株式会社 日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:小野 功、以下 日立)は、このたび、2005年度からの電気事業制度改革に対応し、2月17日に発表した電力自由化ソリューション事業コンセプト「Secure Deregulated Society(セキュア・ディレギュレイティッド・ソサイアティー)」に基づいたソリューションサービスメニューを「電力取引ソリューション」として体系化し、3月26日から販売開始します。
具体的には、電力取引における需要予測や燃料調達などのリスク要因を分析・定量化し、ポートフォリオ管理を行うことで、取引担当者の意思決定を支援する「電力取引支援システム」の構築を行います。また、PC上に仮想的な電力取引市場を開設し、電力取引の実体験を通じて、取引担当者を養成する「電力取引体験シミュレータ」を提供します。
これらのソリューションを提供することにより、電力需要家及び電気事業者にとって、安心で豊かな電力自由化社会の実現を支援します。
なお、今回あわせて「電力取引所システム」のプロトタイプを開発しました。今後の電力自由化制度の詳細が確定し次第、本システムに適用し、電力取引所のシステム導入コンサルティングから運用までトータルにサポートするソリューションサービスを提供する計画です。
2003年2月18日付の総合資源エネルギー調査会の電気事業分科会において、「今後の望ましい電気事業制度の骨格について」が答申され、電気事業の制度改革が行われるとともに、日本型の電力自由化モデルが2005年度から開始される見通しです。安心で豊かな電力自由化社会を実現するためには、電力取引所システムや電気事業者の情報・制御システムなどの役割がますます重要になってきます。今後、全国規模で行われる電力取引の活性化のためには、公平性や透明性を備えた、信頼性のある電力取引所システムの設置が不可欠です。今回、これら日本型の電力自由化モデルを支援するため、「公平性」「透明性」「活性」「信頼性」のポリシーに基づく「電力取引ソリューション」を提供します。
■「電力取引ソリューション」の主な特長
1.「電力取引支援システム」
取引担当者が実際に電力取引を行う際や、その支援組織において今後の戦略など意思決定を行う際に活用します。なお、本システムは、事業者毎に異なる発電設備状況や運用制約などをふまえ、カスタマイズして提供します。
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(1) |
各種リスクを要因分析し、定量化することでポートフォリオ管理を実現
需要予測、燃料調達、電力取引所価格、及びそれらに伴う発電計画に存在する各種リスクの収益に与える影響をモンテカルロシミュレーションにより定量化します。これにより、電力取引のポートフォリオ管理を実現します。 |
(2) |
電力取引管理機能による情報管理と、意思決定への支援
取引価格のモニタリングにより、市場価格情報を入手・管理することで、リスクヘッジのための有効な相対契約条件の交渉などの意思決定を支援します。 |
2.「電力取引体験シミュレータ」
日本型モデルの新しい電力自由化制度に対応した電力取引市場をPC上に仮想的に開設し、電力取引を実体験することで、電力取引市場において重要な役割を担う取引担当者を養成します。このシミュレータは、季節や時間などによる需要変化といったさまざまな市場環境を設定することができるため、どんな状況下でも的確な判断を下せる取引担当者を養成することが可能です。
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(1) |
電力取引市場を仮想的に開設
サラバ方式や板寄せ方式といった複数の約定方式や、先渡し電力とスポット電力などの複数の市場をPC上に仮想的に開設し、取引担当者が実体験をすることが可能です。 |
(2) |
季節要因などのシナリオ設定
季節や時間などによる需要変化や、発電事業者毎に異なる変動費・固定費、供給事業者毎に異なる基本料金・従量料金などさまざまなシナリオが設定可能なため、電力売買価格をどのように決定すれば、収益を上げることができるかなどの体験が可能です。 |
この「電力取引体験シミュレータ」を使って「電力取引体験セミナー」を行います。電力自由化制度の説明や、実際に電力取引体験シミュレータによる仮想取引の実体験など、取引担当者の養成をサポートします。
なお、今回の「電力取引ソリューション」は、3月27日(木)〜28日(金)に東京国際フォーラムで開催される「パワーマート&トレードエキスポ2003」にて展示します。
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サービスメニュー |
販売価格 |
提供時期 |
電力取引支援システム |
個別見積 |
2003年6月 |
電力取引体験シミュレータ |
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