今回は、サーバーや空調設備の電力コスト増大で経営が圧迫されていた、とある会社を大改造しました。その方法はBladeSymphonyと日立モジュール型データセンタの強力タッグを導入すること。今回のリプレースを通じて、コストパフォーマンスに優れ、環境にも配慮したセンターが見事に完成しました。さっそく、そのビフォーアフターを見てみましょう。
わが社では、取り扱うデータ量の増大によりサーバー数が増え続け、大量の熱を冷却するために空調設備がフル稼働している。電力コストが経営を圧迫するほど、飛躍的に増えているのだ。このままでは、電力設備がパンクして、電力供給が追いつかなくなるぞ。
サーバーラックが無秩序に増えたため、ある箇所では熱だまりが発生し、ある箇所では冷やし過ぎてしまい、温度を見える化するしくみもない。冷却効率も悪くなっているようだ。あまりの発熱でシステムダウンが発生した経験も・・・。
サーバー機器の高密度化に伴い、ラック1本あたりの冷却能力が空調設備の限界を超えている。ラックにすべてのサーバーを積み込めず、スカスカな状態だ。ラックばかりが増え、設置スペースも残りわずか。今後の拡張を考えると、設備から見直す時期に来ている。
夜間などの低負荷時にも、サーバー機器や空調設備がピーク時と同じように稼働し続けるのはムダではないだろうか・・・。負荷に応じてシステムを集約し、サーバー稼働台数を削減できないものか!?
BladeSymphonyには、AC/DC電源の変換効率が世界最高GOLD基準の92%を超える高効率電源モジュール*1が搭載されており、電源だけで約6%*2のCO2削減に貢献します。
*1 ハイエンドモデルBS2000電源
*2 当社従来製品比
BladeSymphonyの電力モニタリング機能により、サーバシャーシ内の電力供給/消費状態をWebコンソールでビジュアルに監視でき、電力消費量の把握・分析が容易に。各サーバブレードの現在の消費電力、吸気温度、過去24時間分の履歴表示が可能です。
IT機器を搭載したラックと、ラック型空調機などを組み合わせたモジュールを配置し、機器稼働率を最大化する「モジュール型データセンタ」を導入しました。小規模なモジュール単位から始めることができ、柔軟な拡張が可能です。BladeSymphonyの小型高集積モデル「BS320」への統合効果とあいまって、約38%の省電力化、約75%の省スペース化を実現できました。
BladeSymphonyに搭載されたサーバ仮想化機構「Virtage」*1は、物理/論理サーバー間での処理プロセスの移動が容易。低負荷時に処理プロセスを少数の物理サーバーに片寄せし、余剰サーバーの電源をオフにすることで、最大40%*2の省電力化を実現できます。
*1 ハイエンドモデルBS2000、BS1000に搭載可能
*2 4台の物理サーバに8台の論理サーバを構築した場合
データセンターの消費電力の内訳は、IT機器の45%に次ぎ、空調設備も30%の電力を消費しています。つまり、省電力化の取り組みは、IT機器と設備の両面から進める必要があるのです。BladeSymphonyでは、装置自体の省電力化技術の開発はもちろん、お客さまの運用レベルや設備レベルで省電力化を図る多彩なソリューションを用意。データセンターやサーバールームのコンサルテーションから構築、保守サポートまでをワンストップで提供します。
出典:JEITA(電子情報技術産業協会). June 2008