日立製作所 半導体グループ(グループ長&CEO 伊藤 達)は、このたび、携帯電話など携帯機器の電圧制御発振器(VCO)(注1)用に、新パッケージ「TEFP(Thin Extremely small Flat lead Package)」(当社外形コード)を採用することで、リード端子タイプのパッケージでは業界最薄・最小サイズを実現したバリキャップダイオード(注2)「HVL355CM」「HVL358CM」「HVL381CM」「HVL396CM」「HVL397CM」を製品化しました。また、同パッケージを採用した携帯電話等のアンテナスイッチ用PINダイオード(注3)「HVL142AM」「HVL144AM」も同時に製品化しており、全製品を2002年12月20日よりサンプル出荷します。
「TEFP」パッケージは、取扱いの容易なリード端子タイプを採用しながらも、サイズは一般に1006タイプと言われる1.0×0.6(mm)を実現しています。そして、薄さ0.4mm(max.)と、当社の従来パッケージ「EFP」(当社外形コード)に比べ約20%薄型化しており、搭載機器の薄型・小型化が図れます。
<背景>
携帯電話をはじめとする携帯機器は、機器の薄型・小型化や多機能化が求められており、搭載されるVCOやアンテナスイッチ等の各種モジュール向け電子デバイスには、一層の薄型・小型化のニーズが高まっています。このため当社では既に、リード端子タイプで縦1.0(ボディサイズ0.8)×横0.6×高さ0.5(mm)(max.)の小型サイズを実現した1006タイプのパッケージ「EFP」を採用したダイオードを量産してきました。しかし今回、さらなる薄型化に対応するため、1.0(ボディサイズ0.8)×0.6×0.4(mm)(max.)の小型・超薄型を実現したバリキャップダイオード5製品、PINダイオード2製品を製品化しました。
<製品について>
本バリキャップダイオード「HVL355CM」「HVL358CM」「HVL381CM」「HVL396CM」「HVL397CM」は、実装技術の改良により「TEFP」パッケージへの搭載が可能となり、アウターリードを含めて1.0×0.6×0.4 (mm)(max.)を実現しています。リード端子タイプのバリキャップダイオードでは業界最薄・最小サイズであり、従来の「EFP」パッケージ品「HVL385B」に対し、約20%薄型化しました。
また、リードがパッケージの外に設けてあるため、従来同様、実装後のはんだフィレットを目視にて確認できます。
同様に「TEFP」パッケージを採用したダイオードのラインアップとして、アンテナスイッチ向けのPINダイオード「HVL142AM」「HVL144AM」を製品化しました。「EFP」パッケージ品に比べ薄型化しながらも同等性能を実現しています。
今後の展開としては、「TEFP」パッケージを使ったバリキャップダイオード、PINダイオードの品種展開を図ります。そして各ダイオードでのラインアップ拡充によりPDAやノートPC等幅広い用途に対応していく予定です。