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2002年9月4日

メトロ系低コスト光通信システムの実現に向けた10ギガビット/秒動作の発光・受光素子を開発

半導体レーザの高温特性とフォトダイオードの感度を大幅に改善


 日立製作所 中央研究所(所長:西野壽一)は、このたび、伝送容量10ギガビット/秒のメトロ系光通信システムの低コスト化を実現する発光素子(InGaAlAs埋め込みヘテロ型半導体レーザ)および受光素子(InAlAsメサ型*1)アバランシェフォトダイオード*2))の開発に成功しました。今回の開発技術は、発光素子用“温度調整冷却器”および受光素子用“光信号増幅器”の部品削減を可能にし、メトロ系光通信の大幅な低コスト化に道を拓くものです。
 また、今回開発したアバランシェフォトダイオードにシリコンゲルマニウム(SiGe)集積回路プリアンプを組み合わせた光受信モジュールは、-29.8dBmという世界最高感度を達成しました。

 インターネットの急速な普及に伴い、これまで大都市間を結ぶ幹線系ネットワークを中心に、データ伝送ネットワークの高速・大容量化が進められてきました。しかし、近年、携帯電話をはじめとするユーザアクセスの増大に対応するため、都市間を結ぶいわゆるメトロ系ネットワークにおいても高速・大容量化が重要になりつつあります。これにより、これまで幹線系が中心であった10ギガビット/秒の大容量光通信システムのメトロ系への導入が加速されています。
 また、幹線系ネットワーク端末内では、半導体レーザを安定的に動作させるための温度調整冷却器や、光ファイバ伝送後の微弱光信号を増幅する光ファイバアンプが必要でした。しかし、低コスト化要求が厳しいメトロ系ネットワークでは、これらの部品を削減することが必須となっており、それを可能とする発光・受光素子の開発が望まれていました。

 このような背景から、今回、日立中央研究所では、構成部品の削減によるメトロ系ネットワークの低コスト化の実現をめざして、高温特性の良好な発光素子ならびに高感度の受光素子を開発しました。
 開発技術の特徴は次の通りです。
(1) InGaAlAs埋め込みヘテロ型半導体レーザ
 光源用半導体レーザの活性層材料として、高温特性が良好なInGaAlAs結晶を用いるとともに、省電力化に適した埋め込みヘテロ構造(BH構造)*3)としました。また、結晶材料に含まれるAlの酸化を抑制するプロセス技術を開発し、世界で初めて85℃で5,000時間を越える安定動作を確認しました。この結果、InGaAlAs系 BH型レーザの実用化の目処が得られました。
(2) InAlAsメサ型アバランシェフォトダイオード
  受光用フォトダイオードの増倍層材料として、増幅効率が高く、かつ検出感度を阻害する漏れ電流が小さいInAlAsを用いました。また、不純物濃度を精密に制御できる分子線エピタキシ*4)を用いて結晶を作製し、メサ型素子構造を形成しました。さらに、信頼性を向上するため、今回のメサ型素子を埋め込む保護構造を形成しています。これらの結果、利得帯域積*5)120ギガヘルツを達成し、増倍率が2から12の広い範囲で10ギガビット/秒の動作を確認しました。

 今回開発した半導体レーザとフォトダイオードを用いることにより、メトロ系光送受信モジュールの構成が簡略化され、低コスト化が可能となります。

 なお、これらの技術の詳細は、9月8日から開催されるヨーロッパ光通信国際会議(ECOC'02)にて発表する予定です。

【注釈】
(*1) メサ型:素子の活性部を台地状に切り出した素子形状。
(*2) アバランシェフォトダイオード:アバランシェ増倍現象を利用して光信号を増幅する能力をもった、光受信モジュールの高感度化に有利な受光素子。アバランシェ増倍とは次のような現象を指します。大きな電界を印加した半導体中に、光信号によって電子が発生すると、電子は電界により加速され、大きなエネルギを得ます。この電子が、半導体結晶の原子と衝突すると原子から電子を弾き出します。この新たに弾き出された電子も電界で加速され、衝突で電子を弾き出します。このように連鎖反応的に電子の数が増え、大きな電流が流れる現象をアバランシェ増倍と呼びます。
(*3) BH構造:埋め込みヘテロ構造の略。レーザ光を発生する活性半導体層をストライプ形状に加工した後、その両側を高抵抗な半導体結晶で埋め込んだ構造です。注入電流が活性半導体層のみに集中するため、発光効率や高速変調特性に優れています。
(*4) 分子線エピタキシ:高真空中で原子・分子を一層ずつ積み重ねていく薄膜形成方法。膜厚・不純物濃度を精密に制御することが可能です。
(*5) 利得帯域積:APDは増倍率が大きくなると、理論上、増倍率と帯域との積が一定になります。このため、この積の値は性能指標に用いられ、利得帯域積と呼ばれます。利得帯域積が大きいほど高い周波数でも大きな増幅が得られることを意味します。



以上



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