株式会社日立製作所システム開発研究所(所長:小坂満隆 以下、日立)は、慶應義塾大学、東京工科大学、東京大学、文部科学省メディア教育開発センター(NIME)、株式会社ユーディット(代表取締役社長:関根千佳)と共同で、文理融合研究によりユビキタス情報社会を構想する共同研究プロジェクト(通称:やおよろずプロジェクト)を開始しました。
今回のプロジェクトは、文理融合研究によって、ユビキタス情報社会のあり方を研究する点が特徴で、文部科学省科学技術振興調整費の先導研究として、民間企業が複数の大学、研究機関と共同で進めるのは初めてです。
本プロジェクトは、文部科学省科学技術振興調整費によるプログラムの採択課題「横断的科学によるユビキタス情報社会の研究(2002〜2004年度)」として推進するものです。
私たちを取り巻く社会は、将来、身の回りのあらゆる機器が連携して、いつでも、どこでも、誰でも、情報にアクセスし、利用できる「ユビキタス情報社会」になると予想されています。これまで、国内外の数多くの研究機関が、技術的な側面からユビキタス情報社会に必要な情報技術の開発を進めてきました。しかし、人間社会の側面からの検討や技術へのフィードバックについては、これまでほとんど行われてきませんでした。
そこで、日立が中心となって、人文社会科学研究者と理工学研究者が共同で、次世代の「ユビキタス情報社会」の姿を描くプロジェクトを立案しました。
本プロジェクトでは、ユビキタス情報社会へ向かう上での課題として、 |
(1)実社会との親和性 |
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誰でも使うことができ、社会に受入れられるか |
(2)社会的安全性 |
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人道的・法的な観点から問題はないか |
(3)相互運用性 |
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どこでも使うことができるか |
という3つのテーマを想定し、それぞれを専門とする研究者の方々に参画いただきました。また、それぞれの研究が相互に連携して相乗効果を発揮できるよう、テーマを超えた相互研究を行っていく予定です。
なお、本プロジェクトを推進するにあたって、社会との対話が重要であると考え、やおよろずフォーラムを開催します。(第1回は2003年2月10日に開催)*。本プロジェクトでは、今後、このような活動を通じて、社会制度に対する要請やあるべき技術の要件を提言し、ユビキタス情報社会を推進していきます。
■注釈
*詳細については、http://www.8mg.jp/をご参照ください。
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