サステナブルな企業活動を支える環境情報の共通インフラを構築
「SAVE the BLUE」プロジェクトで育成中の沖縄サンゴ礁
事業のグローバル展開を加速させている株式会社コーセー(以下、コーセー)は、サステナブルな社会の実現に向けた環境負荷軽減の取り組みを強化するため、「EcoAssist-Enterprise-Light」を導入しました。ESG投資のための情報開示や法定報告書の作成を効率化し、コーセーグループの中長期ビジョン「VISION2026」へ向けたあらゆる活動において「サステナビリティ視点」を実践することで、グループの事業成長と持続可能な社会の実現を両立していきます。
「人々に夢と希望を与える化粧品」を通じた事業を展開するコーセーグループは、「美しい知恵 人へ、地球へ。」というサステナビリティ指針のもと、ISO26000といったガイドラインや、ESGに関する外部評価などを用いて、コーセーグループを取り巻く社会や環境の変化・課題と重要課題(マテリアリティ)を特定。国際社会の変化にも配慮したサステナビリティ活動を展開しています。
2020年4月には、グループとしてのサステナビリティに関する取り組みと2030年までの目標をまとめた「コーセー サステナビリティプラン」を策定。 「人へ」と「地球へ」の2つの側面から、広く貢献する6つの取り組みテーマを決定しました。
「人へ」の側面ではアダプタブルな商品・サービスの提供や原料調達先との人権面における協働、「地球へ」の側面では、2009年から続く「SAVE the BLUE」プロジェクトにおいて、顧客が購入したスキンケアブランド『雪肌精』の対象商品の売り上げの一部を、沖縄でのサンゴ育成活動と東北での森林保全活動として各団体に寄附する取り組みなどが、その一例です。
「ESG投資の拡大や海洋プラスチック問題の表面化などもあり、日本国内でもSDGsへの取り組みが重視されるようになってきました。そこで当社では2019年、サステナビリティ戦略課という全体戦略を考える専任部署を立ち上げ、全社的なサステナビリティプランの策定などを行ってきました。2020年4月からはサステナビリティ戦略室と名称を変え、組織の機能そのものも強化・拡充しました」と語るのは、サステナビリティ戦略室 課長の潮田 繭子氏です。
株式会社コーセー
小川 恵一 氏 潮田 繭子 氏
コーセーのサステナビリティ活動を支える基盤として2020年に導入されたのが、日立の「EcoAssist-Enterprise-Light」です。
「ステークホルダーへの情報開示や、省エネ法などの定期報告書作成に向けた環境負荷情報の収集は以前から行っていました。しかし多くの作業を人手に頼っていたため業務の属人化が進み、入力品質にばらつきが生じ、データ集計に時間がかかるなど、業務の負担が限界に近づいていました。CDP*1などへの情報開示で、今後ますます項目が増えると思われるデータ収集、管理業務に対応するには、システム化が必須の状態になっていたのです。そこでいくつかのソリューションを検討した結果、多くの企業で導入実績があり、エネルギー情報管理で高度なノウハウを持つ日立のサービスなら、安心して使えるのではないかと考えました」と、潮田氏は語ります。
また「決め手となったのは、これまでと同じExcelベースで業務が行えることでした」と話すのは、サステナビリティ戦略室の小川 恵一氏です。「以前から工場や研究所の担当者にExcelのシートに環境負荷情報を入力してもらい、メールでやりとりしながら情報収集を行ってきました。その運用をいきなり変えることは困難なため、従来どおりExcelが使えるEcoAssistなら、導入の負担も小さいと考えたのです。データ項目が自由に決められるため、CDPのScope3など新たな情報開示に対応できる点も評価しました」と満足げに小川氏は語ります。
2 019年に導入決定し、2020年4月1日EcoAssist-Enterprise-Lightは予定どおりに正式稼働。コーセーの工場、研究所、グループ会社など全国約70か所の拠点と台湾のグループ会社から、クラウドでの情報登録とWeb上でのデータ一元管理が開始されました。
「導入初年度ですのでまずはスモールスタートで始め、その成果を見ながら拠点数やデータ項目を増やしていく計画です。日立さんには、各拠点で様式がバラバラだったExcelシートの標準化や、前年度と比較して乖離(かいり)した数値が入力された際、セルの色を変えて入力ミスの確認を促すといった機能を追加していただきました。そのおかげでユーザビリティが大幅に向上し、属人化の心配もなくなりました。手作業でやっていたデータ集計も自動化され、データ開示までのスピードと精度も大幅にアップしました。また、財務システムにある環境会計情報をEcoAssistのデータベースで共通管理できるようになったことで、これまで別々の部署で集計、作成していた環境会計報告や省エネ法の定期報告書、ステークホルダーやESG投資家向けのコーセーレポート(統合報告書)などの必要項目を、ひとつのデータベースから柔軟に水平展開できるようになったことも大きな進化です」と小川氏は成果を語ります。
さらに、CDPへの情報開示に欠かせない第三者監査対応として、エビデンス管理機能も実装されています。
「今後われわれはEcoAssistを、コーセーの各部門が求める環境関連情報の共通インフラへと進化させていきます。それが環境経営を効率よく進めるための近道だと考えているからです」と、小川氏はEcoAssistの展望を語ります。
「当社はグローバルなお客さまやESG投資家の皆さまに、今以上に選ばれる企業となっていかなければなりません。今後も日立さんの支援をいただきながら、EcoAssistを活用したサステナビリティの取り組みを積極的に展開していきます」と、潮田氏は力強く語ります。
中長期ビジョン「VISION2026」のもと、高ロイヤルティ企業として、世界へ独自の存在感を放つ企業へ進化することをめざすコーセーグループを、日立はこれからもEcoAssistで支えていきます。
提供:株式会社コーセー
[本社] 東京都中央区日本橋3-6-2
[創業] 1946年
[資本金] 4,848百万円
[従業員数] 14,060名(2020年3月期末 嘱託・パートを含む)
[事業内容] 化粧品の製造販売
(株)日立製作所 制御プラットフォーム統括本部
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