日立、NVIDIAにより強化されたAIソリューション「HMAX」を発表

  株式会社日立製作所(以下、日立)の鉄道システム事業を担う日立レールは、NVIDIA AIテクノロジーを搭載したデジタルアセットマネジメントサービスを本日発表し、鉄道事業者による鉄道の運用と保守を変革します。
  HMAX(Hyper Mobility Asset Expert:エイチマックス)ソリューション群は、列車、信号、インフラ管理を最適化するための一連のAI強化デジタルソリューションを鉄道事業者に提供する、オールインワンのデジタルアセットマネジメントプラットフォームです。
  日立のデジタルツールは、すでにデジタルセンサーを使用してアセットの状態をリモートで監視し、パフォーマンスを向上させています。HMAXプラットフォームは、ライブデータ収集と強力なAIテクノロジーを組み合わせることで、分析の速度、容易さ、深さを飛躍的に向上させます。HMAXが提供する強力なデータ分析結果を使用し、鉄道事業者はより正確にサービスを予測、最適化、変換できるようになります。
  日立レールは、NVIDIAの産業用AIプラットフォームとソフトウェアツール、日立デジタルのAI Centre of Excellence(CoE)とソフトウェアエンジニアリングの専門知識を活用し、鉄道事業者に対してより高度で革新的なソリューションを提供します。HMAXデジタルプラットフォームの「エッジツークラウド」アーキテクチャにより、日立レールのお客さまは、オペレーションセンターだけでなく、単一のポータルを通してこれらのサービスにリモートでアクセスできるようになります。これらのソリューションは、AIの力をオペレーショナルテクノロジーの世界に導入し、現場作業者、エンジニア、鉄道事業者にAIの強力なメリットをもたらすという日立のビジョンを体現するものです。
  NVIDIAとのコラボレーションにより、産業グレードのNVIDIA IGXプラットフォームとセンサー処理プラットフォームのNVIDIA Holoscanを統合し、大量のデータを列車やインフラ上の「エッジ」でリアルタイムに処理し、必要な情報のみをオペレーションセンターに送信することが可能となります。これは、有益なデータ分析結果が鉄道事業者に届くまでの処理速度を飛躍的に向上させます。以前は、メンテナンス拠点でデータが処理されるまでに最大10日間かかることもありました。

日立製作所 執行役専務 鉄道ビジネスユニットCEO／日立レール ダイレクター, Giuseppe Marino(ジュゼッペ・マリノ)のコメント

「日立レールでは、AIは鉄道の効率的な運行を実現するために、即効性のある非常にインパクトのあるアプリケーションであると考えています。当社のAIを活用したデジタルアセットマネジメントは、お客さまの鉄道サービスを最適化し、鉄道のパフォーマンスを向上させるソリューションです。NVIDIAとのコラボレーションは、AIの力と日立レールの先進的な技術を組み合わせて、鉄道事業者のパフォーマンスの向上を支援します。」

NVIDIA データーセンタービジネス担当 バイスプレジデント, Yogesh Agrawal(ヨゲシュ・アグラワル)氏のコメント

「第一次産業革命で強化された鉄道は、AIによるデジタルトランスフォーメーションへのパラダイムシフトの最前線にいます。NVIDIA IGXとHoloscanを搭載した日立レールのHMAXソリューションは、鉄道システムの運用性、安全性、信頼性を向上させるために必要なリアルタイムコンピューティング機能を提供し、鉄道事業者と今日の利用者のニーズを満たします。」

補足情報

  NVIDIA IGXは、エンタープライズレベルのハードウェア、ソフトウェア、サポートを組み合わせたエッジAIプラットフォームです。産業環境および医療環境向けに特化して開発されており、強力なAIコンピューティング、高帯域幅のセンサー処理、エンタープライズセキュリティ、機能の安全性を提供します。
  日立デジタルのAI CoEは、日立とお客さまのハブとして、共通のAIインフラストラクチャ、ガバナンス、技術的および運用上の専門知識を提供しています。CoEの知識とリソースは、NVIDIAとの提携*1により強化されています。

*1

2024年3月19日付ニュースリリース「日立とNVIDIAが協業し、生成AIによるDXを加速」

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。