注目ユースケース
Lumadaのユースケースコード:UC-01673S
〜AIによる感染症予報サービス〜
2021年5月21日
日立グループは、多様なパートナーと共に、誰もが快適に、安心して、健やかに暮らせる社会をめざしています。今回は、お客さまとの協創で新たな価値創出をご提案するLumadaの取り組みの中から、AIを活用した「感染症予報サービス」を紹介します。
各医療機関の罹患(りかん)者数データをAIで分析することで、感染症の流行を予測し、住民の行動変容や、自治体・企業による効果的な対策を促します。たとえば、企業のサービスや業務と連携し、感染症関連商品の需要を予測するなど、KPIの向上に役立てられます。
Lumadaで協創!住民の自律的な判断を支援
インフルエンザのような感染症が流行する渦中では、刻々と変化する状況に応じて、適切な施策が求められます。2009年、新型インフルエンザが世界的に大流行した際には、終息に向けて多くの自治体や企業が対策に追われました。
インフルエンザの流行による社会経済へのマイナス効果は、数千億円規模にも及びます。
インフルエンザによるマイナス経済効果
刻々と変化する状況に応じて、適切に対応するためには、正確かつ詳細な情報が必要です。もし、身近な地域での流行状況をリアルタイムに知ることができれば、あるいは流行を予測できれば、流行に先んじて適切に対策できるようになります。
今までも、現場の医師は、各医療機関に集まる感染症の罹患者数などのデータと、自身の経験を基に感染症の流行を予測していました。しかし、一般の住民が流行の予測情報を知ることは困難でした。また、公的な感染症発生動向などは、流行後一定時間がたった情報であるため、身近な地域の流行状況をリアルタイムに知る手段も限られていました。
Lumadaのソリューションの1つである「感染症予報サービス」では、4段階に分かれた流行レベルが地域ごとに表示されるため、住民が流行状況を直観的に把握できます。さらに「何週間後に」、「どの市区町村で」、「どの程度」流行するかという精度の高い予測を、4週間先まで提供します。
※画像は予測結果の表示例です。
身近な地域の流行状況と流行予測を知ることで、適切な対策を講じてインフルエンザの流行によるマイナス経済効果を低減したり、インフルエンザの流行予測からプラスの価値を見出せるようになります。
医療の現場から収集したデータを活用
感染症予報サービスでは、医療の現場から収集した罹患者数データを中心とするさまざまなデータを基に、流行予測AIで、市区町村別に4週間先までの感染症の流行予測を提供します。
感染症予報サービスでは、精度の高い流行予測を提供するために、「ORCAサーベイランス」*1を活用しています。
ORCAサーベイランスには、医療の現場で日々入力・送信される、鮮度が高く価値あるデータが収集されています。この、医療の現場から集められるリアルタイムの罹患者数データと、過去の流行地域や時期など多様なデータを掛け合わせてAIで分析することで、流行を予測できるようになりました。
※画像は予測結果の表示例です。
2019年12月6日には、さいたま市でインフルエンザの流行状況を予測・情報配信する「さいたま市 インフルエンザ予報サービス」の実証実験を開始しました。自治体規模でインフルエンザなど感染症予報を実証実験することは、全国で初めての取り組みです。
実証実験では、さいたま市におけるリアルタイムの流行状況と、4週間先までのインフルエンザの流行状況を4段階で予測。次のような効果を確認しました。
ORCAサーベイランスには、インフルエンザだけではなく、ほかの感染症罹患者数データも蓄積されています。これらのデータを含め、罹患者数や感染に影響を与えると考えられる情報を蓄積できれば、感染症予報サービスの仕組みをほかの感染症に応用することもできます。
現在、新型コロナウイルスのような新興感染症にも応用していくことを視野に入れ、開発を進めています。
ソリューションの詳細については、こちらをご覧ください。
開発ストーリーの詳細については、こちらをご覧ください。
各医療機関の罹患者数データをAIで分析することで、感染症の流行を予測し、住民の行動変容や、自治体・企業による効果的な対策を促します。たとえば、企業のサービスや業務と連携し、感染症関連商品の需要を予測するなど、KPIの向上に役立てられます。
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Lumadaのユースケースコード:
UC-01673S
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