既存のアプリケーション資産を活用した新たなサービス基盤を パブリッククラウド上で迅速・安全に構築する「HiRDB Cloud Service」
俊敏性に優れコスト最適化が図れるパブリッククラウド上に、実績豊富なHiRDB環境を構築し、新たなサービスの迅速な提供と安定稼働を実現。既存のアプリケーション資産をスムーズに活用し、さまざまな領域で進むデジタルトランスフォーメーション(DX)をさらに加速させるマネージド・データベース・サービスの提供を開始しました。
企業活動や行政などさまざまな領域でデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが活性化しています。また、コロナ禍(か)におけるニューノーマル(新常態)のなかで、新たなサービスの迅速な立ち上げや既存サービスのオンライン化に対するニーズがこれまで以上に高まっています。こうしたトレンドに応えるのが、柔軟性と俊敏性に優れ、コスト最適化も図れるパブリッククラウドの活用です。
そこで日立は、ノンストップデータベース「HiRDB」の環境をパブリッククラウド上にスピーディーに構築できる「HiRDB Cloud Service」をリリース。基幹データを活用した新たなサービスの迅速な開発とその安定稼働を実現するマネージド・データベース・サービスです。
本サービスでは、まず第1弾として代表的なパブリッククラウドであるAmazon Web Services(以下、AWS)に対応。HiRDBが保有する基幹業務のデータを活用し、新たなお客さまサービスをAWS上で提供できます(図1)。
図1 「HiRDB Cloud Service」の概要
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HiRDB Cloud Serviceを利用することで、基幹データを活用した新サービスの開発基盤をパブリッククラウド上で迅速に整備できます。例えば、お客さま専用ポータルでの容易な操作でHiRDBの利用経験が浅い担当者でも、AWS上に約10分でHiRDB環境を構築でき、スピーディーな利用開始が可能です。さらに、データ量やシステム負荷に応じたムダのない従量課金で運用コストを最適化できるほか、管理や保守、障害対応などを任せられるマネージドサービスのため、従来のオンプレミス環境に比べて各種コストを削減できます。
また、既存のアプリケーション資産を新たな方法・形態で有効活用できる点もHiRDB Cloud Serviceの大きなメリットです。本サービスは、COBOL*1やC言語、Javaなど多様な開発言語に対応しているため、例えばレガシーなCOBOLアプリケーションをクラウド環境に引き継ぎながら、新規サービスを最新のJavaで効率的に開発する、といったことも可能です。なお、HiRDBは上位互換性を保証しているため、バージョンアップした場合も既存アプリケーションを修正する工数やコストを抑制できます(図2)。
図2 「HiRDB Cloud Service」専用ポータルの機能例
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クラウドコンピューティングはこれまで、主にユーザーと企業を直接つなぐSoE*2分野に適用されてきました。その一方で、基幹業務システムのように企業内部でデータを記録するためのSoR*3分野でもクラウド活用への期待が高まっていますが、システムの安定稼働やサービスの継続性を高いレベルで求められるSoR分野のクラウド活用では、より高度な安全性を確保する必要があります。
そこでHiRDB Cloud Serviceは、ミッションクリティカル分野で豊富な実績を持つHiRDBと日立の高信頼化システム監視機能「HAモニタ」を組み合わせた冗長化構成に対応。現用系と待機系において、ハードウェアやソフトウェアをそれぞれ独立した異なるAWSのアベイラビリティゾーンに配置。HiRDBの障害やスローダウンを検知すると自動的に系を切り替えることでサービスの停止リスクを抑え、安定稼働を支援します。
あわせて本サービスによるクラウド活用の安全性向上に貢献するのが、日立の総合力を生かしたシステム一体のワンストップサポートです。障害発生時も HiRDB環境とAWSにまたがる複合的なトラブルも日立が各製品の技術者やクラウドベンダーと連携しながら対応することで、可及的速やかな障害からの復旧を可能にします。
俊敏性に優れ、コスト最適化を図れるプライベートクラウドのメリットに、日立の高信頼化技術やワンストップサポートによる安全性もプラスするHiRDB Cloud Service。今後はデータのインポートなどに対応したAPIを提供するほか、第1弾のAWSに並ぶ代表的なパブリッククラウドMicrosoft® Azure®にも対応し、さらに、HiRDB環境の構築・運用の自動化機能強化なども図っていく予定です。
ニューノーマルの時代に求められる企業や社会の変革に向けて、DXの果たすべき役割はさらに大きくなりました。これからも日立はお客さまの基幹業務の円滑なクラウド移行を支援するサービスやソリューションを拡充しながら、さらなるDXの実現に貢献していきます。
(株)日立製作所 IoT・クラウドサービス事業部
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