日立製作所 情報・通信グループ(グループ長&CEO:小野 功、以下、日立)は、このたび、製造業向け研究・開発・設計・生産業務のための技術支援サービス「i-engineering」 (intellectual engineering)に工場の現場で培った生産合理化や環境対応などに関する実践的な技術についての支援サービスを22件追加し、11月13日から順次提供を開始します。これにより、現在提供している、研究所が開発した先端技術についての支援サービス56件と合わせ、研究、開発、設計、生産準備、調達、製造、出荷まで、モノづくりの全プロセスの技術をカバーするとともに、経営改革支援も含めた技術支援サービスとなります。
グローバル競争が激化し、国際経済の再編が進む中、製造業において勝ち抜くためには市場の動きにいち早く対応した製品開発と市場投入が不可欠です。一方、昨今の製品は多品種化高機能化が進み、要求される技術が多岐にわたり、製品開発や生産の現場では、自社に足りない技術についての早期・低コストでの導入が深刻な課題となっています。
日立は、製造業界のこうしたニーズに対応し、技術開発の分野にもアウトソーシングを普及すべく、自らが保有する技術群を企業の経営課題、業務課題の解決のために率先して提供する姿勢を打ち出し、2000年5月に、ポータルサイトを通じて技術情報の提供や技術相談を行う「i-engineering」を開始し、当社の研究部門が開発した先端技術を提供しています。
今回、新たに、全国27箇所の工場のモノづくり現場で開発され、蓄積されてきた、生産合理化、環境対応、品質向上、先端加工など、実地に即した技術についての提供を開始します。
追加する技術支援サービスは下記の通りです。
経営改革支援の分野では、日立のパソコン事業に適用してリードタイムの短縮や棚卸資産回転率の向上に画期的な成果を上げたトータルSCMの手法を「トータルSCM経営システム改革支援」として提供します。生産合理化の分野では、シミュレーション技術を使って生産ラインの現状を分析する生産ライン評価・検証や、生産のJust in Timeを実現するJIT改善、生産ライン合理化のためのIE(Industrial Engineering)分析など、多くの工場現場での事例、体験により培った技術を提供し、企業の生産性の向上を全面的にバックアップします。環境対応の分野では、工場全体および製造設備単位での省エネルギー合理化技術、環境に配慮した物品の購入を支援するグリーン調達技術などを追加します。これにより、今後益々強化が予想される環境関係の各種規制に、各企業の製造現場がどのように対応していけばよいかについて、実践的経験を踏まえたアドバイスや導入指導を行います。なお、既に提供中の鉛フリーはんだ技術導入支援は、新たに、技術の導入検討から工場のライン切替え完了までをトータルに支援するサービスを追加します。
「i−engineering」は、今後も、技術支援メニューの追加を予定しており、今後1年間に全技術メニュー数を200件まで拡大する予定です。日立のみならず日立グループの製造技術を一同に集めて技術支援サービスの集大成を推進し、日本の製造業復活の一助となるべく、益々の支援強化を図っていきます。
区分 |
技術支援メニュー |
提供開始日 |
経営改革 |
トータルSCM経営システム改革支援 |
2002年11月13日 |
生産合理化 |
生産管理システム構築支援 |
2002年11月13日 |
製造実行システム構築支援 |
シミュレーションによる生産ライン評価・検証支援 |
物流合理化支援 |
2003年 1月10日 |
IE分析・工程改善支援 |
2002年11月13日 |
JIT改善・指導コンサルティング |
検査・品質向上 |
生産設備クリーン化支援 |
2003年 3月 1日 |
薄膜における異物対策支援 |
2002年11月13日 |
環境対応 |
省エネルギー合理化推進支援 |
2002年11月13日 |
グリーン調達支援 |
2003年 2月 1日 |
鉛フリーはんだ接続技術支援(エンハンス) |
2002年11月13日 |
先端加工技術 |
微細加工技術支援 |
2002年11月13日 |
塑性加工技術支援 |
レーザ加工技術支援 |
2003年 2月 1日 |
プラスチック成形技術支援 |
2003年 1月10日 |
ラピッドプロトタイピング |
2002年11月13日 |
設計支援 |
3D-CAD/CAM構築支援 |
2002年11月13日 |
タグチメソッドによるロバストデザイン活用支援 |
設計開発技法 QFD活用支援 |
2002年12月 1日 |
設計開発技法 TRIZ活用支援 |
2003年 3月 1日 |
LSI開発設計技術支援 |
2002年12月 1日 |
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