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企業情報ニュースリリース

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2019年4月25日

社会インフラの効率的な保守管理を実現するデジタルプラットフォームを構築

水道管の漏水などを高精度で早期に検知するシステムを開発

[画像](左)図1:センサーの設置風景, (右)図2:漏水検知適用例

  株式会社日立製作所(執行役社長兼CEO:東原 敏昭/以下、日立)は、ガス管や下水管などの地中埋設インフラを効率的に保守管理するデジタルプラットフォームを構築しました。高感度・低電力センサーにより、地中配管などのデータを収集し、デジタル技術を活用することで、地中埋設インフラの保守作業の高度化・効率化を実現します。その第一弾として、本プラットフォームを活用し、水道管の漏水エリアを高精度で瞬時に特定するシステムを開発しました。今後、実用化に向け実証実験を進め、2020年度に水道事業者向けサービスを提供開始する予定です。
  本システムにより、漏水量を減らし造水コストを低減するとともに、大漏水による断水や道路の陥没事故を未然に防ぎ、安心・安全・快適な都市インフラの構築に寄与します。

  現在、法定耐用年数を超えた水道管は10%を超え*1、水道管の老朽化は大きな社会課題となっています。また、漏水調査をするには、調査員が公道上の制水弁や消火栓などに音聴棒を当て、漏水音を聞き分けることで、漏水の有無を確認する必要がありますが、熟練調査員の減少により、調査の周期が5年以上におよぶ地域もあるなど、漏水調査の効率化が深刻な課題となっています。
  今回、日立が開発した漏水検知システムは、高感度・低電力センサーが漏水特有の振動を検知し、漏水エリアを高い精度で瞬時に特定します。調査員が一つひとつの水道管の漏水の有無を巡回調査する必要がなくなり、調査範囲が漏水エリアのみに限定されるため、漏水している水道管を特定する時間や労力を大幅に削減します。また、漏水量を減らし造水コストを抑えるとともに、住民の通報による緊急工事の発生も低減し、漏水に起因する断水や道路の陥没事故などを防ぎ、人々の安心・安全・快適な生活インフラを支えます。

  日立は、今回開発したデジタルプラットフォームを用いて、水道管をはじめとするあらゆる社会インフラの効率的な保守管理を支援し、限りある資源を有効活用することに加えて、平常時には都市空間の効率的な活用を、災害時には迅速な被災状況の把握を支援するなど、人々のQuality of Lifeの向上に寄与するソリューションを提供していきます。

  なお、現在、本システムの実用化に向け、NTTグループと株式会社熊本流通情報センターとともに2017年12月から実証実験を実施し、誤検知なく漏水を発見することを確認しています*2

*1
平成29年9月12日 厚生労働省「最近の水道行政の動向について」
*2
センサーで検知した30件について、全て漏水が発生していることを確認しました。

漏水検知システムの主な特徴

(1)日々の漏水検知を実現する高感度・低電力センサー

  日立が開発した高感度センサーを300m間隔で設置することで、漏水による微弱な振動を検知します。また、低電力化を実現する回路技術により、電力消費量を従来比で50%削減しました。これらにより、センサーは内蔵バッテリーのみで5年以上稼動し、広範囲にわたって漏水を日々検知することができます。

(2)誤検知防止と通信負荷低減を実現するデータ分析技術

  日立はこれまでの漏水検知に関する知見やノウハウから、漏水時は連続的な一定の振動が発生することを発見し、漏水による振動を検知する高度データ分析技術を開発しました。センサーに本技術を適用し、自動車や人の往来による振動といったノイズの除去をセンサーで処理することにより、通信負荷を低減したデータの収集・分析が可能になります。これらにより、漏水の誤検知を削減し、高精度な漏水検知を実現します。また、センサーとの通信は、NTTグループが提供するIoT通信技術 LPWA*3 (LTE-Mなど)の活用を想定しています。

*3
LPWA(Low Power Wide Area):省電力広域無線通信技術

(3)既存の水道管に容易に設置できるセンサー

  日立が開発したセンサーには磁石が内蔵されており、追加工事なしで、既存の水道管に容易に設置でき、データを収集することができます。これにより、センサーを広範囲の水道管へ設置することができます。

お問い合わせ先

株式会社日立製作所 未来投資本部インフラ保守プロジェクト [担当:竹島、森脇]
〒100-8280 東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話 : 03-5471-4615(直通)

以上

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