Flexwareが、米国の製薬エンジニアリングサービス企業Castle Hillを買収

  株式会社日立製作所(以下、日立)の米国グループ会社であるFlexware Innovation, LLC(フレックスウェアイノベーション／以下、Flexware)は、1999年に米国で設立されたエンジニアリングサービス事業を手掛けるCastle Hill Technologies, LLC(キャッスルヒルテクノロジーズ／以下、Castle Hill)を、2024年7月31日に買収しました。本買収によりFlexwareはお客さまのニーズに対応し、Lumada*1を中心にデータとデジタル技術で現場と経営をつなぐことを加速します。
  本買収により、Flexwareはライフサイエンス領域のビジネスを強化するとともに、米国ノースカロライナ地域での事業展開をさらに拡大します。Castle Hillのプロセスオートメーションやオーナーズ・レプレゼンタティブ・サービス*2、バリデーションサービス、大型プロジェクトマネジメントに関する豊富な経験・知見は、Flexware全体のビジネスを補完します。

*1

Lumada:お客さまのデータから価値を創出し、デジタルイノベーションを加速するための、日立の先進的なデジタル技術を活用したソリューション・サービス・テクノロジーの総称

*2

オーナーズ・レプレゼンタティブ・サービス(Owner's representative services):企業の代理として、設備導入に向けてプロジェクトの設計から納入まであらゆる側面をマネジメントするサービス

本買収の背景および意義

  製造・産業分野のテクノロジー企業の多くは、特定の産業向けや機械制御のみに事業を限定しています。Castle Hillは、大手製造業の設備構築に関する包括的な戦略・計画にフォーカスし、1999年の設立以降、ライフサイエンスを専門とする企業に一貫して付加価値を提供してきました。
  Castle Hill は、デジタルトランスフォーメーションを加速するために、優れたオーナーズ・レプレゼンタティブ・サービス、バリデーションサービス、システム統合、データソリューションの提供を専門としています。その対応能力はプロセスとオートメーションの設計、エンジニアリング、安全評価まで多岐にわたります。Castle Hillは、安全、効率的、スケーラブルなソリューションをもたらす企業として確固たる地位を確立しています。
  Flexwareは、Castle Hillの広範な専門性を生かして、日立の米国グループ会社であるJR Automation Technologies, LLC(以下、JRオートメーション)*3の事業も強化し、著名なグローバル企業を含むCastle Hillの顧客基盤への付加価値およびサポートの強化をコミットメントとして推進していきます。FlexwareとCastle Hillのシナジーを創出し、持続的な成長とイノベーション創出に向けた戦略的な連携をめざします。

*3

JRオートメーション:1980年に設立され、2019年、株式会社日立製作所が買収した米国の日立グループ会社。お客さまの運営・生産性の課題を解決するために、先進的な製造・流通分野向けオートメーション・テクノロジー・ソリューションの設計、構築、統合を提供するグローバルリーダーであり、自動車、ライフサイエンス、航空宇宙などの分野の世界中のお客さまにサービスを提供。

  FlexwareのCEOであるScott Whitlock(スコット・ウィトロック)は次のように述べています。「Castle HillをFlexwareチームの新たな一員として迎えられたことを大変嬉しく思います。将来的に、当社はFlexwareのソリューションとCastle Hillのエンジニアリングコンサルティングサービス、さらにJRオートメーションのエンジニアリングとラインビルディング(ロボティクスSI)事業の融合により、お客さまの課題解決と企業価値の最大化に向けて鋭意取り組んでいきます。」

  Castle HillのPresidentであるRobin Lowery(ロビン・ロワリー)は次のように述べています。「我々はお客さまの問題解決に情熱を持っています。Flexwareとの新たなパートナーシップにより、強力なビジョンと著名なグローバルテクノロジー企業の支援が得られ、より大きなステージでビジネスを展開できるようになります。Castle Hillが育んできたユニークな文化は、Flexwareの文化と完全に合致しています。両社の未来に心からエキサイティングしています。」

  Loweryは、Flexware経営陣とのパートナーシップのもと、引き続きCastle Hillを率いていきます。

Castle Hillの概要

Flexware Innovationについて

  1996年に設立されたFlexwareは、企業が直面する事業運営と生産性の重大な課題を解決する製造・情報技術ソリューションプロバイダーです。製造やライフサイエンス、公益事業、食品、飲料などのさまざまなインダストリー分野にサービスを提供しているFlexwareは、オートメーション、製造IT、ビジネスインテリジェンス、企業統合におけるニーズに合ったソリューションを提供しています。フィジカルとデジタルの双方のソリューションに重点を置くFlexwareは、お客さまがそれぞれの事業展開でシームレスな統合と最適なパフォーマンスを達成して効率性とイノベーションを推進することを支援しています。
  2022年、Flexwareは株式会社日立製作所による買収で、グローバルフットプリントとケイパビリティを大幅に拡大しました。本買収によりFlexwareは、現場と経営、サプライチェーンの間に存在する課題に取り組み、新たな事業価値の創出が可能となり、日立のLumada戦略をサポートします。Flexwareは米国インディアナ州フィッシャーズをはじめとする拠点において、200人以上の熟練したプロフェッショナルを擁する専門チームにより、強固なプレゼンスを有しています。卓越性と継続的改善にコミットするFlexwareは、お客さまと連携して、インダストリー4.0およびそれ以降の複雑な状況でのナビゲートを支援し、お客さまが絶えず変革する市場で競争力を確実に保てるように取り組んでいます。

日立製作所について

  日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」という3セクターの事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。3セクターの2023年度(2024年3月期)売上収益は8兆5,643億円、2024年3月末時点で連結子会社は573社、全世界で約27万人の従業員を擁しています。