これからの10年、20年は、生態系がさらに悪化しているという状況は避けなければなりません。生態系を守ることは、目には見えない生きものの「つながり」を大切にすることです。そのためにも、自然と折り合いをつけながら、どうすれば幸せな社会がつくれるかを考える必要があります。具体的に、私たち一人ひとりが身近にできることをご紹介します。
昔の日本では生活に必要なものを自然から取り入れる「里地里山」での暮らしが、どこにでもありました。こうした暮らしが、生態系を守るのに大きな役割を果たしていたのです。こうした日本人の自然観や自然との共生、智恵と伝統を、現代の技術に統合し、新たな「自然との共生社会」をめざそうという取り組みがあります。
古くから漁師たちは、森や川を守ることが、漁業にとっても大切なことを経験的に知っていました。それは、森の栄養分が川を通じて海に流れ込み、そのおかげで海の魚が成長するからです。つまり、海の生態系は、森、川、海のつながりでできているわけです。
日々の暮らしの中でどんな商品を選ぶかによって、私たちも生態系を守る取り組みに気軽に参加できます。生態系に大きな影響を与えない商品には、どんなラベルが貼られているかに注意して買物をしてみましょう。