〔1〕「REDISuite」による流通BMS導入とその効果
いいものをお値打ちに提供する「良品廉価」をめざして
「新生活創造小売業」として、3つの宣言「生活解決業」・「生活提案業」・「生活コスト引き下げ業」を掲げるユニー。商品面では、いいものをお値打ちに提供する「良品廉価」という言葉に集約されています。
「これを達成しようとすると、ハイコストなオペレーションをやっていたのでは無理です」と語るのは執行役員の角田吉隆氏。物流改革によるローコスト化を推し進めるうえで、当時利用していたJCA手順のEDIが大きなネックとなっていました。
「JCA手順は、フォーマットの不統一の問題、漢字が送れないなど使い勝手の問題、さらにはデータのやりとりに時間がかかるといった通信スピードの問題など、もはや限界にきていました」(角田氏)
EDI:Electronic Data Interchange
「REDISuite」による流通BMSの数々のコスト削減効果
ユニー株式会社
執行役員 営業統括本部
IT物流部 部長
兼 情報システム担当部長
角田 吉隆氏
EDI革新の必要性を感じていたユニーは、経済産業省主導でスタートした業界標準EDI「流通BMS」の策定に実証段階から参画。標準化仕様づくりに積極的に関わってきました。日立もまたユニーとともに共同実証に参加。その中で流通BMSのメリットを最大化するノウハウを蓄積し、「REDISuite」に凝縮。
そして2006年、ユニーは「REDISuite」でいち早く流通BMSによるデータ交換をスタート。今ではEDIセンター・物流センターを含めた社内システムはすべてBMS対応となっています。
そのコスト削減効果には目を見張るものがあったと角田氏。
「一つは伝送スピードです。往復で最大4時間弱の通信時間短縮が実現し、物流改革を図るなか大幅な原価低減につながっています。
二つ目は伝票レス化です。ドライ食品では100%、生鮮品を除けば全体でも約70%の伝票レス化を達成しています。
三つ目はシステムコストです。ユニーではGMS、スーパーマーケット、ホームセンターと多業態を営業しているため、それぞれのシステムを別々に作るとコストが3倍になるわけですが、私どもは、取引先・物流センターとのデータ交換をすべて流通BMSで統一しています。
こうした取り組みにより、売上対比システムコスト0.4%を切ることができました。他社さんの約半分なのではないかと思います」。