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2002年12月16日

従来比約3倍の容量密度を実現する無線通信機器用LSI向けキャパシタ形成技術を開発

Cu/Ta2O5/Cu構造のMIMキャパシタにAl2O3バリア層を挿入


 日立製作所 中央研究所(所長:西野壽一)は、このたび、従来比約3倍の容量密度を実現する無線通信用混載LSI向けキャパシタ形成技術を開発しました。本技術は、Cu(銅)/Ta2O5(五酸化タンタル)/Cu からなるMIM(Metal-Insulator-Metal:金属−絶縁体−金属)構造と称されるキャパシタに、極薄アルミナ(Al2O3)膜を挿入し、絶縁体であるTa2O5の膜質を大幅に改善することによって実現しました。これにより、LSI中のキャパシタの占有面積を大幅に削減できるため、今後市場規模の拡大が予想される無線通信機器向けのLSIのさらなる高集積化・高機能化が可能となります。

 近年急速に市場が拡大している無線通信機器の高機能化には、システムLSIの高性能化が大きく寄与しています。この通信用システムLSIの送・受信を直接担っているアナログ回路部には、キャパシタ・インダクタ・抵抗などの各種受動素子が多く使用されています。これらの中で、アナログ回路の高性能化には、キャパシタの低損失化、高容量化によるキャパシタ面積の削減が必須となっています。そこで、近年、抵抗成分が小さく、高容量密度化が可能な、MIM構造の容量素子が注目され、無線通信用システムLSIの高性能化の鍵となる技術として、量産プロセスの確立や信頼性の向上が期待されています。

 このような背景から、当社中央研究所では、高い容量密度を実現するとともに低温プロセスでも信頼性の高いMIMキャパシタ製造技術を開発しました。技術の特徴は次の通りです。

(1)
デバイス性能へのCu(銅)の影響解明:キャパシタに用いている、次世代のLSI配線材料でもあるCuはSiやSiO2中の熱拡散速度が非常に速い金属です。このため、Cuが表面のデバイス領域に拡散し、MOSFETの性能劣化や信頼性低下を招くという問題があります。今回、Cu汚染によるデバイス劣化機構をはじめて明確にし、さらに、その制御技術の指針を得ることによって、Cuを使用したプロセス構築を可能としました。
(2)
バリア層の導入による低温プロセスでの信頼性向上:Cu/Ta2O5/Cuキャパシタに極薄アルミナ(Al2O3)膜を導入し、層間の原子の拡散を防ぐことによって、低温プロセスでも信頼性が高く、薄膜化をしても高品質の容量絶縁膜(Ta2O5薄膜)を形成できました。Ta2O5の薄膜化により、キャパシタの容量密度を高くすることができるため、キャパシタ面積を小さくすることが可能となります。
(3)
ダマシンプロセス1)の適用によるマスク枚数の削減:MIM構造の形成にダマシン(埋め込み)プロセスを適用しました。一枚のマスクの追加で本MIMキャパシタを形成することが可能なため、プロセスコストを削減します。

 本技術を用いて形成したCu/Ta2O5/Cu MIM構造キャパシタは、容量密度が12 fF/µm2、周波数10 GHz 付近まで良好な容量素子として機能することが分かりました。今後は、LSI化を進め、無線通信向けRFアナログ/デジタル混載回路技術として完成度を高めていく予定です。
 なお、本成果は、12月9日から米国サンフランシスコで開催された電子デバイスに関する国際会議 「2002 International Electron Devices Meeting」にて発表されました。

【注釈】
(1)ダマシンプロセス:ダマシンプロセスとは、金属配線形成方式の1つ。ドライエッチングによって、配線材料等の金属膜をパターンに加工するのでなく、まずSi基板に溝を形成し、そこに金属を蒸着した後に表面を機械的研磨で平坦加工してパターンを形成する技術。



以上



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