クライアント機器管理のアウトソーシングでテレワーク環境のタイムリーな整備を実現
群馬と東京を中心に地方自治体の情報化を支援している株式会社 ジーシーシー(以下、GCC)は、自社テレワーク環境の導入にあたり、日立の「統合クライアントサービス」を採用。クライアント機器の調達、運用、保守、廃棄にわたる一連の業務を日立にアウトソーシングすることで、経営資源の有効活用と初期導入コストの削減を実現しました。
1965年に設立されたGCCは、都道府県や市区町村といった自治体向け行政システムに特化した独立系情報サービス企業です。住民記録システムや税務情報システム、地方公共団体向けの業務システムなどを開発しており、その実績を生かしたオリジナルの「自治体ERPパッケージシステムe-SUITE」は、幅広い自治体で活用され、高い評価を獲得しています。
GCCでは営業部門からの要請を受け、数年前から社外でのPC活用を検討していましたが、「さまざまな課題が立ちはだかり、なかなか前へ進めなかった」と、技術推進室 次長 神道 泰徳氏は振り返ります。
「営業社員は日報作成のために外出先から帰社することが日課となっており、残業時間の短縮が難しい状況にありました。メールやグループウエアも社外では使えないため、隙間時間にPCを使えるようにできないかという要望が早くから寄せられていたのです。働き方改革の一環としてテレワークの導入も含めいろいろと検討してみましたが、端末の盗難や紛失のリスク、セキュリティの担保、管理業務が増えることなどへの懸念から、決断できない状態が続いていたのです」と神道氏は続けます。
これまでGCCでは各事業部門が現場へのPC支給と管理をしてきましたが、各事業部門もコア業務が多忙な状況であることから、どうにか現場の管理業務負担を抑えたPC導入が行えないかといった点も課題になっていたのです。
株式会社 ジーシーシー
神道 泰徳氏(左側) 亀里 直輝氏(右側)
「他の業務でお付き合いのあった日立の営業さんに相談したところ、統合クライアントサービスを提案していただきました。サービス内容を検討した結果、まさにわれわれが求める要件にマッチしていたため、お任せしようと考えました」と同 係長 亀里 直輝氏は語ります。
日立の統合クライアントサービスは、さまざまなクライアント機器の調達から運用、保守、廃棄にいたるまでの業務を日立が包括的に引き受け、お客さまの負担を軽減するサービスです。ベンダーを問わない機器調達はもちろん、事前のコンサルティングや設計支援、配送、セットアップやヘルプデスクの設置までをワンストップで提供。IT資産を日立が保有・管理することで、お客さまは月額サービス料金のみで利用することができます。
日立は技術推進室へのヒアリングをもとに、リモートアクセスの効果を実感してもらうためのスモールスタートを提案。まずは行動範囲が広く、主に電車による移動が多い東京地区の営業社員約50名を対象に、Windows®10のリモートデスクトップ機能を活用し、自席PCに安全にアクセスが可能なシンクライアント端末の採用を検討開始しました。
また事業部門の工数もできる限り低減する必要がありました。そこで、ユーザー要件に合わせたマスターデータのインストール作業や各種設定を日立の統合クライアントセンター側で実施するキッティングサービスを活用。さらに、複数の営業拠点には、ダイレクトに配送・展開。これにより「当初予想していた工数より80時間ほど削減できました」と神道氏は評価します。そして当初の予定どおり、2020年2月の正式稼働を実現しました。
「運用を開始したまさにそのタイミングで、日本でも新型コロナウイルスの影響が急速に拡大し始めました。シンクライアント端末は、隙間時間を使った業務での活用より先に、在宅勤務のツールとして脚光を浴びることとなりました」と亀里氏は語ります。
同年4月7日に発令された緊急事態宣言以降、シンクライアント端末を支給された営業社員は在宅勤務でこの環境を活用。オフィスに通勤できなかった間も、社内システムをリモートで活用し、業務の停滞を最小限に抑えることができたといいます。
「政府のテレワーク要請に迅速に対応することができたのは本当にラッキーでした。在宅勤務で使った社員からの反応も上々で、通常勤務に戻った現在も、社外での作業が行えるため生産性の向上に大きな効果が出ています。約50台のシンクライアント端末の資産管理や故障時の対応もすべて日立さんがしてくれますし、PCを廃棄する際の作業が不要になるなど、見えない部分でも工数削減効果が出ています」と神道氏は目を細めます。
今回のコロナ禍によって、想定よりも早くテレワークの導入効果を実感したGCCは、今後も東京地区の営業社員以外にも適用範囲を拡大し、働き方改革と連動したテレワーク環境の整備を加速していく予定です。
亀里氏は「営業拠点だけでなく、内勤者が多いオフィスも、3密対策のために今回導入したテレワーク環境を活用して在宅勤務を行いました。私自身も子どもの学校が休校となっていたこともあり、在宅勤務を行いましたが、家族の育児・介護が必要な家庭でも活用できることを改めて実感しています」と語ります。
神道氏は「まずはリモートデスクトップから試してみましたが、安全性や効率性をより高めるためにはVDI*の導入やデータセンターへのリソース集約なども検討する必要があるでしょう。これからも日立さんと相談しながら、適切なITサービスを社員に提供し、生産性向上に貢献していきたいと思います」と力をこめます。
平常時も緊急事態時も、変わらず業務を進めていくことが、これからのニューノーマルとなりつつあります。それを可能にする環境をスピーディーかつ柔軟に提供するため、日立は統合クライアントサービスの継続的な強化を進めていきます。
提供:株式会社 ジーシーシー
[代表住所] 群馬県前橋市上大島町96
[設立] 1965年12月27日
[資本金] 9,000万円
[売上高] 112億7,000万円(2019年度実績)
[従業員数] 652名(2020年3月現在)
[事業内容] 県や市区町村など自治体の行政システム製品に特化した独立系情報サービス。住民記録システムや税務情報システムをはじめ、地方公共団体向けの業務システムを開発。
(株)日立製作所 アプリケーションクラウドサービス事業部 働き方改革ソリューション本部
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