株式会社損害保険ジャパン(社長:平野浩志 、以下「損保ジャパン」)と株式会社日立製作所(社長:庄山悦彦、以下「日立」)は、"ITS"(*1)と保険が融合した新しい事業領域である"保険ITS"分野において、車輌走行データを元に分析を行う「安全・省燃費運転診断システム」を共同開発し、4月から損保ジャパンのサービスとして提供を開始します。
近年、我が国における"ITS"は、その対象を「技術」から「サービス」、「自動車空間」から「生活空間」へと拡大しつつあり、このような動きは損害保険分野にも波及してきています。例えば、自動車事故はその増加に伴ってお客様の被る損失を増加させ、多くの企業において無視できないリスクのひとつとなっておりますが、「安全運転の支援」を目標のひとつに掲げる"ITS"はこれらを防止・軽減するものとして有効であり、今後さらに高品質・高機能な保険商品やサービスを提供する手段としての可能性を秘めています。
このような状況をふまえ、損保ジャパンと日立は"ITS事業"における異業種間連携の可能性について共同検討を継続してまいりましたが、今般来るべき"保険ITS"分野において、以下の内容で共同事業を展開することで合意に至りました。
*1 ITS(Intelligent Transport Systems=高度道路交通システム) |
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最先端の情報通信技術を用いて、人と道路と車輌とを情報でネットワークすることにより、交通事故・渋滞などといった道路交通問題の解決を目的に構築する新しい交通システム。1995年から5省庁(建設省・警察庁・通商産業省・運輸省・郵政省)を中心に国家プロジェクトとして推進。
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1. 「安全・省燃費運転診断システム」の共同開発
損保ジャパンと日立は、この度、両社それぞれの得意分野である安全運転診断コンサルティングノウハウとITS技術ノウハウを融合し、「安全・省燃費運転診断システム」を共同開発しました。「安全・省燃費運転診断システム」とは、車載端末より収集された車輌走行データ(安全・省燃費運転診断に必要な項目)をもとに、各ドライバーの運転傾向を示す項目を、数値もしくは帳票形式で出力するものです。
2.「安全・省燃費運転診断サービス」の提供
本年4月から、上記システムを利用した「安全・省燃費運転診断サービス」の提供を開始します。
「安全・省燃費運転診断サービス」の流れは、以下の通りです。(別紙参照願います)
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(1) |
ユーザー企業の各ドライバーの車輌走行データを、日立の運行管理ASPサービス(*2)を利用して収集 |
(2) |
(1)で取得したデータの一部(安全・省燃費運転診断に必要な項目)を元に、「安全・省燃費運転診断システム」により、各種診断帳票を作成 |
(3) |
(2)の各種診断帳票を元に、損保ジャパンのコンサルタントが安全運転指導を行う |
本サービスの利用により、運送会社などユーザー企業は、実際の車輌走行データを元にした詳細な安全運転指導を受けることで安全運転意識が向上し、燃費の向上、事故発生の低減による事故コストの削減、さらに、この結果による支払い保険料の低減など、様々なコスト削減効果が期待できます。
また、運行管理ASPサービスを用いることにより、より実態に添った日々のデータをとることができ、各ドライバーの運転傾向の変化を分析することが可能となります。
損保ジャパンでは、本サービスについて、運送会社などを中心に提案していく予定です。
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*2 日立 運行管理ASPサービス |
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日立が2001年4月からサービスを開始した運送業向けトラック運行管理ASPサービス(Application Service Provider:通信事業企業がインターネットを通じて業務アプリケーションを提供し、貸し出すサービス。ユーザーはパソコンさえあれば、最新のアプリケーションを低コストで利用可能)。
車輌に搭載した低価格な車載端末とインターネット環境を利用して車輌位置・速度などの車輌走行情報をASPセンターに送信することにより、車輌動態管理のサポートなどトータルなトラック運行管理を提供するサービス。
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