとって役立つようなコメントをいただいたときには、とてもありがたく思います。
森田:以前はこうだったのだけれど、最近は良くなりましたね、というコメントをいただいたときは、良かったと思います。やはり満足度調査と、その調査結果が活かされているのでしょう。
お客さまのご意見をサポートの現場にフィードバック カスタマーサービス部」は、「directions SUMMER/2011 No.41」に掲載したものです。