高橋 直(Takahashi Nao)
所属 | 千村ネイチャー倶楽部[ボランティア団体] |
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学位 | 博士(社会学)(慶應義塾大学) 臨床心理士 |
里地里山で保全活動を行うボランティア、または里地里山で実施される田植えや稲刈りなどのイベントの参加者を対象に、里地里山のみどりや里地里山での活動が、個人の思考や感情および行動にどのような影響を与えるかをアンケートやITを用いて調査・研究を行っています。
T.都市部ボランティアの里地里山に関するイメージと物理的要因に関する基礎的研究
U.緑の印象評定手法作成のこころみ〜里地里山の「緑のここちよさ」を測る〜
神奈川県秦野市千村で活動する都市部ボランティアが好印象を抱きやすい里地里山の風景とはどのようなものかを心理面と物理面から探りました。
ボランティアに@整然とした竹林の「下草の緑が多い」と「下草の緑が少ない」、A竹を伐採しない荒れた竹林の「下草の緑が多い」と「下草の緑が少ない」の4枚の写真を提示し、「やわらかい かたい」などのSD法(*)を用いて里山のイメージを測定しました。
(*)SD法:セマンティック・ディファレンシャル法。心理学における測定法の一つ。
ボランティアは,@「楽しくあたたかい」「スッキリしている」「さわやかで豊かだ」の好印象と直接結びつく言葉を好んでおり、A精神的な充足感や好印象に関するイメージによって、里地里山の印象を評価しており、その印象は主に写真の緑の割合と関係することがわかりました。
地域緑化や都市計画における緑の配置や量を「ひとつのまとまりとしての空間全体に対して人々が抱く緑の印象をもとに提案するための手法(緑の印象評価手法)」の作成と提案をおこないました。
里地と里山の代表2地点の四季(春夏秋冬)の実際の景色と写真の風景に関する緑の印象を、それぞれの季節に訪れた人を対象に質問紙調査を用いて調べました。
里地
里山
実際の景色と写真の風景の評価で差が見られない「緑の印象評価尺度」を作成しました。また、生き物の里(千村)の空間軸と時間軸の検討をもとに調査対象時期および調査対象地点を総合的に決定する「緑の印象評価手法」を作成しました。