日立製作所が開発した、高い安全性と省電力性・高速性を併せ持つ公開鍵暗号。ハイムアールと読む。特長は次のとおり。
HIME(R)は、公開鍵暗号の安全性理論において最強とされる安全性レベルを有している。このため、非常に強力な攻撃者であっても、暗号文から元データの一切の部分情報を引き出すことが困難。また、標準化活動などを通じて多くの安全性評価・検証結果が得られており、安全性証明の正しさも客観的に保証されている。
HIME(R)の暗号化は、メッセージに対し、OAEP法と呼ばれるパディングを施し、その後、平方剰余算を一回行うだけで実施される。これらの操作はきわめて簡潔で高速性に優れている。
また剰余乗算における法(合成数)の形を工夫し、復号化の高速処理も達成した。RSA暗号に比べ、同じ鍵長の場合、暗号化で約10倍、復号化で2~3倍の高速処理性能を発揮する。処理性能向上は消費電力を抑えることに直結し、ユビキタス端末でも動作可能。