学習、推論、判断といった人間の脳が行う知的な作業をコンピューターで実現したソフトウェアやシステム。人工知能の応用例として、将棋やチェスでの対戦、人間が日常的に使う言語(自然言語)の翻訳システム、画像から顔や文字を認識する画像認識システムなどがある。また、人工知能をロボットに搭載した対話型ロボットや、無人で走行する自動運転車なども研究開発されている。
人工知能の研究は1950年代に始まった。1970年代には、専門家が持つ知識をコンピューターに蓄積し、コンピューターが問題解決を行うエキスパートシステムがブームとなった。当時の学習手法は、「コンピューターに規則を学習させ、それに基づいて論理的に解を求めさせる」という手法だったため、学習した限られた範囲でしか解を出せないという限界があった。
近年では、脳の神経回路の仕組みを取り入れたDeep Learningと呼ばれる学習の手法が注目されている。この手法は、人間の脳と同様に、正しい答えを出した回路が強化される設計になっている。コンピューターに入力した学習用のデータに対して、コンピューターが自ら特徴を学習することで、未知のパターンに対しても判断ができる。この手法を応用することで、画像や動画に対する説明文の自動生成や、精度の高い自動翻訳、金融市場・天候・プロスポーツなどのさまざまな分野における予測が可能となる。