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世界で初めて鉄道車両用主電動機向けに銅ダイキャスト回転子を製品化
主電動機の効率化と軽量化の両立をめざし、カーボンニュートラルの実現に貢献
主電動機の内部構造と銅ダイキャスト回転子外観
株式会社日立インダストリアルプロダクツ(以下、日立インダストリアルプロダクツ)は、銅ダイキャスト*1回転子*2を、鉄道車両用主電動機向けとしては世界で初めて製品化*3し、質量の軽量化を実現しました。日立インダストリアルプロダクツが従来から持っている高効率技術に、軽量化技術を加えることで、今後の鉄道車両のさらなる省電力化・環境負荷低減に貢献します。
今回、日立インダストリアルプロダクツは主電動機の構成部品である回転子のさらなる軽量化に向けて、鉄道車両用主電動機向けの銅ダイキャスト回転子を開発しました。銅ダイキャスト回転子は、導体である銅をダイキャストにより製造した回転子で、従来の銅バーとエンドリング*4をロウ付けにより接合した回転子(以下、銅バータイプ)よりも、質量を約15kg低減することができます。今後、対象となる鉄道車両案件から適用していきます。
- *1
- ダイキャスト: 溶かした金属を金型に流し込んで加圧成形する鋳造法。
- *2
- 回転子: 主電動機を構成する回転部品。ここではかご形回転子のことを示す。
- *3
- 当社調べ(鉄道車両用主電動機に銅ダイキャスト回転子を用いること。)
- *4
- エンドリング: 回転子導体である銅バーの両端を電気的に接続し、短絡するリング材料。銅や黄銅が用いられる。
開発の背景と課題
日立インダストリアルプロダクツが従来から持つ主電動機の回転子ラインアップは、鉄心内のスロットに棒状の銅バーを挿入して構成する銅バータイプと、アルミ導体をダイキャストにて製造するアルミダイキャストタイプの2種類です。
当社はカーボンニュートラル社会の実現に貢献するため、主電動機の高効率化を進めており、高効率製品には回転子の導体にアルミよりも低損失である銅材料を適用した銅バータイプを採用しております。
効率化と軽量化の両立に向けて、銅ダイキャストの適用を検討したところ、銅材料適用による効率化を維持しながら、構造を簡略化することにより、部品点数の削減が可能となりました。しかし、銅の融点(約1086℃)が、アルミの融点(約660℃)より高温であることから、素材となる銅を融解した湯の温度が高温となり、品質よく鋳込むことが極めて難しく、また鉄道車両用主電動機向けであるため大型回転子へのダイキャストが必要であるという課題がありました。
日立インダストリアルプロダクツはアルミダイキャストタイプで培った技術を銅に応用し、銅ダイキャスト回転子の試作・検証を複数年繰り返し行うことで、鉄道車両用主電動機として最適な設計・検証方法を確立し、高品質な銅ダイキャスト回転子の開発・製品化します。
「国際鉄道技術専門見本市 -InnoTrans 2024」での紹介について
銅ダイキャスト回転子は、2024年9月24日(火)〜27日(金)にドイツ・ベルリンで開催される「「国際鉄道技術専門見本市 -InnoTrans 2024」に展示予定です。
日立インダストリアルプロダクツについて
日立インダストリアルプロダクツは、産業・流通、水インフラ、ヘルスケア、家電・空調システム、計測分析システム、ビルシステムなどの幅広い領域でプロダクトをデジタルでつなぐ「コネクティブインダストリーズ」の中で、プロダクト事業を通じてお客さまの環境価値の向上に貢献します。
お問い合わせ先
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営業統括本部 電機システム技術部 ビルトインドライブグループ[担当:中込、小林]
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