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2002年8月21日

株式会社 日立製作所
オラクル・コーポレーション
日本オラクル株式会社

日立とオラクル、日本オラクルが協力してストレージシステムにおけるデータ破壊防止機能「DB Validator」を開発

―オラクルデータベース向けのデータ保護技術を日立大型ディスクアレイサブシステムSANRISE9900Vに搭載―


 株式会社日立製作所(本社:千代田区神田駿河台四丁目6番地 取締役社長:庄山悦彦 以下日立)はオラクル・コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州レッドウッドショアズ 会長兼CEO:ローレンスJ.エリソン 以下、オラクル)、日本オラクル株式会社(本社:千代田区紀尾井町4-1、代表取締役社長:新宅正明 以下、日本オラクル)と協力して、オラクルデータベースとストレージシステムの間でのデータ破壊を防止する機能「DB Validator」を開発しました。この機能は新しく開発したマイクロチップとマイクロコードで実現します。これを日立大型ディスクアレイサブシステム「SANRISE9900Vシリーズ」(海外製品名Lightning9900Vシリーズ)に搭載し、2002年8月末から出荷開始します。また、日立と日本オラクルは共同で、顧客サイトにおける本機能の実運用に向けたソリューション開発と検証作業を、2000年5月に設立した「日立-オラクルSAN Solution Technology Center(以下SSTC)」において行っています。SSTCで検証されたソリューション、技術資料は、翻訳され、ホームページ上で全世界へ公開されます。 ( http://www.sstc.gr.jp/ ) 

 本機能の開発は、2001年11月にオラクル・コーポレーションが発表した、壊れないデータベースシステム構築のためのグローバルなイニシアティブ「Hardware Assisted Resilient Data(H.A.R.D.) Initiative」に日立が賛同したことを契機として始まりました。日立とオラクルは2001年11月から共同で、オラクルデータベースのデータ整合性チェックアルゴリズムを、日立のストレージシステムに搭載し、このたび完成に至りました。

 「DB Validator」は、オラクルデータベースのデータファイル、REDOログ・ファイル、制御ファイルという三種類のファイルに対して発生する不整合データのストレージへの書き込みを未然に防ぐ機能です。従来のストレージシステムとデータベース管理ソフトとの連携では、ストレージにデータが書き込まれる途中でデータの不整合(破壊)が生じるリスクを負っていました。この不整合は極めて稀にしか発生しませんが、不整合データが一旦ストレージに書き込まれた場合、その原因の特定、システムの修復、データベースのリカバリー処理には大変な労力と時間を費やします。本機能は、不整合データによるデータベースの破壊を防止し、システムの修復やデータベースのリカバリー処理等におけるリスクと潜在的なコストを最小限に抑えることができます。

 「DB Validator」は、日立のストレージ製品「SANRISE9900Vシリーズ」に搭載されます。これに最新バージョンのOracle9i データベースを組み合わせることで、エンタープライズレベルでの24時間365日稼動する強靭なシステムの提供を実現します。

 日立の尾形幹人RAIDシステム事業部事業企画本部長は、「最先端のストレージベンダである日立と最先端のデータベースベンダであるオラクル社との連携により、お客様に最高のソリューションを提供する可能性が開けます。今回、日立とオラクルが協力して開発した整合性チェック機能は、チェック機能を大幅に強化しており、これまでにない世界最高のデータ保護能力をユーザに提供します。両社の先進技術を融合することで、最も頑強なデータベースプラットフォームを実現することができました。日立は、オラクルとの協力によるソリューションを拡大していくことを希望しています。」と述べています。

 オラクルのダグ・ケネディPlatform Alliances担当Vice Presidentは、「オラクルのHARDイニシアティブの一環として、日立がDB Validatorを実装したことにとても満足しています。日立がオラクルと共同で開発したデータ整合性チェック機能は、データの完全性を一層確実にし、両社の共通のお客様に対してより信頼できるシステムを提供するでしょう。我々は、即時適用可能なソリューションを提供するため、日立と緊密に連携を続けていきます。」と述べています。

 日本オラクル株式会社専務執行役員パートナービジネス担当・山元 賢治は、「HARDイニシアティブに基づくDB Validatorの発表に興奮しています。日立と日本オラクルはSSTC設立以来、緊密なアライアンス関係にあり、SANRISEとオラクル製品を活用して、様々なソリューションの開発及び検証を行ってきました。今回、世界に先駆け、データ保護をより確実にする整合性チェック機能であるDB ValidatorとOracle9iを組み合わせました。これにより、メインフレームを含めた基幹システム構築の分野において、これまで以上に信頼性の高いシステムを提供できると確信しております。」と述べています。

 日立とオラクルは、OSCP(Oracle Storage Compatibility Program−オラクルストレージ互換性プログラム)やSSTCを通じたソリューション提供など、ビジネスおよび技術の両面で密接な連携を続けて来ました。今後も、このような協力関係をより一層強化していく予定です。

「DB Validator」について
 今回開発したデータ保護機能DB Validatorは、日立製作所の大型ディスクアレイサブシステム「SANRISE9900Vシリーズ」(海外製品名 Lightning 9900Vシリーズ)のオプション機能として提供されます。
 本機能は、オラクルデータベース用に開発したマイクロチップと、マイクロコードの組み合わせで実現されます。マイクロチップは、データ整合性チェックを実際に処理する回路を搭載しており、「SANRISE9900Vシリーズ」のインタフェースアダプタ上に搭載されます。マイクロコードは、「SANRISE9900Vシリーズ」の制御装置上で動作するプログラムで、マイクロチップを使ってチェック処理を実行します。

データ不整合について
 データがストレージに書き込まれるまでの途中の階層、例えばオペレーティングシステム、チャネル用アダプター、ネットワークといった階層を通過する際に、主に各階層の要因によりデータの不整合(破壊)が発生する可能性があります。この場合においても、データがストレージに書き込まれる際には、出力処理としては正常終了であるために、オラクルは不整合データの検出をすることはできません。この場合、再度そのデータを読み込みにいった場合、読み込みエラーとなりシステムは停止します。

日本オラクル株式会社について
 日本オラクル株式会社はオラクル・コーポレーションの日本法人として1985年に設立されました。国内を拠点としたEビジネス構築のためのソフトウェア製品、ソリューション、コンサルティング、サポートサービス、教育の事業を展開しています。1999年2月5日の店頭市場への株式公開、2000年4月28日に東証一部上場。従業員数1623名(2002年5月末現在)。 Webサイトは、 http://www.oracle.co.jp

■商品名称等に関する表示
 ・ Oracle9iはOracle Corporationの商標または登録商標です。
 ・ OracleはOracle Corporationの登録商標です。
 ・ その他の企業名、製品名ならびにサービス名はそれぞれの会社の商標もしくは登録商標です。



以上

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