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世界最小0.3mm角の非接触ICチップの動作に成功
新電極構造の採用で量産が容易に 日立製作所(社長:庄山 悦彦、以下日立)は、このたび、0.3mm角の世界最小ICチップを試作し、動作の確認に成功しました。試作チップは、電波によりエネルギを得て、128ビットの固有の番号を無線で送信する非接触型ICチップです。従来日立が「ミューチップ」と称し事業展開を進めている0.4mm角のものと同等の動作性能を保ちつつ、小型化を実現しました。また、ICチップの表面と裏面に電極を配する構造によって、大幅にチップ量産効率を向上しました。本技術は、次世代ミューチップの量産性の向上に繋がる技術です。 「ミューチップ」は、紙にも埋め込むことが可能な極微小なチップです。チップに取り付けたアンテナで、電波を受信してエネルギを得て、128ビットの固有の番号を無線で送信することができます。製造工程でデータをROM(再生専用メモリ)に書き込むことから、書き換えができず、高い真正性を保証します。こうした小型、高真正性、非接触などのメリットを生かすと共に、インターネット技術と結びつくことで、金融、流通、交通、物流、生産管理、オフィス、エンターテイメント等の幅広い分での活用が期待されています。 そこで、今回開発した0.3mm角のICチップでは、ICチップの表面および裏面に電極を設けて、サイドイッチ状にICチップを挟むアンテナ構造を実現しました。この構造の大きな利点は、片面1個のアンテナ接続端子なのでチップ面積が小さくてすむ点と、ICチップが上下反転しても動作する点です。チップの上下面を気にすることなく、また、高精度な位置あわせをすることなく、ICチップを組み立てることが可能です。さらに、複数個のICチップを同時に組み立てることもできるため、生産性の向上が期待できます。本技術は、ミューチップを小型するとともに、生産性向上に繋がる技術として期待できます。 なお、本成果は、2月9日から米国サンフランシスコで開催された「国際固体素子回路会議(ISSCC:International Solid-State Circuits Conference)」において発表されました。
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